人工知能(AI)の実情を捉え、売上向上やコスト削減に活かす! 3 ~導入の事例編~

執筆者:内田 喬也

更新日:2018年08月24日

中小企業もAIを導入し始めている

(2の続き)
 前稿では、AIが実際に果たせる機能について身近な例と共に説明した。本稿では、実際に中小企業がAIを活用している事例を以下に紹介する。

(1)コミュニケーションロボット「Sota」を活用したラーメン店のおもてなしサービス
 鶏ポタラーメン THANKは、東京都港区にラーメン店を構える。同店では、AIとロボットを活用した「クラウド型顧客おもてなしサービス」を導入している。主な活用方法は、ロボットがスタッフの代わりに来店客の顔を覚えるというシステムになっている。来店客はあらかじめ専用のモバイルアプリに顔登録を行い、店頭で食券を購入する際に、コミュニケーションロボット「Sota」に顔を見せることで、顔認証を行う。来店回数に応じて無料トッピングをサービスすることなどに活用している。

(2)AIを活用した生産性向上の共同研究に取り組む切削加工会社
 自動車部品を製造する株式会社共進(長野県諏訪市)は、公立諏訪東京理科大学と共同研究に参画し、「カシメ接合」を用いた部品の破壊強度検証にAIを活用している。従来の破壊強度検証は、a)仕様検討、b)テスト用サンプル・冶具作成、c)カシメ接合、d)寸法検査・破壊試験、e)試験結果プロットの5工程を、技術者や職人の勘・経験を頼りに試行錯誤を繰り返していた。そこで、従来の破壊強度試験結果を基にシミュレータを開発し、シミュレータの結果をAIに学習させる。強度を学習したAIに次のシミュレート条件を予測させて、最適な加工設定を導き出す。これによって、破壊強度検証の工数が大きく削減し、コスト削減につながっている。

(3)高濃度フルーツトマトを生産する「スマート農業」を営む農家
 株式会社須藤物産(栃木県大田原市)は農業生産法人として、長野県上田市に立地するハウスで主にフルーツトマトの生産販売を営む。通常のトマトのおよそ2倍となる、平均糖度10度の「高濃度フルーツトマト」を生産し、首都圏の百貨店などで高い評価を得ている。これを生産できる要因は、もともと休耕地だった場所をAI付き農場「スマート農業」へ転換したことにある。AIが最適な温湿度や肥料、土壌の水分量を判断することで、高品質で安定した商品を提供できることを強みとしている。

 AIは身近になりつつあり、中小企業であっても活用している企業が増えつつある。大きな可能性を秘めているAIを、今後も注目していただきたい。

この記事の専門家

中小企業診断士

内田 喬也

中小の印刷会社に勤務し、印刷オペレータから、品質管理・ISO事務局・工場長など、製造現場を従事する。2018年6月に中小企業診断士登録。現在は、製造で培ってきた知識を活かした、ものづくり支援・組織運営支援などを提供している。

得意分野

生産工学を活用した生産性向上

管理者、リーダー育成

販売促進・販路開拓

IT活用

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