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ビジネスで活用できる心理術

価値がグっと上がる「ハロー効果」

これからビジネス現場で役立つ心理術についてお話しします。

「心理術」あるいは「心理学」と聞くと、難しく考えてしまう人もいるかもしれません。
しかし、心理術、心理学はこ難しい学問ではなく、非常に身近で、実践的なものです。実際、日常生活やビジネス現場で起こっている出来事のほとんどは心理術が関係しています。例えば、普段、何気なく買い物をしている中にも、たくさん心理術は応用されています。心理術を知っておくことは、ビジネス上の大きな武器になります。

心理術の解説だけではなく、分かりやすい例を交えて紹介します。

今回は「ハロー効果」について解説します。ハロー効果とは、人や事物のある一つの特徴について良い印象を受けると、他のすべての特徴も実際以上に高く評価する現象のことを指します。これが「ポジティブハロー効果」です。

ただし、ハロー効果は逆の効果もあります。悪い印象を受けるとその他のことすべてを実際以上に低く評価してしまいます。これが「ネガティブハロー効果」です。つまり、ハロー効果には2種類あり、全く別の働きをするのです。

ハロー効果の実例を見てみましょう。例えば、一流大学を卒業したというだけで、実際の実力を確認する前から、高く評価されるのが代表的な例です。

会社の役職もそうです。名刺交換の時に、「○○会社常務取締役」や「統括本部長」という肩書を見た途端に、こう思ってしまいます。《この人は、よっぽど凄い人なんだろうな》

また、自分ができないことができる人は、すごい人だと思ってしまいます。私自身も、「数多くの本を出している」「大学で講師をしている」と言っただけで、他の部分も優秀だと過大評価された経験があります。

また、「日常会話程度ですけど、英語とスペイン語が話せます」と言うと、大抵の人がわからないスペイン語が話せる優れたビジネスマンだと評価されます。

ハロー効果を接客に応用してみましょう。もし、何か資格を持っていれば最大限、活用してみてください。社労士、行政書士、宅建、介護士、英検○級、FP(ファイナンシャルプランナー)――。どの資格も持っていない人からすれば、「すごい」となるのです。

資格がなくても、「ちょっと税金について勉強していましてね」と言っただけで、税金の知識がない人にとっては頼りになります。

資格を持っている人は早速、活用してください。「○○営業所の菊原智明」より、「資金計画の資格FPを持っている菊原智明」の方がお客様は頼りにします。

名刺やトークに一言入れるだけで、あなたの評価・価値がグッと上がります。ハロー効果を意識し、ぜひ活用してみてください。

「ザイアンスの法則」で親近感

今回は「ザイアンスの法則」を解説します。営業現場はもちろん、様々なビジネス現場で役立つ法則です。
人間は知らない人には攻撃的、冷淡な態度をとり、逆に会えば会うほど好意を持つようになるということを「ザイアンスの法則」と言います。人間は相手の人間的な側面を知った時に、より相手に好意を持つようになるという心理を表したものです。ザイアンスの法則は、人間誰しもが持つ本能的な機能とも言えます。

例えば、赤ちゃんや小さい子は知らない人を見ると警戒し緊張します。「まあ、かわいいわねぇ」と近づいてきた人に大声で泣くのです。しかし、数回会っているうちに顔を覚え、会うと笑うようになります。ザイアンスの法則は物心がつく前から持っている防御機能のようなものです。

もう一つの例をお話します。通信講座の会員さんで卒業後もずっとハガキやメールを送ってくれた人がいました。
その会員さんは相談メールのたびに「最近のインスタントラーメンの進化に驚いている○○です」とか、「最近息子が生意気になって困っている○○です」というようなプライベートな一面を定期的に送ってくれます。
ですから、《こんな感じの生活をしているのだろうな》ということがイメージできますし、回数が積み上がれば積み上がるほど親しみを持つようになりました。

