圧倒的なスピードで成果を出す、新規事業のはじめ方 1 ~先進事例編~

執筆者:東 隆志

更新日:2018年10月03日

不確実性が高い環境で有効な手法

 これまでに無かった製品やサービスが次々と現れる米・シリコンバレーで、多くのベンチャー企業から大企業まで採用しているのが「リーン・スタートアップ」という考え方である。リーン・スタートアップとは、「無駄がない」という意味の「リーン(lean)」と、「起業」を意味する「スタートアップ(startup)」を組み合わせた言葉で、製品のライフサイクルや顧客ニーズの変化が早く、不確実性の高い環境において、少ない労力と圧倒的なスピードで成果を出す起業や新規事業の立ち上げ手法である。
 この考え方は、大企業や最先端のIT企業だけが利用するものではない。限られた経営資源で成果を出すことが求められる中小企業にこそ、必要な考え方である。

 リーン・スタートアップは「構築」「計測」「学習」の3つを短期間で繰り返すプロジェクト手法である。PDCAサイクルを高速で何度も回転させることで、少ない資源で最大の効果を得ることを目的としている。

 例えば、世界最大のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)であるFacebook(フェイスブック)は、ハーバード大学内で学生が交流を図るための限定的なSNSであった。その後、同じようなサービスを利用したいという要望に応え、他の学生にも解放された。さらに一般に解放され、世界中の誰でも利用できるようになり、現在は20億人を超える月間アクティブユーザーがいる。このFacebookも、当初から大きなコストをかけて開発したものではない。学生であったマーク・ザッカーバーグ氏が1人で数週間かけて開発したと言われている。少ないコストで製品を「構築」し、ユーザーの反応を「計測」し、「学習」することにより改良を重ね、現在に至っている。

 オンラインストレージ(外部記憶装置)サービスのDropbox(ドロップボックス)も、リーン・スタートアップの考え方を利用している。スマートフォンやパソコンなどのあらゆるデバイスから簡単な操作でファイルの共有・同期ができるサービスは、しっかりと構築をするために多くの期間とコストが必要であった。
 しかし、膨大なコストを使って開発したシステムを、多くの人が利用する確証はない。そこで、同サービスを提供する米・ドロップボックスは、利用の流れを説明する動画をウェブで公開し、同時に事前利用申し込みを受け付けることで顧客の反応を「計測」した。顧客から良いフィードバックを得た同社は、確信を持ってシステムの開発に着手することができたのである。

【リーン・スタートアップの具体的な進め方とは?】に続く

この記事の専門家

中小企業診断士、パーソナルベスト株式会社 代表取締役

東 隆志

大学卒業後の19年間はIT企業の営業職を務める。父親が経営する不動産業の会社を承継するために退職する。その後、不動産や会社経営に興味を持ち宅地建物取引士や中小企業診断士の資格を取得。現在は経営者・経営コンサルタントとして活躍している。

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不動産経営支援

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