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中小企業経営者が知っておきたい銀行とのつきあい方

融資の金利はどう決まるか

融資の金利は、以下のように、一つ一つの項目の積み上げで決まります。

1.調達金利
銀行は、預金者、銀行間で資金を融通し合う市場、日本銀行等から、融資のもととなる資金を調達します。銀行はこれらの手段により調達する時に利息を支払いますが、その調達コストのことです。

2.経費率
銀行の従業員の人件費、支店が建っている土地・建物の賃借料、顧客への粗品、融資先企業調査のための調査費等、銀行が業務を営むにあたって必要となる経費を、銀行全体の融資量で割ったものです。

3.予想損失率
銀行は融資先企業に信用格付を付けますが、その格付ごとに企業の倒産確率を算出します。また担保・信用保証協会保証等、保全されている融資もあります。これらを考慮して、どれだけの損失を発生するかを見込んだものです。
なお信用格付が低い、つまり財務内容や業績などが悪い企業は予想損失率は高くなります。

4.目標収益率
銀行の儲けとなる部分です。そして、銀行は融資金利の設定において、これだけの金利はほしい、という目標金利を設定します。

目標金利=1.調達金利+2.経費率+3.予想損失率+4.目標収益率

例えば次のように計算されます。
調達金利 0.1%+経費率 0.5%+予想損失率 0.7%+目標収益率 1.0%=目標金利 2.3%

銀行の一番の収益源は、企業に融資することによる利息収入です。銀行は目標収益率の部分で儲けを出します。調達金利・経費率・予想損失率は、銀行が融資を行うことによるコスト部分ですが、このコストを上回る金利を付けられれば、銀行はその分儲かります。
しかし、銀行が融資をしたい企業には多くの銀行が融資の提案を持ってくるものです。その中で目標金利にこだわっていれば、企業はもっと低い金利を提案してくる銀行から融資を受けることになります。実際には銀行間での競争が金利を大きく左右します。

変動金利から固定金利、固定金利から変動金利へ変更出来るか

固定金利とは、融資の完済まで金利が変動することのない金利の決め方です。変動金利とは、返済期間中、ベースとなる金利である各銀行の短期プライムレートの変動によって、金利が上がることもあれば下がることもある金利の決め方です。

固定金利と変動金利、どちらが企業にとって得かは将来の金利動向によります。しかし将来の金利動向は誰にもわかりません。あなたが、将来の金利変動を予測するしかないのです。将来の金利上昇を予想していたら固定金利を選択するべきですし、将来の金利低下を予想していたら変動金利を選択すべきです。

なお融資は、自社の資金がだぶついた場合など、繰上げ返済により全額返済することができますが、固定金利において気を付けなければならないことがあります。銀行の融資は、基本的に変動金利です。

銀行は、預金者からの預金などを資金の元手として融資していますが、普通預金・当座預金はもちろん、定期預金でも満期までの期間は1年から3年など短期間を選択される場合が多いので、銀行の調達コストは変動的になります。
その中で銀行が固定金利の融資を出すには、変動金利を金利市場にて固定金利に交換する取引を行います。これを金利スワップと言います。
銀行は市場との取引により、融資を固定金利にすることができるのです。そのため繰上げ返済が行われれば、銀行は市場に違約金を払わなければならないことになります。そのため銀行は、固定金利の融資の繰上げ返済があると、企業に違約金を要求してくることがあります。

そのため固定金利の融資を検討する場合、将来繰上げ返済する場合があることを想定しているのであれば、違約金の有無を銀行に確かめておくべきです。同様に、変動金利で受けている融資を途中から固定金利にしてもらうこと、また逆に固定金利で受けている融資を途中から変動金利にしてもらうことは困難となります。

財務内容や業績が悪い企業が銀行に金利引下げをどう交渉するか

銀行は、融資をしている全ての企業に、信用格付を付けています。信用格付が悪い企業は、銀行としては融資を行っても、最後まで返済されない可能性が高くなります。そのような企業に対し銀行はそのリスク分、多くの利息をもらわなければなりません。
「なぜ銀行は、業績が悪い会社ほど金利を高くするんだ。」という批判は聞こえてきますが、理屈を考えるとやむをえないことなのです。

例えば1年以内に倒産する確率が1%の会社100社へ、1社1億円、合計100億円の融資を行った場合、銀行は2%の金利で融資をすれば、もし確率どおりに100社のうち1%、1社が倒産した場合、1億円の損失を、銀行は2億円の利息収入でカバーできることになります。万が一貸倒れになった場合も見越して、銀行は金利を決めているのです。

なお企業と銀行との取引は、融資だけではなく、預金、振込や外国為替などの手数料、役員従業員取引、銀行関係会社との取引などもあり、それら融資以外の取引により銀行が収益を得られていれば、信用格付が悪い企業でも銀行は金利を低めにしてくれることもあります。また担保や信用保証協会保証などの保全手段がある場合も、貸倒れリスクは小さくなるため同様です。

ただし基本的に、信用格付が悪い企業へは銀行は高い金利を設定したがります。業績が悪くなった時や、銀行にてリスケジュール、つまり毎月の返済の減額・猶予を行った時などに、銀行から金利の引上げを要求された企業は多いでしょう。

そのような企業が、それでも金利を引き下げたければ、経営改善計画書を作成し、その中の経費削減計画の中で銀行にも金利の引下げという形で協力してもらいたい、と強調することです。なんとか協力してほしい、と銀行に頼みこむ姿勢が、財務内容や業績が悪い企業の金利引下げ策です。

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