飲食店に伝えたい、常連客を作る接客方法 3 ~従業員の教育編~

執筆者:石田 正和

更新日:2018年09月18日

普段の教育が接客に表れる

(2の続き)
 最後に、飲食店での従業員教育について留意すべき点を、以下に紹介する。

(1)従業員は、背中を見せて教えてくれる人の言うことを聞く
 一般的に、従業員は店舗にたまにしか訪れない経営者より、普段一緒に業務を行う店長の言うことを素直に受け入れるものである。従業員は「自分たちのほうが店舗に立っている時間が長く、店舗や顧客のことをよく知っている」というプライドを持っている。経営者はこういった気持ちを理解し、少なくとも丸一日、開店から閉店まで経営者自身が動いて背中(手本)を見せないと、経営者の想いを従業員に正しく伝えることは難しい。経営者も店長も口頭での指示だけでなく、自身が先頭に立って動くことが重要なのである。

(2)現場を想定した勉強の場を設ける
 店舗が混雑しているときほど、接客の質が問われる。混雑によって店舗の隅々まで目が届かなくなってしまいがちで、料理の提供時間も通常より長くなる。その結果、顧客は接客に敏感になるからだ。混雑しているときは、店舗側もその場で従業員を教育する余裕は無いことだろう。
 従業員の研修を行う飲食店は多いが、座学による知識提供型の研修よりも、混雑する時間帯を想定したシミュレーション(模擬訓練)やロールプレイング(役割演技)による教育をお勧めしたい。特に、ロールプレイングで顧客側と店舗側の両方の役割を演じることで、従業員は自らの接客が顧客に対してどのような印象を与えているかを理解することができ、その効果は大きい。

 従業員教育に力を入れる企業の事例を紹介したい。
 創作料理店「お野菜びすとろ志あわせ」を運営するアレテー株式会社(東京都武蔵野市)は、サービス品質を向上するための勉強会に加えて、メニューの研究開発や調理技術の研さん、国内の提携農家での研修まで、従業員の教育に力を入れている。社名の「アレテー」とは正しく生きることを意味し、日々の行動や意思決定の基軸にしている。そんな店舗の誠実な姿勢に常連客が増え続け、同市内に姉妹店もオープンした。この店舗では、常連客の息子がアルバイトとして働いている。常連客が新規客だけでなく従業員まで連れてきた、と言えばこの店舗の誠実さが伝わると思う。

 接客には、経営者や店舗責任者が普段、従業員にどのように接しているかが表れる。今一度、従業員が顧客に対して、特別感をさりげなく提供する接客ができているか確認してみよう。長い常連客をつくるには、話題性だけではなく地力が必要である。

この記事の専門家

中小企業診断士、ファイナンシャル・プランナー

石田 正和

広報・PR代理業、飲食業を経て、現在はウェブが中心の広告代理店にSEとして勤務。主に飲食・サービス業の小規模事業者の伴走型支援を行う。1975年生まれ。2016年に中小企業診断士登録。

得意分野

飲食・サービス業

販路開拓・顧客管理

ITシステム構築・導入

組織・人事管理

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