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感性コミュニケーション 男女脳差理解による組織力アップ講座

女は色、男はかたち

女性は、ピンクから紫にかけてのグラデーションを、男性の何倍も敏感に見分けていることに気付いていらっしゃるだろうか?

実は、男性たちが「紫外線」と呼び、見えない波長と定めた範囲の光が、女性たちには見えているのである。

時計デザイナーだった友人がこんな話をしてくれた。高級時計では、文字盤を覆うガラスに光反射防止剤(光の反射により中身が見えなくなるのを防ぐため)を塗るのだけど、この塗布ガラス、男性は透明だと主張するのだが、女性には淡い紫に見える。「文字盤の色を変えてしまうので、なんとかならないか」と注文しても、最初は男性たちもきょとんとするだけだった、というのだ。

口紅の色、花の色、果物や肉や魚の切り身の色、赤ちゃんの顔色...おそらく、日常生活の中にある色の多くを、男女は違う色合いで見つめている。子どもの顔色の変化を、どんな微細であっても見逃さないように、神様に与えられた力なのであろう。太古の昔、女たちは果物の採取を担当していたというから、ポリフェノールを含む赤紫系の果物を見逃さないために、そのように進化したのかもしれない。

人種が違えば、見えている色が違うというのは、うすうす感づいている方も多いと思う。日本製のアニメと欧米のアニメでは、色の鮮やかさや繊細さが違うのは、誰でも気付くことだし、日本人が「緑色」を表すことばを数多くもっているのに対し、砂漠の民は「土色」を表すことばが豊かなのも、とりもなおさず、そのことば周辺の色感覚が繊細なことに由来する。
しかし、すぐ隣にいる、恋人や同僚や顧客の女性が、男性の見えていない色を見ていることに気付いている人はどれくらいいるのだろうか。

というわけで、ピンクや赤、紫系の色を商品に施すときには、女性の意見を聞かないと危ない。男性が「ほぼ同じ」と見えるピンク色を、女性は数色に見分け、しかも、その中に「多くの女性が大好きな色」と「多くの女性がありえないとする色」が混在しているのだ。

ちなみに、色に限らず、さまざまな嗜好において、「大好き」と「ありえない」は、わずかな違いで隣接している。これは、感性の特性の一つであり、ピークをわずかに外すのが、ヒトはもっとも気持ち悪いのである。いっそ、はるかに離れていれば、「好きでも、きらいでもなく」穏やかに受け入れられるのに。

一方、男たちの脳は、かたちや機構を理解することに長けている。その昔、狩りに出るころ、地図も標識もない時代に山や荒野を自在に移動した男性たちは、見渡す限りの空間を一気に把握し、ものの位置関係を素早くつかむ感覚を研ぎ澄ましてきた。だから、複雑な図面も書くし、複雑な機構も組み立てるし、世界経済や宇宙論など膨大な概念空間を操るのが得意なのだ。

21世紀は、感性の世紀と言われる。工業製品にもますます繊細な機能が要求されるし、そのデザインも洗練されるばかりである。男女の違いをしっかりと見つめ直し、その特性を最大限に活かしあうことが、21世紀のビジネスシーンにおける"必須科目"といえるかもしれない。

女のおしゃべりには効用がある

女のおしゃべりには到底ついていけない...地球上のほとんどの男性たちが、きっと、そう思っているに違いない。

何せ女性は、目的のわからない(ゴールのわからない)おしゃべりを延々と展開するし、気まぐれに別の話題に入り込んだら、さっきの話題を始末してもくれない。そもそも、単位時間内に交わされる語数が多すぎて、認識するのも精一杯なのに、"ついで話"が多くて、本流がつかめない。

その上、こちらがニュースを見ているのを無視して、平気で話しかけてくる。しかも、「今、ニュースを聞いているから」と言えば、「ニュースくらい、話の片手間に聞けるでしょ」ときたもんだ...。

そう、ことばの天才・女性脳は、ニュースやドラマを見ながら世間話をするのくらい、何でもない。複数の話題を回すのも朝飯前で、話題が2~3回変ったって、最初の文脈をちゃんと覚えていられるのだ。

女性は、生まれながらにして「おしゃべり」という才能を備えている。女性脳は、起きてから寝るまで、言語の領域を休めない。その第一の理由は、おそらく子育てにある。人類は、子育てをする個体が、群の中にいた方が、容態の生存可能性が上がる種である。だから、女性脳は、群を形成する力=おしゃべり力を授かったのである。

