ビジネス心理学の勘所 vol.8 ~意思決定のリスクマネジメント 02~

執筆者:榎本 博明

更新日:2019年10月03日

(vol.7のつづき)

同調圧力を防ぐ

もうひとつ注意すべきは同調圧力です。「みんなで決める」ことを良しとする日本の組織では、全会一致を理想とするようなところがあります。いろいろな意見や質問が出て、すんなりと提案が通らないことを「会議が荒れた」と言うように、あまり意見や質問が出ずに通るのが望ましいといった感じがあります。
そこに働くのが同調圧力です。「ちょっとそれはまずいのでは」と疑問に思っても、それを口にするのは何だか気まずいと躊躇するような経験は、だれにもあるのではないでしょうか。その結果、十分な検討が行われないままに、多くの参加者がおかしいと思うような愚策が通ったりします。
 
ここから言えるのは、全会一致というのはじつに危ない決議方式だということです。多くの人が集まって議論すれば、さまざまな視点から検討するわけですから、異論が出て当然です。それなのに全員の意見が一致するとしたら、それは同調圧力が強く働いていた証拠とみなすべきです。

そのような事態を防ぐ方法として、デビル審理法があります。提案に対して疑問をぶつけるデビル役をあらかじめ特定の人物にあてがっておくやり方です。それにより、提案に対して賛成意見しか出せないような空気は壊され、参加者は疑問点を率直に口にしやすくなり、同調圧力による誤判断を防ぐことができます。

(ビジネス心理学の勘所 vol.9へつづく)

この記事の専門家

MP人間科学研究所代表

榎本博明

心理学博士。東京大学教育心理学科卒。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て現在、MP人間科学研究所代表。心理学をベースにした企業研修や教育講演を行う。『仕事で使える心理学』『モチベーションの新法則』『ビジネス心理学100本ノック』『心を強くするストレスマネジメント』以上、日経文庫、『「おもてなし」という残酷社会』平凡社新書、『「やりたい仕事」病』日経プレミアシリーズなど多数。

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