サービス業のマーケティング入門!自社の「7P」を把握しよう 2 ~品質の可視化編~

執筆者:狩野 詔子

更新日:2018年10月24日

目に見える「物的手がかり」を活用

(1の続き)
 本稿では、前稿で紹介した「7P」を理解するため、モノとは異なる「サービスならではの4つの特性」と、7Pのうちの1つである「物的手がかり」について、事例を交えて解説していく。

(3)「モノ」と「サービス」の違いは何か
 マーケティングの「3つのP」について理解するための前提知識として、サービスが持つ4つの特性を紹介しよう。
・無形性
・属人性
・消滅性
・同時性

 第1に、「無形性」とは読んで字のごとく形が無いことである。例えば飲食店であれば、料理や店舗は形あるものだが、提供されるサービスは無形のものである。タクシーやバス会社ならば、車両や駅舎には形があるが、輸送サービス自体を目で見ることはできない。
 第2に、「属人性」は異質性ともよばれるもので、サービスの提供者、ときにはサービスの受け手である顧客によっても、品質や内容にばらつきが出ることを指す。例えば、同じトレーニングを受けてきたネイリストが2人いたとしても、2人が提供するネイルのデザインやクオリティは全く同じにはならない。
 第3に、「消滅性」は売り逃した場合に、商品であるサービスが消滅してしまうことを指す。例えば「1時からの美容院でのヘアカット」や「今夜のホテルの宿泊サービス」は在庫を持ち越すことができない。
 第4に、「同時性」は生産と消費が同時になされることを指す。モノであるならば前もって商品を生産しておき、在庫を販売することが可能だが、サービスの場合は作り置きができない。これは「消滅性」と似た概念である。
 これらの前提条件を踏まえて、3Pの各要素を詳述していこう。

(4)物的手がかり(Physical Evidence)とは
 「物的手がかり」とは、サービスの特性の1つである「無形性」に紐づいたマーケティング要素である。サービスは無形であるため、顧客はサービスを購入するかどうかの意思決定の際、目に見えるヒントを基にサービスの品質を推測するしかない。目に見えないサービスの性質や、品質の高さを顧客に伝えるためには、目に見えるものである「物的手がかり」が有用になってくる。

 一例として、「気取っていなくて安い」「低価格で楽しい体験」というサービスイメージを体現しているのが、LCC(ロー・コスト・キャリア)のピーチ・アビエーションだ。ブランドカラーを明るいフューシャピンクに統一し、客室乗務員も同色のジャケットを着用して乗客に活発な印象を与えている。乗務員は「まいどおおきに」と大阪弁を使い、機内食の「ピーチデリ」ではたこ焼きやお好み焼きを提供する。これら全てが「物的手がかり」である。
 また旅館を例にとれば、建物や内装の美しさ、仲居さんが着用している制服の清潔さ、パンフレットや予約サイトのデザイン、看板やロゴの上品さなどの目に見える「物的手がかり」が、顧客に「高品質な宿泊体験ができる旅館であろう」と認識してもらうための、マーケティング手法の1つとなるのである。

【3つのPの残る2つ、「人」と「サービス提供のプロセス」を探る!】に続く

この記事の専門家

中小企業診断士、かのさん中小企業診断士事務所 代表

狩野 詔子

サービス業・観光業における生産性向上を得意とするコンサルタント。 ヤマハ株式会社、デロイトトーマツコンサルティング合同会社を経て、テーマパーク運営企業にて飲食部門・バックオフィス等の業務効率化を手掛ける。

得意分野

生産性向上・業務効率化

働き方改革

サービス業・飲食業・宿泊業

インダストリアル・エンジニアリング

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