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モチベーションを高めるワクワク仕事術

  • MDN
    ベンチャー・マネジメント 代表
    小林 英二
    profile

    1987年経営コンサルティング会社に入社。1994年に経営コンサルティング会社「ベンチャー・マネジメント」を設立。
    30年に渡って中小企業を中心にした600社以上の経営、マーケティング、経営目標達成支援、IT化支援、社員や組織のモチベーションUP、研修活動など、中小企業の多岐に渡る課題をワンストップでご支援するコンサルティング、研修を行っている。 又、採用や人材配置に使える仕事特化の性格診断UPシステムも開発。
    主な著書に「モチベーションが上がるワクワク仕事術」『部下の「やる気」を育てる!』がある。


    ベンチャー・マネジメント


より重要になる「楽しさ創造力」

最近、「仕事がつまらない」と考えているビジネスマンが増えている。昨年の「週刊SPA!」に掲載されていたサラリーマン1,000人へのアンケートでは、週1回程度「仕事がつまらない」と感じる人が24.1%、月1回以上そう感じる人はなんと75.7%いるとのこと。つまらないと感じながらイヤイヤ仕事をしたところで生産性は上がらない。これは企業にとって非常に深刻な問題の一つである。

その大きな原因として挙げられるのが企業環境の悪化である。日本企業を取り巻く環境は少子化、マーケットの縮小、企業間競争や国際競争の激化等、年々厳しくなっている。
結果、当然働いているビジネスマンにも年々ハードワーク、自己研鑽が要求されてきているはず。
従来、この状況を多くのビジネスマンは「頑張る」ことで乗り切ってきた。何年も頑張り続け、頑張りに限界を感じてきた人が「仕事がつまらなくなった」と感じるようになったのではないだろうか。

私はこの仮説検証のために、弊社が行っている「楽しさ創造力研修」の中で、受講者の方に「あなたは、あとどれくらい頑張ることができますか?(頑張り余力)」と質問するのだが、今より0~20%しか頑張り余力がないという人が受講者の85%以上で、これ以上の頑張りは無理と感じている人が圧倒的に多い。

今後の企業環境は厳しくなることはあれ、緩和されることはないだろうし、対応策として企業側は今以上にビジネスマンに質的・量的に、よりレベルの高い仕事を求めざるを得ない。
一方、ビジネスマンの行き詰まった状況の打破には「頑張りに変わる新しい仕事の仕方のパラダイムシフト」が必要になる。

新パラダイムのヒントとなるのが、一般のビジネスマンが呆れるほどハードに仕事をしている成功者たちだ。そんなハードワークを笑顔で日常的にこなしている成功者たちに「そんな大変な仕事をしていて苦しくないか?」と聞いてみると、「無理して仕事をしているんじゃないからね。楽しいから、夢中で仕事をやっているんだ。結果、時々肉体的に疲れたと感じることもあるけどね」と言うのだ。

最初は強がりか?とも思ったのだが、詳しく彼らの仕事ぶりを聞いてみると納はた得した。傍から見ると「辛いこと、ハードなこと、ストレスが高そうな仕事」等でさえ、彼らは知恵を振り絞り工夫することで「楽しくて夢中でやれる仕事」に創造し直していたのだ。
私はこれを『楽しさ創造力』と名付けた。これからの時代を突破していくには頑張り力だけでなく、楽しさ創造力(仕事を楽しく創造し直す)を新たなパラダイムとして加えていく必要があるのではなかろうか。

仕事を楽しむための思考様式を

仕事の楽しさを奪う4大リスクとその対策 :
仕事が順調にいっている時であれば、多くの人は仕事を楽しくやれる。しかし、

①努力しても、なかなか成果が上がらない時
②上司や顧客等から、あなたの仕事を否定、批判された時
③挫折を繰り返すことで、失敗することが怖くなった時
④安定した仕事を奪われ、変化が求められた時

といった事態が起これば、仕事は急にツマラナイものになっていく。これらの事態は、厄介なことに発生頻度もかなり高い。

しかし、転んだからといえ上手な受け身をとれば、その後すぐに立ち上がり、ニッコリ笑って仕事は楽しくできるもの。そのためには「仕事を楽しむための思考様式」を身につけていく必要がある。そこで今回は4大リスクの中で、「努力しても、成果が上がらない時」にも心がぶれないための思考様式を紹介したい。

