ビジネス心理学の勘所 vol.6 ~頼れる上司になるための要素 02~

執筆者:榎本 博明

更新日:2019年09月05日

(vol.5のつづき)

影響力の六つの基盤

上司が部下に対してもつ影響力として、心理学者レイブンは六つの勢力を指摘していますが、具体的には次のものを指します。

①報酬勢力
昇給やボーナスの高い査定、昇進や表彰、配置転換で希望を叶えるなど、報酬を与える力をもつことに基づく影響力

②強制勢力
減給や賞与の低い査定、降格、処分、左遷など、罰を与える力をもつことに基づく影響力

③正当勢力
地位関係により、自分が従うのは当然だと部下が認識していることに基づく影響力

④準拠勢力
部下の側の好意的感情と心理的一体感に基づく影響力

⑤専門勢力
特定の領域において経験が豊かで専門的な知識やスキルが自分より上だと部下が認めることに基づく影響力

⑥情報勢力
情報通であり、有用な情報にアクセスできることに基づく影響力

報酬勢力、強制勢力、正当勢力の三つは、上司なら必ずもちますが、これらは有無を言わさぬ影響力として迫るものです。この三つしかもたない上司の場合、部下は仕方なく従っているといった感じになり、形だけは指示通りに動いても、目の届かないところでは適当に手を抜くとか、最低限の義務は果たすけれども気合いが入らないということになりがちです。

一方、準拠勢力は「この人のようになりたい」といった思いを基礎とし、専門勢力も「仕事ができる人」といった敬意を基礎としているため、「無理やり」とか「仕方なく」といった感じはありません。情報勢力は、ITの時代になって重要度を増しています。

こうしてみると、頼れる上司として部下を引っ張っていくには、専門勢力や情報勢力をもてるよう能力開発や情報収集に励むことがいかに大切かがわかるでしょう。さらに、部下との気持ちの交流も心がけ、できることなら準拠勢力ももちたいものです。

(ビジネス心理学の勘所 vol.7へつづく)

この記事の専門家

MP人間科学研究所代表

榎本博明

心理学博士。東京大学教育心理学科卒。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て現在、MP人間科学研究所代表。心理学をベースにした企業研修や教育講演を行う。『仕事で使える心理学』『モチベーションの新法則』『ビジネス心理学100本ノック』『心を強くするストレスマネジメント』以上、日経文庫、『「おもてなし」という残酷社会』平凡社新書、『「やりたい仕事」病』日経プレミアシリーズなど多数。

ミラサポおすすめコンテンツ

サービスを利用する
ものづくり補助金 電子申請について
補助金など支援情報
無料派遣専門家
地域プラットフォーム
専門家派遣・電子申請のご利用は、こちらより企業IDをご登録下さい
ビジネスを創造する
ビジネス創造コミュニティ
業務「アプリ」マーケット
ミラサポビジネスプロジェクト/アワード
補助金・助成金ヘッドライン
軽減税率対策補助金
受動喫煙防止対策補助金
IT導入補助金
やってみるもんです。中小企業も!働き方改革
ミラサポ活用術
ページトップに戻る