脳裏に浮かんだあれやこれや、最近の出来事や今の気分など、感じたことを口に出しあえば、人はたちまち親密になれる。公園で初めて会った赤ちゃん連れのお母さん同士でも、お産の苦しさや子どもの夜泣きの苦労を語りあえば、一瞬にして心が通じ合い、互いの育児情報を親密に交換するようになる。ストレスも解消され、情報も手にする。

しかも、女性脳には、何十年分もの関連記憶を一気に脳裏に展開する能力があり、今日のおしゃべりが何年か後に使われる可能性だって、おおいにあるのだ。たとえば、子どもが熱を出した晩、いつもと違う様子に戸惑ったとき。数年前の公園での立ち話にヒントを得たり、自分が幼い頃の母親の姿を思い出したりして、最良の対処法を探し出す。「今、目の前のトラブル」に対し、人生経験を凝縮して、最大の臨機応変力を発揮するのである。

女たちは、こうして、初めての子育てにも、初めての介護にもしなやかに対応していく。人生のあらゆるシーンから、新商品開発のヒントだって見つけ出す。男性たちよ、今日の妻や女子部下のおしゃべりが、明日のあなたを救うかもしれないのだ。今後はどうか、女性たちのおしゃべりを「無駄話」などと呼ばないように、ゆめゆめお気をつけなされませ。

さらに脳は、15分ほど、とりとめのない話をすると、直感力が研ぎ澄まされる。発想力が必要な会議では、男女ともに、とりとめのない世間話から入ることをお薦めする。

脳は、けっして無駄なことはしない。無駄だと思っていることも、脳がしたがっている以上、必ず効用がある。男児の要領が、女児に比べてやや劣るのにも、実は脳の発達上の必要性があるのだ。そう考えると、生きる営みのすべてが愛おしく見えませんか?

男のぼんやりにも意味がある

女性はおしゃべりの天才である、とは、前回述べたことだ。では、女性はなぜ、おしゃべりをせずにはいられないのか。その直接の原因は、右脳と左脳をつなぐ神経線の束=脳梁(のうりょう)の太さにある。

感じる領域(右脳)と、言語機能が局在する領域(左脳)を連携させる脳梁は、女性の方が男性より約20%太く生まれついてくる。このため、感じたことが、どんどん言語の領域にあがってくる。一説には、女性の脳裏には、一日二万語もの言葉が浮かぶと言われている。それをキープするには脳神経回路に負荷がかかる。だから、女性は、しゃべりたいのである。

感じたことを口に出しあうと、心の深い部分に触れた気がして共感しやすい。共感は、強い連携力を生み出す。女性は、この連携力によって、自在に群れを形成し、広域かつ深い情報交換をしあって、今日からの暮らしに活かしあうのである。
子育てや「特価品を組み合わせ、残り物を出さない料理」のように、日々変化して先が見えないタスクを多重にこなしている女性脳にとって、群れることは生存可能性を上げる重要な基本動作だ。このため、脳にも、「共感しているほうが、安全である」という確固たる感覚がある。共感してもらえないと、不安とストレスが高まるのである。

というわけで、女性との対話は、どれだけ共感してあげたかで満足度が決まる。共感のコツは、相手の言葉を反復してやることだ。「夕方、寒かったねぇ」なんて言われたときは、「ほんと、寒かったなぁ」と言えばいい。「今朝、天気予報で言ってたろう?」とか言わなくていいのである。うまく共感してあげれば、女性脳はストレスなく円滑に回り、答えの見えない複雑多重のタスクを難なくこなしていく。

一方、脳梁が細く、右左脳の連携が悪い男性脳は、空間認識力が高い。右半身と左半身の感覚器の入力情報が混じらないので、その差分から脳内で算出される奥行き認識が明瞭で、三次元空間を素早く正確に把握することに長けているのだ。
ハイハイする幼児ですでに3メートルの鳥瞰があると言われる男性脳は、長じれば、荒野に狩りに出てもちゃんと帰ってくるし、複雑な図面も描くし、複雑な機構も組み立てる。世界経済や宇宙空間のような概念空間も楽々と把握する。

しかしながら一方で、目の前のものが見えにくい。目の前にあるものを「ない、ない」と言って妻を呼び付け、休日の半分はぼんやりしているように見える。とはいえ、この"ぼんやり"を許さないと、男は荒野に出られない。グローバルに活躍することはかなわない。

脳には、無駄なことなど一切ないのである。女のおしゃべりは無駄じゃないし、男のぼんやりも無駄じゃない。どちらもなければ、女性脳の臨機応変力も、男性脳の俯瞰力も発揮できないのだ。