このような〝自分を伝える一行〟は非常に効果的です。その会員さんは営業マンでもあり、お客様に対しても営業レター、そしてメールで〝自分を伝える一行〟を実行するようになりました。そして、これをお客様だけでなくスタッフにもやっています。それからはお客様、スタッフとの関係がぐっと近くなったというのです。
その会員さんはつくづく「今まで何もせずに〝なんでみんな自分に興味を持ってくれないんだ!〟とイライラしていたんです。バカみたいですよね」と言っていました。

意外にも自分から何も発信せずに《なんでわかってくれないの!》と怒っている人も少なくありません。《部下が思うように動いてくれない》《スタッフとの関係が悪い》などなど。

このような悩みを持っている人は、悩む前に《自分は関係を良くするために何かしているだろうか?》と問いかけてください。

また、ザイアンスの法則は、気難しいお客様こそ効果を発揮します。気難しいタイプのお客様は他の営業マンも近づきにくいと思っています。一度はアプローチするかもしれませんが、その後アプローチを続ける人はまずいません。だからこそチャンスなのです。

どんな気難しい人でも何度もアプローチしていると親近感を持ってくれますし、こういうお客様こそ、直接訪問したり電話したりするのではなく、手紙でそっと細く長くフォローすることをお薦めします。

気難しいお客様に限りませんが、細く長く接していれば必ず親近感を持ってもらえるようになります。何もせずに結果を出したいと思ったり、自分に興味を持ってもらおうと考えたりするのは虫のいい話ですね。

活用したい「プライミング効果」

今回は「プライミング効果」を解説します。営業現場をはじめ、様々なビジネス現場で活用できる法則です。
プライミング効果とは、先行する刺激(プライマー)の処理がのちに与えられる同一刺激もしくは関連する刺激(ターゲット)に影響を及ぼすというものです。簡単に言えば、友人からおいしいと聞いたお店に行った時、たとえ普通の味だったとしても、おいしいと錯覚するというようなことです。

たとえばですが、あなたがパソコンを購入するとします。店頭に行った際、テレビやネットの口コミで見たことがある商品を思わず手に取ってしまった、という経験をしたことがあると思います。
まったく知らない商品より、聞いたことのある商品の方が安心はあるものです。それが良いイメージであればある程、実際の商品を手にした時、他の商品より魅力的に映ります。その結果、その商品は購買率が高くなります。大企業が大金をかけて宣伝するのはこうした効果を狙っているからです。

反対のことも起こります。CMに出ていたタレントが嫌い、もしくは悪い口コミを聞いたなど。事前に悪いイメージを持った場合は、実際の商品を手にした時、他の商品より劣っているように感じてしまうのです。
こういった事前の情報に左右されることをプライミング効果と言います。

このプライミング効果をビジネス現場で応用してみましょう。すでに商品を購入していただいたお客様から別のお客様を紹介いただいた時のことです。
私はお客様に対して「ローンや資金計画に一番詳しい営業マンとお伝えください」とお願いしておきました。ということもあり、初めて出会った時からいい感じで商談もスムーズに進み、ほとんど何の問題もなく契約まで進みました。
このように事前に良い情報が伝わり、良いイメージを持ってもらうと商談は非常に進めやすくなります。

逆に事前に悪い情報が伝わり、悪いイメージを持たれると、やりにくくなります。以前、このようなことがありました。仲が良くなったお客様にその友人を紹介していただいた時のことです。そのお客様は愛嬌で「菊原さんはいい加減なところもあるけど、よくやってくれる」と言った感じで紹介してくれました。

しかし、その友人にはそう伝わりません。「いい加減なところもある」という情報がインプットされたようで、私に対して不信感を持って接していたのです。結局この商談は決まりませんでした。事前情報は結果に大きく影響するのです。

もしお客様から別のお客様を紹介をいただくならば、「私のことを『一番○○な営業マンだよ』と伝えておいていただけますか?」とお願いしてください。この一言で、劇的に印象は変わります。
お客様から紹介をいただいた時は自分の強みを前もって伝えてもらいましょう。その一言で紹介していただいたお客様との商談がうまくいくか、失敗に終わるかが決まります。
また、あなたの強みを知ることで別のお客様を紹介しやすくなるのです。

