中小企業の人材採用にマーケティング手法を取り入れる 3 ~具体的手法編~

執筆者:秀田 好章

更新日:2018年09月25日

求職者と従業員の満足度を高める

(2の続き)
 前稿では、「採用マーケティング」とはどのようなものかについて解説した。本稿では、第1回で紹介した事例企業が取った具体的な手法を、前稿で解説した各段階に当てはめて紹介する。以下のとおりである。

(1)潜在層への認知度向上段階
 ・採用活動用のホームページの作成
 ・地方の大学生や専門学生など、ターゲット層別に分類し、内容を変えたメールによるアプローチを実施
 ・学校での合同説明会へ参加し、前年入社した社員が会社説明を行う
(2)顕在層への理解度向上段階
 ・数人単位で実施する「ミニ企業説明会」を多数開催し、学生と接する機会を増やす
(3)直近層への選考段階
 ・面接の前後、個別に電話やメールによるアプローチを実施
(4)入社後の満足度向上段階
 ・入社した社員へのアンケートを実施

 一見、特別なことに見えなかったA社の施策が、全て「採用マーケティング」のプロセスに則り、実施されていることが分かる。また、口コミによる評判を重要視し、社員を積極に採用活動に参加させていることが特徴的である。
 特に、前年の採用者が学生に向けてリアルな会社の実情を伝えさせたこと、そして、会社説明会から面接、フォローアップに至るまで、「求職者は顧客である」という対応を一貫して行ったことが新卒採用に奏功したと言える。

 こういった活動は、従業員満足度が低ければ成り立たず、たとえ入社しても退職するという事態になってしまう。そのため、社員へのアンケートやヒアリングを行い、公的助成金や外部研修機関を活用して新人教育を他社と比較しても充実した内容にするなど、同社は徹底的に改善を行っていった。こういった取組を積み重ねることで、A社は数年で成果を出すことができたのである。

 最後に、「採用マーケティング」を実施するにあたって最低限押さえておきたいポイントとして、「どうすれば自社を好きになってもらえるかを徹底的に考える」こととともに、「人材採用にITを活用する」ことが挙げられる。昨今の求職者は、スマートフォンやタブレット、メール、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用している。企業も求職者のニーズに合わせた採用活動が必要だろう。今回のコラムで紹介した内容で1つでも参考になることがあれば、それからぜひ取り入れてみてほしい。

この記事の専門家

中小企業診断士、
株式会社エクステック 企画推進室 チーフコンサルタント

秀田 好章

ERP(基幹系情報システム)パッケージ開発やエンタープライズシステム開発など、大小さまざまなプロジェクトに参画。組織マネジメントやキャリア理論を駆使した人材育成も得意とする。現在は、自社でコンサルティング部門を立ち上げ、培ったIT知識や人材育成の知見を活用し、中小企業の経営課題を解決するコンサルタントとして活動中。

得意分野

業務効率化支援

IT導入支援

事業計画作成支援

人材育成支援

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