目の前にある脳の機能を最大限に生かそうとしたら、一見無駄に思える癖も、ある程度許容する必要がある。多様性のある強い組織を目指すためには、忘れてはならないことである。

職場の秩序は男性脳を安心させる

女性脳の真骨頂は、右左脳の連携の良さ(察しの良さ)から生み出される、臨機応変さにある。

新人の男女をイベント会場の準備に送り込んだりすると、その差は歴然と見てとれる。大半の女子は何も知らされずに現場に送り込まれても、全体の流れを読み、手の足りないポイントを敏感に察知して、寄り添うように溶け込んでしまう。これに対し、男子の多くは、「長縄跳びに入れない子ども」のように、最初はもたついている。「そこの大きいの、これ運んで」と言われたりして、ほっとしたように参加してくるのである。

実は、この臨機応変力が、仇になるケースがある。「職域や肩書きを軽々と飛び越えて、ダイナミックに、さっさとことを進めてしまう」ことだ。

たとえば、「部長、さっきエレベーターで社長に会ったので、例の件、話しておきました。OKだそうで~す♪」みたいなケース。これは、かなり、男性たちの神経を痛めつける。このストレスが、「彼女は成績もいいし、顧客の評判も上々なのだが、思慮が足らず、人望がいまひとつ」という評価を作ってしまうのだ。

秩序無視が、なぜ、こんなに男性脳を痛めつけるのだろうか。

その昔、狩りに出る頃、男たちは地図も標識もないのに、道に迷わず帰ってきた。この空間認識力を担保するため、男性脳は、「その先にある梅の木と松の木、どんな位置関係にあり、向こうから見ればどう見えるのか」というような観測を、空間のあらゆる点において、時々刻々行っているのだ。
これができるから、道に迷わない。複雑な機構を理解し、図面も描ける。物理や数学で多次元空間を操り、世界経済を把握する。

ちなみに、物理学や経済学のフィールドにも、優秀な女性たちはいる。男性脳とはまた別の、繊細な観察力やイメージ構築力を発揮して、独自の新発見をしたりしている。男性脳優位な分野では、異端である女性脳は意外にもヒットを打ちやすい。これは、男女を逆にしても言える。男女の感性の違いは、互いを排除するためにあるのではなく、活かしあうためにあるのである。

さて、木の位置関係に鋭敏な男性脳が、人の位置関係を気にしていないわけがない。人間関係の概念図を脳内に持ち、その秩序のもとに粛々と動きたい、というのが、男性脳の切なる望みなのだ。
女性から見れば、「ホースがあるのに、バケツリレーをしている」かのように見える稟議書のリレー、あれは、男性脳の神経を安寧にしておくための配慮だったのだ。当然、利点もある。
大きな組織をぶれなく公平に動かすには、職域や肩書を容易に踏み越えないことも大事なリスクヘッジなのである。

というわけで、女性の皆さま、人望を手に入れるために、臨機応変な行動は、覚悟とフォローの上で敢行してください。ただし、全部を止める必要はない。ときには膠着した組織に風穴を開ける。私たち女性は、そのために男性たちの傍にいる。

違う脳が共存する、多様性の強さの秘密がここにある。

女の一押し癖、男の比較癖

昔、ある電子機器の企画会議の席上で、若い女性プランナーが、「このコンセプトで、この形なら、シャンパンゴールドしかないですよね。あるいはいっそコーヒーブラウン」と発言したことがあった。同席した女性が全員、即座に同意の声を上げたのに対し、45歳以上の男性一様に渋い顔。

「その二色、まったく違うだろう。しかも、定番のピンクを避ける理由がわからない。何か根拠を示すように」と部長命令が出てしまった。

根拠を示せ、と言われて、女性たちは「ピンクだなんて、ただ、あり得ないだけ」と途方に暮れた。結局、マーケティング会社によるアンケート調査の結果、このプランにおいてはピンクが"意外にも"不人気なのを確認して、男性部長も納得した

なんだか、もったいない話である。数名の女性が、瞬時に深く確信することは、一万人の女性に聴いても、きっと同じ答えになる。アンケート調査なんて、はっきり言って必要ないのに。

右脳(感じる領域)と左脳(考える領域)をつなぐ神経線の数が多く、この2領域が密度濃く連携している女性脳は、たとえビジネス提案であろうと、自らの身体感覚に落として、深く感応して発想する癖がある。その商品を店で見かけたときの感動、手に取ったときの愛おしさ、使い込んでいく感触などを、リアルに、しかも瞬時に脳裏に映し出しているのだ。