「クーリッジ効果」による効用

今回は「クーリッジ効果」を取り上げます。営業現場や様々なビジネス現場で活用可能な法則です。
クーリッジ効果とは、生物学的には新しいメスの存在がオスの性衝動を活気付けることを指します。
要は、新しいものによって刺激を受け、より興味を持つという心理のことです。クーリッジ効果を詳しくお話しましょう。

クーリッジ効果とはアメリカの第30代大統領カルビン・クーリッジの逸話に由来しています。
ある晴れた日に、大統領と夫人が政府の直営農場を訪れて、別々に鶏小屋の前を案内しました。
最初に鶏小屋を訪れた夫人は、飼育係に「この雄鶏は1日に何回くらい雌鶏に求愛するんですか?」と質問します。

飼育係は「1日に何十回もですよ」と答えました。すると夫人は喜んで「その話を主人にもしてやってください」と言い残して出て行ったのです。その後、鶏小屋を訪れた大統領は、飼育係からその話を聞かされ「では、その雄鶏はいつも同じ相手に求愛するんですか?」と質問します。飼育係は「いいえ、毎回違う雌鶏です」と答えた。すると大統領はにっこり笑って「じゃあ、その話を女房に伝えてもらえないか?」と言ったという話です。

人は常に新しいものを求め、新しいものから刺激を受けたいという気持ちがあるというたとえ話です。
ではクーリッジ効果をビジネスに応用してみましょう。

私が、あるお客様と商談していた時のことです。3回ほど商談したところで話が止まってしまいました。
「う~ん、どこが悪いと言う訳ではありませんが、決め手がないのですよ」と頓挫状態になりました。

その後、いくら説明しても話は進まなくなります。電話をしても「もうお話することはありませんから」と相手にされず、商談自体が消滅しかかっていたのです。

私自身は半分以上諦めていたのですが、上司は許してはくれません。上司から「そんな簡単に諦めるんじゃない!」と活を入れられ、しぶしぶお客様のところへ向かうことに。
私は仕方がなく会社で企画したキャンペーンチラシを持って行きました。企画と言っても今まで提案しているものとほとんど代わり映えしない内容です。ダメもとで「今度会社でこういったセット販売の企画を予定しておりまして」とご案内しました。

これに対してお客様は思いのほかいい反応をしてくれます。そしてその週末、お客様と商談が復活し、今までの硬直状態が嘘のように話が進んだのです。

その企画は私たち営業マンにとっては代わり映えしない企画でした。何年も前から繰り返し行っているおなじみのものです。
しかしお客様にとっては目先が変わり、新鮮に映ったのです。お客様との商談がうまくいかず消えそうになった時、目先を変える工夫をして下さい。

ちょっとした角度でも構いません。自分で勝手にダメだと判断せずにお客様に提案してみましょう。お客様には新鮮に映り、いい結果になることもよくあります。

結果を出すピグマリオン効果

今回は、期待通りの結果を出してもらうための「ピグマリオン効果」を紹介します。

ピグマリオン効果とは、教育心理学における心理的行動の一つで、教師の期待によって学習者の成績が向上することをいいます。つまりピグマリオン効果は、人間は期待された通りに成果を出す傾向があるということです。

ちなみに「ピグマリオン」とは、古代ローマの詩人オウィディウスの名作『変身物語』に登場するピグマリオン王が、自ら彫った女性彫像に恋い焦がれ、ついには人間化したという伝説に由来します。

私が小学生の頃のことです。知能指数のテストを行ってしばらくしてから先生が私に「君は普通の生徒よりIQが高いから、きっと成績が伸びるぞ」と言ってくれました。
私はうれしくなり、その後積極的に勉強するようになり、お陰で中学までは比較的成績が良かったのです。

大学生になってから久しぶりに友人と集まり、その話をすると「俺も言われたぞ」とそこにいた仲間ほぼ全員が、先生から同じようなことを言われていたではありませんか。

言われた人のほとんどがそれを信じ、成績が伸びたのです。だまされた気分になりましたが、そのお陰でみんなの成績が伸びたことは事実です。

ピグマリオン効果をビジネスに生かしてみましょう。

私がお客様に対して「お役立ち情報」を送り始めた時のことです。お役立ち情報とは、お客様の過去の失敗例やクレーム例をこれから家づくりをする人に参考にしてもらおうと編集したものです。

