中小企業の人材採用にマーケティング手法を取り入れる 2 ~活動プロセス編~

執筆者:秀田 好章

更新日:2018年09月25日

求職者を顧客と捉える

(1の続き)
 前稿では、「採用マーケティング」の活動に取り組んで成功した事例を紹介した。本稿では、「採用マーケティング」の理論について説明する。

 「採用マーケティング」のベースとなった「消費者マーケティング」では、米・P&Gが提唱した考え方がよく知られている。消費者が商品の購入を決めるのは、広告によって刺激を受け、店頭で並べられた商品を手に取った瞬間である「FMOT(First Moment of Truth)」と、使用・体験した顧客がファンとなり、継続して購入する瞬間である「SMOT(Second Moment of Truth)」の2つのきっかけがあるというシナリオである。
 さらに、インターネットや口コミでの購買が広がると、米・グーグルが、消費者は店頭に行く前に購買意思決定を行っているという「ZMOT(Zero Moment of Truth)」の概念を提唱した。

 これらの概念を組み合わせた、見込み客(潜在層)が購買刺激を経て顕在層となり、「ZMOT」により直近層となり、「FMOT」により購買に至り、「SMOT」でリピーター化、口コミによる新たな顧客獲得となるプロセスは、「ダブルファネル」と呼ばれる。

 「採用マーケティング」とは、こういった「消費者マーケティング」の考え方を人材採用に活かすことである。その活動の段階は、上述の「ダブルファネル」のモデルに当てはめると、以下の4段階に大きく分けることができる。

(1)潜在層への認知度向上段階
 新卒採用の場合はまだ自社を候補としていない学生に、中途採用であればいずれ転職をしたいと考えている層(潜在層)に、自社のことを認知してもらう段階。
(2)顕在層への理解度向上段階
 自社を認知してもらった層(顕在層)に対して、面接以外の場で自社のことを深く理解してもらう段階。
(3)直近層への選考段階
 自社を理解してもらった層(直近層)に対する選考プロセスの段階。
(4)入社後の満足度向上段階
 入社した人々の満足度を高める段階。従業員満足度の向上により、後輩や知人などを紹介してもらう、いわゆる「リファラル採用」につながる重要な段階。

 インターネットによって口コミが簡単に広がる時代だからこそ、「消費者マーケティング」のノウハウを活用し、求職者を顧客として捉えた取組を行うことが重要である。また、上記のプロセスを通じて、求職者にとって価値のある時間となる「求職者体験」をどのように構築・提供していくかが、「採用マーケティング」活動の重要な課題となってくる。

【求職者のニーズに合った採用手法とは?】に続く

この記事の専門家

中小企業診断士、
株式会社エクステック 企画推進室 チーフコンサルタント

秀田 好章

ERP(基幹系情報システム)パッケージ開発やエンタープライズシステム開発など、大小さまざまなプロジェクトに参画。組織マネジメントやキャリア理論を駆使した人材育成も得意とする。現在は、自社でコンサルティング部門を立ち上げ、培ったIT知識や人材育成の知見を活用し、中小企業の経営課題を解決するコンサルタントとして活動中。

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業務効率化支援

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