ビジネス心理学の勘所 vol.7 ~意思決定のリスクマネジメント 01

執筆者:榎本 博明

更新日:2019年09月26日

意外に危うい意思決定

企業などの不祥事が発覚するたびに、ちゃんと手続きを踏んで会議を通過しているのに、なぜそんなおかしなことがまかり通ったのかといった疑問の声が上がります。でも、多くの人は他人事としてみているかもしれませんが、意思決定の誤りは、どんな組織でも容易に起こり得ることなのです。それは、不祥事の原因になるのみならず、企業の収益構造に大きなダメージを与えることもあるので、可能な限り防ぐ必要があり、そのための仕組みの構築が求められます。

そこで問われるのが組織風土です。問題が表面化した後の検証で、必ずと言ってよいほど指摘されるのが、「職場の風通しが悪かった」「会議でも自由にものを言いにくい空気があった」という組織風土です。
でも、これは空気が支配する日本では多くの職場に共通にみられる傾向です。

属人思考を防ぐ

そこで、まず注意すべきは属人思考です。これは、「事柄」についての認知処理の比重が軽く、「人」についての認知処理の比重が重い思考のことです。たとえば、新規案件の収益見通しやリスクについて議論する際に、事案そのものについて慎重に検討すべきなのに、提案者がだれか、だれの実績になるかといった「人」の要因に大きく左右されてしまうことを指します。その結果、リスクの大きい事案が通ったり、見過ごすべきでない点が黙認されたり、組織にとって大きなチャンスとなり得る事案が潰されたりします。

これを防ぐには、提案者や責任者の名前を伏せるなどして、「事柄」に焦点を絞った議論ができるような工夫が必要です。

(つづく)

この記事の専門家

MP人間科学研究所代表

榎本博明

心理学博士。東京大学教育心理学科卒。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て現在、MP人間科学研究所代表。心理学をベースにした企業研修や教育講演を行う。『仕事で使える心理学』『モチベーションの新法則』『ビジネス心理学100本ノック』『心を強くするストレスマネジメント』以上、日経文庫、『「おもてなし」という残酷社会』平凡社新書、『「やりたい仕事」病』日経プレミアシリーズなど多数。

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