頑張っても成果が出ない時、多くの人は「努力が報われないなあ」と感じ、自分自身が無能力・無価値のような感覚に襲われる。これは「努力は必ず報われる」という思考様式にとらわれているから。この思考様式にとらわれている人は、努力をすれば成果が正比例して右肩上がりに生まれてくると考えている。

しかし、すぐに努力と正比例に成果が出る方が珍しく、現実は①山有り、谷有りの繰り返しの後、徐々に右肩上がりで結果が出てくるものだったり、②懸命に頑張っても、全く前進しているようには思えないほど結果が出ない状態が続いた後、ある時点から一気に結果が出たりするものだったり、③懸命に頑張ってはみたものの全く失敗に終わるケースも非常に多いのがビジネスの世界である。現実は、「成果=努力の量」ではなく「成果=努力+運」だからである。

努力とは必ず成果につながるモノではなく、「努力とは成果が上がる確率を向上させる活動」にしかすぎない。
にもかかわらず、成果ばかりに目を向け一喜一憂する習慣がついてしまうと、すぐに結果の出ない努力が嫌になり、自己嫌悪に陥ることになる。
成果を出そうとすれば「すぐに成果の出ない努力を、いかに楽しみながら継続していくか」が鍵となるにもかかわらず、それが嫌になると、仕事も楽しくなくなる。

では、どう思考様式をチェンジする必要があるのか?
「努力は報われるモノだ」という考えをやめ、「失敗だ、成功だ」と目先の成果に一喜一憂するのをやめ、「努力により成長している自分を楽しむ」という思考の習慣を持つことだ。

努力をすれば「能力」「人間関係」等において必ず何かの成長は発生する。成長に着目すれば「成果は出ていないが、成長しているからいいのだ!
いくつかの成長を繰り返せば、きっと成果は出る!成功の確率は明らかに上がっているのだ!」と考えることができる。この思考の習慣化だけで、「仕事の楽しさを奪う4大リスク」低減が図れるはずだ。お試しあれ。

7スキル磨き「ワクワク感」醸成

仕事へのワクワク感を生み出すポイント :
仕事へのワクワク感は、三つのバランスによって生み出される。

A ワクワク感じるような社風の職場で働けているか?という視点(社風力)。
B モチベーションを高めてくれる上司に恵まれているか?という視点(上司力)。
C 自分自身が仕事を楽しむための工夫ができるか?という視点(自身の楽しさ創造力)。

特に絶対に不可欠なのが社員一人一人の楽しさ創造力である。どんなに恵まれた環境(社風、上司)でも、自身が仕事を楽しくしようと努力しなければ仕事は楽しくならないからだ。
その楽しさ創造力を構成する主要な七つのスキルを紹介していこう。

①仕事を楽しむマインドセット
仕事を楽しめない人の多くは、辛い仕事に直面すると、頑張りだけで乗り切ろう!と考えるだけ。「この仕事、どうすれば楽しく取り組めるか?」と視点を切り替え考えることで、人はワクワク仕事を楽しむための知恵が働くようになる。

②やりがい創造力
同じ仕事でも、やりがいを感じる人と感じていない人がいる。二人の違いは「自分の人生におけるその仕事の意義・社会的意義」を発見できる力にある。やりがいを発見できると、自ずと仕事は楽しくなってくる。

③感情のコントロール力
仕事をしていれば失敗や他人からの叱責等、マイナス感情を生み出すような出来事は避けられない。その感情をズルズルと引きずってしまえば、仕事はツマラナイものになる。
逆にその感情を断ち切り、すぐに気持ちを立て直すことができれば、新たなワクワクに遭遇することができる。

④ゲーム化力
TVゲームのブロック崩し。単に落ちてくるボールでブロックを崩していくというツマラナイことを、ゲームクリエーターは様々な工夫によって、私たちが夢中になる遊びにしてくれる。
仕事も同じ。どんなにツマラナく、退屈で単調な仕事も自身の工夫次第で、面白くエキサイティングなものに変えることができる。

⑤人間関係チューニング力
ワクワク仕事をしていても、人間関係で躓いてしまえば、仕事は急にツマラナく、苦しいモノに変わってくる。
逆に職場の仲間や上司、関係先と信頼のある温かな人間関係を築くことができれば、それだけでもワクワク仕事が楽しめるようになってくる。

