飲食店に伝えたい、常連客を作る接客方法 1 ~常連客の重要性編~

執筆者:石田 正和

更新日:2018年09月18日

常連客が新規客を連れてくる

 開業して2年で50%が廃業すると言われる飲食店。2017年版中小企業白書第1部第2章によると、「宿泊業、飲食サービス業」は開業率が9.7%、廃業率が6.4%と、ともに全業種の中で最も高い結果であった。入れ替えが激しい業種であることが分かる。

 飲食店の顧客は、新規客と常連客の大きく2つに分けられる。では、新規客と常連客の獲得コストはどちらが高いのだろうか。これは、新規客のほうが高いことは容易に想像できるだろう。なぜなら、ゼロから店舗を知ってもらうためには、チラシの作成料やグルメサイトへの情報掲載料などの広告費がかかるからである。

 例えば、「初めて来店するお客様に限り」というような謳い文句で、新規客に限定したサービスなどをよく見かける。しかし、値段だけに惹かれて来店する顧客は、通常の値段に戻ると店舗を離れていく。また、「インスタ映え」に代表されるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)をきっかけとする集客効果を期待したとしても、一時的に来店客数が増加する効果はあるかもしれないが、見た目の新しさだけでは、写真を撮影するという目的を達成したら満足して来店しなくなってしまう。むしろ、サービスの質を上げないまま来店客数を増やすことで、否定的な意見が拡散して逆効果になることもある。

 さらに、店舗のことをよく知ってもらおうと始めたことが、結果的に過剰なサービスになることもある。例えば、顧客同士で盛り上がっている会話を遮ってまで、長々と料理の説明をされたらどう感じるだろうか。恐らく顧客は身構えてしまい、心理的な壁ができてしまうだろう。

 顧客と積極的にコミュニケーションを取るのはもちろん良いことだが、理想は顧客側から自然にコミュニケーションが生まれることである。常連になった顧客は、何度も来店してくれるだけでなく、新規客を連れて来てくれる。その新規客は、常連客と同様に上質な顧客であることが多い。店舗を選ぶ際に、「人に勧められたことがある」または「連れて行ってもらったことがある」という経験は、非常に大きなアドバンテージとなるのである。

 このように、常連客は自発的に店舗にとって良い情報を発信してくれるため、店舗の売上拡大には常連客が欠かせない。飲食店の提供するサービスを「料理」「内装」「接客」とで分けた場合に、資金や時間の面で一番改善がしやすい「接客」に焦点を当て、次稿からは具体的に常連客の作り方を紹介したい。

【顧客にさりげなく心地良さを与える接客手法とは?】に続く

この記事の専門家

中小企業診断士、ファイナンシャル・プランナー

石田 正和

広報・PR代理業、飲食業を経て、現在はウェブが中心の広告代理店にSEとして勤務。主に飲食・サービス業の小規模事業者の伴走型支援を行う。1975年生まれ。2016年に中小企業診断士登録。

得意分野

飲食・サービス業

販路開拓・顧客管理

ITシステム構築・導入

組織・人事管理

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