資金繰りを円滑に進めるために工夫し、金融機関から信頼獲得! 3 ~2つの注意点編~

執筆者:南 肇之

更新日:2019年02月08日

金融機関との信頼関係を高める

(2の続き)
 前稿では、資金繰りの基本的な対応として、入金・出金の発生源泉を遡って把握することの重要さを説明した。本稿では、把握した情報を金融機関向けに整理整頓して伝達する際に役立つ勘どころおよび経営上の注意点について説明する。

 金融機関が企業に対して資金融資の審査をかける際には、財務諸表(最新の試算表)以外にも何らかの資料を要求するものである。おそらく、受注明細や資金繰り予定表などの提出を求めるのではないだろうか。しかし、「自社では要求された書面を作成できない」と、金融機関担当者に任せて投げてしまったり、取引金融機関に対して長期の取引実績もあるから、という考え方に甘えて情報提供を怠ったり、遅延しても適切に対応してもらえているものと考えていたりするのは、金融機関との信頼関係に影響を及ぼす可能性がある。

 上記のような対応であっても、高い収益性を確保し、潤滑な資金を活用できている企業は、何ら資金繰りに影響を及ぼすことはないだろう。しかし、ほとんどの中小企業はその通りとは言えないのではないだろうか。だからこそ、上記を踏まえて、以下の2点を意識してほしい。

(1)金融機関から求められる書面は、出来るだけ自社で作成し提示すること(なお、自社管理資料として作成した、受注明細や経費明細と整合性を取り、提出資料と比較して齟齬が無いこと)

(2)今後も長期的な取引関係を維持するためにも、企業の(管理上の)信用を高めておくこと(「何とかして貰える」という考えからは脱却すべき)

 資金調達の基本として、収益性の改善を柱とした財務内容の健全化や、必要資金返済の保証を付与する担保が必要であることは論を待たないが、企業の資金の出入りを一番理解しているのは社長を始めとした企業内部の者だけという場合が多い。
 しかし、資金調達という企業活動の重要行為において、必要資料を自社で一部の隙間なく充足し提示することこそ、企業側が主導的立場を発揮できるのではないだろうか。つまり、必要な時に必要な資金を充分に手にするためにも、後手後手でなく、先々を見据えた対応こそ企業の安定をもたらすと言えるのではないだろうか。
 まさに中小企業においては、現状の資金余裕に気を許すことなく、また資金繰りに気持ちの余裕を持つためにも、上記のことが参考になれば幸いである。

 なお、「第1回」の冒頭で記載した取引銀行担当者から連絡があった後、A氏は自社の入金タイミングを1日誤認していたことに気づき、至急他行に預金してあった余裕資金を振り替え対応することで冷静に対応した。これも、事前に入金・出金の情報を日毎で追跡できるようにしていたからこそであった。

この記事の専門家

中小企業診断士、公認不正検査士(CFE)

南 肇之

大学卒業後、製造業をスタートに、建設・小売・物流業にて、一貫して経営企画管理、経理、事業管理に従事。また、BPR推進や対外的にはM&Aや事業再編にも携わる。現在、これら経験を活かし、経営の監査を行う。

得意分野

経営企画・管理、予算実績統制

BPR推進、リスクマネジメント

M&A、事業再編

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