⑥自己コントロール力
上司から枝葉末節まで細かく指示・管理されると、仕事のワクワク感は減っていく。上司から指示される前に期待を予測し先回りして仕事をすれば、喜ばれるし、仕事を任せてもらえる自由度が広がる。

⑦加速学習力
自分の能力は向上している、自分は成長しているという実感があるとワクワク感は増してくる。そのためには限られた時間で、自身の能力向上が実感できる学習のコツを身に付ける必要がある。

これら七つのスキルは、天性ではなく、学習や訓練によって向上させることができるものである。

「マイナス感情」を制御して対応

「感情のコントロール力」を身に付けるポイント :
不快な(イライラする、怖い、悲しい、退屈な)苦味が発生しない仕事などどこにもないし、雨の降らない人生(仕事)はない。単調で退屈な繰り返し業務、顧客からの理不尽なクレーム、上司からの厳しい叱責、指示通りの仕事をしてくれない後輩、約束を守ってくれない取引先等々、挙げればきりがないほどだ。

機嫌良く楽しく仕事をしていたとしても、これらに出会えば、多くの人は怒りや悲しみ、恐怖等のマイナス感情が湧いてくるだろう。仕事を楽しくする上でマズイのは、その気持ちを切り換えることができず、「この仕事、ほんと嫌だな」とマイナス感情をズルズルと引きずってしまうこと。引きずる時間が長いほど、仕事を楽しむどころではなくなるからだ。
感情のコントロールとは、無理なポジティブ思考などしてマイナス感情を感じないようにフタをするのではなく、マイナス感情を引きずらないようにすることだ。

そのためにマイナス感情の仕組みを理解してみよう。
脳の視点から簡単に説明すれば、扁桃体がマイナス感情のアクセル役、前頭前野がブレーキ役と考えてみればいい。
危険な出来事等を感知し、扁桃体が動き出しマイナス感情が発生すると、今考えていることを中断させ、直面する危険を回避することだけに全思考を集中させてくれる(このおかげで私たちは多くのピンチから素早く抜け出すことができる)。
正しく機能している間は非常に有益なのだが、ブレーキ役の前頭前野が弱いと、そのことばかりにとらわれてしまう=「暴走」しやすいという弱点がある。起こってもいない悪いことが次から次に頭に浮かび、自分自身で気持ちを憂鬱にしていく「取り越し苦労」などがその典型。

ではマイナス感情の暴走を止めるポイントは何か?
それは、ブレーキ機能(前頭前野)の強化だ。いち早く自分のマイナス感情の発生に気付き、冷静にどう対応するか考えることの習慣化である。そのためのいくつかのテクニックを紹介しておこう。

①マインドフルネス瞑想
従来の瞑想から、悟りを開く等の宗教色は排除して、「今の自分」に集中するトレーニングであり、Google等アメリカの企業でも最近多く導入されている。たった20分だけ今の自分に集中しようとしても、いろんな雑念や感情が浮かび集中を邪魔することに気付く。
毎日これを繰り返すことで、日常でも自分の心の中に発生しているマイナス感情にいち早く気付けるようになる。マイナス感情への気付きが早いほど対策も打ちやすくなる(気付くのが遅くなるほど暴走して、手に負えなくなる)。

②リラックス写真集
スマホを活用して、見るとリラックスできるアルバム(子供の写真、故郷の風景、旅行の写真等)を作っておく。マイナス感情が発生していると気付いたらこのアルバムを見るだけで、マイナス感情が切り換えやすくなる。

"ゲーム化力"で仕事を楽しもう

「ゲーム化力」を身に付ける :
誰しも仕事をしていると、どうしても気が乗らない仕事(苦手な仕事、退屈な仕事、嫌な仕事、興味の持てない仕事等)は発生する。
そんな時、消極的に逃げ回っていては、楽しめていた仕事さえ楽しめなくなってしまう。そこで役立つのが「気が乗らない仕事を遊びのように楽しい仕事に変える力=ゲーム化力」である。
子供の頃からゲーム化力を自然に身に付けている人もいる。私の学生の頃の友人などはその典型だった。勉強を嫌がる子供が多い中、彼は勉強することを遊びのように楽しめる工夫をしていた。

例えば、彼は休み時間に仲間を集め、人気クイズ番組「アタック25」のようなクイズ大会を開いていたのだが、クイズ作りは彼の担当。テストに出そうな英単語等を毎日クイズにしていた。
彼はワクワクしてクイズを準備しながら、いつのまにか英単語を覚えていたのだろう。勉強することが遊びの彼にとって、膨大な量の勉強を苦もなくでき、結果、素晴らしい成績をいつも収めていた。

