資金繰りを円滑に進めるために工夫し、金融機関から信頼獲得! 2 ~把握すべき情報編~

執筆者:南 肇之

更新日:2019年02月08日

入金・出金の発生事由を追究する

(1の続き)
 本稿では、中小企業の資金繰りの困難さに対面したA氏が、実際どのように資金繰りに対応したのかについて説明する。

 「不渡りを出してはいけない」という前提を完全に履行するには、手形の決済日に決済すべき資金が当座預金にあることが求められている。その決済日の朝までには、数千万円単位であろうと資金を充足させねばならず、1円たりとも不足があってはならない。
 資金繰りを行うに当たっては、経理業務を一通り実行した上で、まず実際の資金の出入りの時点を把握することがスタートである。これは、日々資金繰りを行うに当たって当然把握しておくべきことであり、何ら特別なことではない。
 したがって、A氏が社長から指示された後すぐに着手したのは、資金の出入りの源泉を探ることであった。
 そのために具体的に実施したことは、以下の5つであった。

(1)固定的な要素の強い人件費やリース料などについて、その増減要素の把握
 従業員の労働時間や労働保険法定料率の変化、長期投資用支出案件の有無などが増減要素に当たる。
(2)変動要素が強く、多額出金を伴うコストの発生元の把握
 現場の材料費や外注費、レンタル費などの出費について、発注情報を可能な範囲で日次ごとに収集した。
(3)顧客先別の定期的な入金スケジュールの把握
 売掛金の回収情報を事前に把握するようにした。
(4)確定受注案件(契約)のみならず、受注見込案件の内容の把握
 工期による入金・出金のタイミングの推定を行った。
(5)建設案件の完成原価(売上原価)の構成の理解(受注案件の価額に関して、おおよその原価率を想定可能としておくこと)

 上記のような企業運営に係る資金の出入りになどの情報については、ほとんどの経営者の方が当然のように把握しているものと思われるが、このような情報を細かく把握するにはある程度の期間が必要であると想定される。
 では、なぜこれらを詳細に把握しなければならないのだろうか。
 それは、資金需要の供給元となる金融機関への対応において、上述の(1)から(5)の情報が必要だったからである。A氏は金融機関に説明を果たすことの重要性を感じて、実施したのである。

【把握した情報を金融機関に伝える際に、2つのポイントを押さえよう!】に続く

この記事の専門家

中小企業診断士、公認不正検査士(CFE)

南 肇之

大学卒業後、製造業をスタートに、建設・小売・物流業にて、一貫して経営企画管理、経理、事業管理に従事。また、BPR推進や対外的にはM&Aや事業再編にも携わる。現在、これら経験を活かし、経営の監査を行う。

得意分野

経営企画・管理、予算実績統制

BPR推進、リスクマネジメント

M&A、事業再編

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