統計データを企業経営のヒントとして活用する 3 ~活用事例編~

執筆者:木村 敏子

更新日:2019年01月11日

現在の市場や新規開拓先を調査

(2の続き)
 前稿では、外部環境を理解するのに役立つ統計データの主な情報源を紹介した。本稿では、統計データの具体的な活用事例を以下に紹介する。

 段ボールメーカーA社は、食品メーカーを主力顧客とし、受注は比較的安定しているが、価格の低減要請を強く受けている。そのため、取引業界の新規開拓が課題となっている。
 今回は、(1)段ボール市場の動向把握、(2)取引業界の新規開拓、に関する統計データについて紹介する。前稿で紹介した情報源を意識しながら確認してほしい。

(1)段ボール市場の動向把握
 自社が参入している市場の動向把握は、継続的に行いたいものである。
 段ボール市場の規模は、業界団体「全国段ボール工業組合連合会」のホームページで毎月公表されている。地域別の生産量や、用途別の出荷量についても確認できる。また、主原料である段ボール原紙の生産量は「経済産業省生産動態統計調査」で、市況は日本経済新聞などで確認できる。このような基礎情報は、公表日を押さえてチェックしてほしい。

(2)取引業界の新規開拓
 まず全国段ボール工業組合連合会が公開している段ボールの用途別出荷量を見ると、物量は小さいものの、「通販・宅配・引越用」がここ数年継続して伸びていることが分かった。そこで「通販市場」が候補の1つに挙がる。
 次に、通販業界の概要について調べる。まず、マーケット調査会社が発刊している、通販業界の調査資料のサマリーをウェブ上で確認すると、市場は順調に伸び続けていることが分かった。他にも業界紙「通販新聞」がウェブ公開する記事も豊富で、売上ランキングや企業動向が確認できた。なお、業界団体「日本通信販売協会」でも会員企業の売上高調査を公表しているが、未加入の大手企業もあるため注意が必要だ。

 一方で、通販以外の市場はどうか。段ボールの需要先は裾野が広いため、幅広い産業の動向を確認したいところである。そこで役立つのが、書籍で出版されている「業界地図」だ。国内全産業の統計データに加え、業界の概要も分かりやすく示してあり、おおまかな動向把握やターゲット市場の探索にお勧めしたい。

 全国紙や業界紙をはじめ、重要な統計データを継続的に定点チェックすることで、自然と情報感度は高まってくる。その中でチャンスとなる情報をつかみ、深堀りする。このようなサイクルで、無理なく情報収集を行ってほしい。

この記事の専門家

中小企業診断士

木村 敏子

紙加工業の営業企画部にて市場調査などのマーケティングを担当。経営戦略に関わる調査や新規顧客開拓、新製品開発や販売の支援などに携わる。2018年に中小企業診断士登録。

得意分野

製造業(特に紙加工業)

市場調査

製品開発・販売支援

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