だから、女性が「○○しかない」と言い切ったら、それは主観的といえども、深い仮想体験のもとに発言しているのである。単なる思い込みとは違う。数人の女子が同じ感想を強く持ったのなら、それは市場全体の傾向と見て、ほぼ間違いがない。ただ、その能力が男性脳においては低いことを、女性は知っておいた方がいい。

男性脳は、右左脳の連携が悪いおかげで、「自分の気持ち」をさておいて、客観的を発揮することができる。特に、会社の会議室のようなところでは、すべての可能性に対し公平であろうとし、一案に意識がフォーカスすることを避けようとする。そんな男性脳から見たら、女性の「これしかない、一(いち)押し」は、いかにも思いこみが激しく感じるのである。

男性に提案をするときは、「一押し」が降りてきた時も、1~2個の見せ提案を付加して、それらを比較検討してみせたほうが得策である。できるなら、数値評価が好ましい。洞察力のあるプロに見えるので、安心して心を開いてくれるからだ。その上で、さりげなく「一押し」を薦めればいい。

逆に、女性に複数提案すると、「で、あなたのお薦めは?」と聞かれることがある。女性は、思いと集中力があるなら、きっと「一押し」があるだろうと信じているので、この質問を返すのだ。
そんなときは、活き活きとした表情で、どれか一つをしっかりと「一押し」してください。ここで「ですから、A案はここがよく......」なんて言っていると、使えないと思われる。デートのプランも一緒ですよ。「あそこのピザ、ぜひ一度、きみに食べさせたいんだ」くらいの強い押しで、ぜひ。

優秀な女性ほど出世を拒むのはなぜか

男性の人事担当者からよく聞かれる質問がある。「女性は、部長クラス以上のエグゼクティブ昇進の話を持ちかけると、喜ぶどころか暗い顔をして、ひどいときは辞表を持ってくる。優秀で活躍している女性ほど、その傾向が強い。男性からは想像もつかない心理なのだが、いったいどういうことだろうか」。

この質問を、40代の働く女性たちに話すと、即座に「その気持ち、よくわかります」と答える。私もきっと同じように暗い顔をするだろう、と。

さて、一方で、ある外資メーカーの社長さんがこんなことをおっしゃった。「女性は、20代では、男性をしのぐ活躍を見せる。特に新人は、女性の方が圧倒的に成績が良く、意欲に溢れ、目的意識も高い。それでずいぶん期待をするのだが、30代になると男性に追い抜かれ、50代などは現場にも残っていない。私たちは女性たちをぜひボードメンバーに迎えたいのだが、女性がここまで来られないのだ」。

20代で優秀だった女性たちが、40代で優秀でなくなるわけがない。それはとりもなおさずこの会社が、女性たちのモチベーションを長く保つ方法を知らないということに他ならない。

そもそも、女性は男性に比べて闘争心が少ないので、トップに上り詰めようとして働いているわけじゃない。会社や社会に寄与して、自分の人生を充実させたい。勝負に勝って、誰もが仰ぎ見る役職に就きたいわけではなく、仲間と共に喜びを分かち合い、大切に思い合いたいのである。そもそも、この本能を、男性たちはわかってない。

競争に駆りだされ、成果や成績で評価されてくうちに、女性は、「ここにいるのが自分でなければならない理由」を見失っていく。褒められれば褒められるほど、虚しくなっていくのである。だから、優秀な女性ほど昇進を拒み、会社を辞めていくことになる。

では、何が女性たちの意欲をそぐのだろうか。

実は、日々の褒め方に問題がある。ことあるごとに成績を評価し、「きみ、先月もトップだったそうじゃないか」などと、成果だけで褒めるのは危ない。来し方を振り返るのがコツである。
「あのときの一本の電話が、顧客の気持ちをほどいたんだよ。ありがとう」「顧客の理不尽なことばに、よく潔く頭を下げたな。プロになったね」「きみの企画書のタイトル、いつも斬新でいいね」など、彼女だけの成果をねぎらってほしい。「自分だけの気づき、その効果」に言及してもらうことは、女性脳の強い意欲につながる。

どうか、面倒くさいと思わないで欲しい。先が見えなくてもいっこうにめげず、しなやかな発想力と、タフな交渉力で顧客を手玉に取る40代以上の女性社員は、変化の激しい21世紀ビジネスには、必ずや頼りになる戦友になるはずだ。

この世に二つの脳があるということ。男女脳は違う感性を持つ。だからこそ、共存することによって、外に対して万全の態勢を取ることができる。互いの違いを知り、その能力を敬愛し合うことが、よりよい共存の第一歩ではないだろうか。

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