では、私たちが彼のようなゲーム化力を身に付けるにはどうすればいいのか?
ここでは代表的なポイント二つを紹介する。

①真面目に仕事をする呪縛から解放し、ユーモアを大切にする
「眉間にしわを寄せて真面目な顔で仕事をしなければ、仕事とは言えない」といった思考の呪縛にとらわれていては仕事をゲームにしようと思わない。「結果が出るのなら、笑顔で仕事ができるようユーモアなど入れても構わない」と思考を柔軟にしていく。

②目標を有効活用する
私たちの身の回りにはテレビゲーム、スポーツ、子供の頃の遊び等、面白いゲームが沢山あり、そこにはルール、ポイント等、人が夢中になるアイデアが詰まっている。その一つが、「夢中で追いかけたくなるような目標設定」だ。目標を作る際、以下の三つを工夫してみよう。

A 自分で目標を再設定する
与えられた目標をイヤイヤ追い回しているようでは夢中になれない。自主的に「これを達成したい!」と決意した目標を追うことが楽しめるゲームの第一条件だ。会社から与えられた目標があるのなら、それを達成するための行動目標は自分で決めてみよう。

B 目標とご褒美の連動
自分で作成した目標に関して、達成した時、自分の心が躍るようなご褒美を用意しておこう。それにより、達成を考えるだけでワクワクするような目標になるはずだ。

C 自分にピッタリの目標の難易度設定
達成できるか?達成できないか?ギリギリのラインにある目標(達成確率50%)に対して、私たちは夢中になれる。目標のレベル設定をそのように工夫するだけでも、仕事は面白くなる。

「チューニング力」で仕事を楽しく

上司とよい人間関係を構築するポイント :
人間関係が気まずくなると、仕事に不満はなくても、私たちは楽しく働くことができなくなる。その中でも最も厄介なのが上司との人間関係だ。不幸にも自分と相性の悪い上司のもとに配属されると一気に仕事が辛いモノになっていく。

相性は様々な要因で発生するが、相性を最も大きく左右するのが性格だろう。性格が異なると、同じ事実を見ても違うように見えるし、同じ言葉を異なる意味で使ったり、あるいは異なる意味に聞こえたりするからだ。

具体的なケースで考えてみよう。例えば、A部長は「大きなことにチャレンジすることに快感を感じる」という性格。一方、部下のBさんは「地味なことでも、やると決めたことを一つずつ完璧に実現していきたい!」という性格。この二人が「目標」という言葉をどう使うのか想像してほしい。

A部長は「目標とはチャレンジングなものであるべき。誰も達成したことのない高いレベルでなければ、目標とはいえない」と無意識に捉えて使う。
これに対してBさんは「目標を掲げたからには完璧に達成する責任がある。できもしないような目標をいい加減に立ててはいけない。データに基づき、道筋を考えることができる合理的な目標でなければ、目標とはいえない」と捉えて使う。

厄介なのは、二人の解釈はどちらかが間違っているというわけではないところだ。人間関係悪化のキッカケは、各々が自分なりの正しい解釈で捉え仕事をしていく時だ。
A部長は、Bさんの目標設定を「Bってほんとチャレンジ精神のない奴だ。最初から目標達成は無理と諦めてどうするんだ。できることばかりやってはダメなんだ。ガッツのない奴だ」となる。

一方、Bさんは、A部長の目標に関する指示について、「部長はホントに無責任、いい加減だよね。根拠もなしに、できもしないような高い目標ばかりをいつも言っているよ」と部長を軽蔑する。
こんなやり取りが何度も続けば不幸な関係が固定化されてしまう。これでは仕事を楽しむなど無理な状況になる。

このような場合、自分の性格からくるプロトコル(思考パターンや常識・ルール)は一旦横に置き、上司のプロトコルで考えて行動することで状況を打開するしかない。これがチューニング力である。

自分の性格や価値観に執着をなくして、「上司の性格や価値観から考えると、目の前の事実や自分の発言・行動はどう解釈するだろうか?彼の指示や命令を私はどう解釈するといいだろうか?」を考えなければならない。

上司が、あなたの言動を理解できるように微修正する力を身に付けていただくことも、仕事を楽しくするには必要になってくるのである。

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