そのお役立ち情報を配っているうちにあるお客様から、「こんな情報を教えてくれる人は君しかいないよ。君はきっと優秀なんだろうね」と言われるようになりました。

その後、数人のお客様にも同じように言われ、私自身も《お客様から喜ばれるようなことをしているのだからトップ営業マンにならない方がおかしい》と思うようになりました。

そして、その3カ月後には結果を出し、半年後には本当にトップ営業マンになっていたのです。これこそピグマリオン効果のお陰です。

ピグマリオン効果は部下や後輩に対しても有効です。例えば、簡単にできることを何倍も時間を掛ける人がいます。
そういったのんびりした部下や後輩にイライラして活を入れたくなることもあるでしょう。頭ごなしに怒っても、いいことはありません。言われた方はテンションが下がり、やる気をなくしてしまいます。

そんな時は怒りをグッとこらえ、「君はコツをつかむのが早いから、すぐにもっと短時間でできるようになるぞ」と言ってあげるのです。怒ったり活を入れたりするより何倍もいい結果になります。

また、怒るよりもほめることによって自分もモチベーションが上がるという効果もあるので、ぜひお試し下さい。

「アンカーリング」で心を正常に

今回は、冷静な自分に戻るための「アンカーリング」を紹介します。アンカーリングとは船のいかり(アンカー)から名付けられたもので、いわゆる条件付けのことです。

「パブロフの犬」という言葉を聞いたことはないでしょうか?ロシアの生理学者パブロフは犬を使った唾液分泌の実験中にあることを発見しました。
それは餌を運ぶ時の足音や食器の音が聞こえるだけで、犬が唾液を分泌するということで、アンカーリングの例としてよく知られています。

アンカーリングは、特定の体験が五感を通じて条件付けされ、同様な体験に無意識に反応するだけでなく、心の状態を正常にしたり、冷静さを取り戻す上でも役立つテクニックです。

それではアンカーリングをビジネスに応用してみましょう。

ある時のことです。私には珍しく2件のお客様と契約予定がありました。
3、4カ月に1件しか取れなかった私には奇跡のようなことです。週末にそのお客様との商談がありました。

まずは1件目ですが、いつものように商談しているとお客様が突然「ごめんなさいね、実は菊原さんとは契約できなくなっちゃったの」と言ってきました。

理由を聞きましたが、「理由は聞かないで下さい」となかなか教えてくれません。粘ったのですが、理由がわからないまま、一瞬にして契約になるはずの商談が消えてなくなったのです。

私は軽いパニックになりました。そんな精神状態のまま、次のお客様との商談です。その時、私は冷静さを失っていました。《2件契約予定とみんなの前で発表した手前、絶対にこのお客様は取らなくては...》と思うようになっていたのです。もちろん、こうした強い思いがプラスに働くこともあります。

しかし、冷静さを失った私は焦りから商談の進め方が強引になってしまいます。商談した翌日、そのお客様から「もう少しゆっくり考えたいので、一度白紙に戻してほしいのですが」と電話がありました。この瞬間、2件の契約が消えてなくなったのです。

期待していた商談を断られた時、冷静さを失い《チクショウ!このお客様でカバーするぞ》と焦りと力みが生じます。力み過ぎで商談自体を自らつぶしてしまうのです。

私はその後、断わられた時、ピンチの時に冷静になる習慣を身に付ける努力をしました。

いろいろと試しましたが、一番、効果があったのは「なぜ断られたのか?」と原因を手帳に書き出すことです。〝原因を見える化〟することで、スッと落ちついたものです。
お客様に断られた時、ピンチになった時に、必ず〝手帳に原因を書き出す〟ことを自分に条件付けしました。その結果、手帳を見ただけでいち早く冷静に戻れるようになったのです。

どんな方法でも構いませんが、《これを見たらいつもの自分に戻れる》というツールを持っておくことは、ビジネスマンにとって必要なことです。

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