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アワード受賞企業に学ぼう!リーディング企業ピックアップ Vol.16

受賞名

会社名

技術革新や経営革新を行い、社会に影響を与えている中小企業として賞を受賞している優良企業の中から、注目企業をピックアップ。今回は、「高度外国人材活躍企業50社」を受賞した「株式会社中央電機計器製作所」を紹介します。顧客が望む製品を、1台から量産まで一貫生産可能な計測器メーカーであり、外国人や女性など多様な人材を活用する企業として各賞を受賞する、その取組を紹介します。

今回の注目企業はこちら

株式会社中央電機計器製作所

  • ■所在地:大阪府大阪市都島区内代町2-7-12
  • ■資本金:1,000万円
  • ■従業員数:46人

受賞ヒストリー

  • 平成27年度新・ダイバーシティ経営企業100選
  • 2017年はばたく中小企業・小規模事業者300社
  • 高度外国人材活躍企業50社(2018年)

企業概要

1930年に創業の株式会社中央電機計器製作所は、「ユーザーの立場に立った製品作り」をモットーに、その確かな技術力でカスタム仕様の計測・制御装置を一貫生産するメーカーです。同社は新たな発想を求めて外国人や女性などの多様な人材を採用、育成しており、海外展開にも力を入れています。

「一点もの」の特注品を一貫生産

大阪府大阪市に立地する株式会社中央電機計器製作所は、1930年に創業し、計測・制御装置などの開発・設計・製作を行っています。同社の製品は、航空宇宙、自動車、鉄道、産業機械、バイオ、医療、省エネ、自然エネルギーと、使用される業界はさまざまですが、顧客に合わせて製品の仕様を変える「カスタムメイド」を強みとしており、これまでに手がけてきた製品のほとんどが特注品です。ソフト、ハード、機構部の設計から製造まで、ワンストップでの一貫生産に対応しています。近年では、上場企業や研究機関、大学などからの製品開発の依頼も多くなってきています。
これらの取組を背景として、同社の売上は順調な伸びを示し、2016年度には過去最高の売上7億2,000万円を計上しました。

同社代表取締役の畑野淳一さんは創業家の3代目で、2012年に就任しました。畑野さんは、リーマンショック後に取引先企業が製造拠点を海外にシフトしたことにより、海外市場の開拓や新商品の開発に取り組む必要性を認識していました。しかし当時、製造部門を担っていたのは日本人の男性社員が中心で、新たな発想が生まれにくい状況でした。さまざまな考え方を活かすため、畑野さんは外国人や女性も含めた多様な人材の活躍を推進することにしたのです。

「多様な人材の活用により、経済産業省などからさまざまな表彰を受けることができました。これによって新規に営業するときの信用が高まるとともに、自社がどのような企業か伝わりやすいため、名刺代わりとして役立っています」(畑野さん)

畑野淳一代表取締役

外国人社員の「家族」となる

同社では、従業員46人(正社員は45人)のうち、中国から帰化した女性1人を含む4人が外国人で、約1割を占めています。4人全員を正社員として雇用しています。
畑野さんの父・吉雄さん(現会長)が社長であった2000年頃、初めて米国人留学生を採用しました。それ以来、中国人、タイ人、ベトナム人の留学生を毎年のように採用しており、アジアを中心とした海外営業の橋渡し人材としての活躍を期待しています。

採用する人材は、日本の大学に就学する留学生のみを対象としており、文系・理系や学歴は重視しません。日本人と同じ選考基準としていますが、外国人材に課す唯一の条件は、「日本語能力試験」の最上級であるN1を取得していることです。
採用した外国人材に対しては、会長夫妻が、「日本の父・母」役として家族ぐるみの交流を親身になって行っています。例えば、外国人社員の母国を訪れた際に家族を訪問したり、家族が来日した際に職場に招いて面会したりしています。信頼関係を深めることが、離職防止にも一役買っているといいます。

「日本語能力試験」N1を持っていても、業務内の言い回しは難しい面があるため、先輩の外国人社員が教育役となり、国内の業務も担当できるようにしています。一方で、日本人社員との親睦を深められるよう、外国人社員が母国の言語や文化をレクチャーする勉強会を設けています。

外国人社員の採用については、先代から引き続き、畑野さんも留学生向けの企業説明会に自ら説明に出向くとともに、外国人留学生を対象としたインターンシップを実施しており、実際に採用につながった例もあります。
「直近では、2016年にタイ人の留学生を採用しました。営業でタイに出張した際に、コンタクトを取っていた現地企業から紹介された人材です。さまざまな機会を通じて、外国人材を積極的に採用するようにしています」(畑野さん)

会社外観と外国人社員が母国語をレクチャーしている様子

優秀な「ものづくり女子」が活躍

同社は、製造業としては女性の比率が多いことも特徴で、現在では約3割の社員が女性です。製造現場にも女性が勤務しています。結婚後も安心して働けるよう、1年間の産前・産後休業および育児休業と、育児休業後の時短勤務を認めています。育児休業後に復帰する社員も多く、職場では復帰者の事情をよく理解しているため互いの業務をカバーし合うといいます。

畑野さんは、女性の活用について次のように語ります。
「女性を積極的に採用しているわけではありませんが、優秀な志望者が比較的多いため採用が増えています。製造の現場では女性は働きづらいと思われがちですが、女性だけの交流会を定期的に開催するなど、コミュニケーションを取りやすい環境づくりを欠かさず行っています。働きやすい環境を整えることで、その能力を発揮して活躍してくれています」

女性の管理職登用にも取り組んでいて、帰化した元中国人の社員を同社初の女性係長に任命した例もあり、現在は課長に昇格しています。同社員は、以前は各部署で行っていた工数・納期の管理を、製造各部の女性社員とともに一括管理する仕組みを構築し、生産性の向上に貢献しています。

多くの女性社員が在籍

職場環境の整備と人材育成に注力

同社では多様な人材を活用するにあたり、働きやすい職場環境の整備にも注力しています。深夜までの残業が多かったかつての状況を見直すため、畑野さんが社長に就任後、「残業の許可制」と「終礼の実施」を導入しました。
「残業をする場合には、その理由を添えて上長の許可を取るように取り決めました。それ以降、社員の考えが変わり『限られた時間の中で仕事をする』という意識が芽生えるようになりました。また、毎週水曜日に設けられていた定時退社日を徹底させるため、終礼を実施し、帰りづらい雰囲気を無くすための取組を行いました」(畑野さん)
これらにより、取組の前後で比較して社員の総残業時間を約3割削減することに成功しました。仕事と生活の両立(ワーク・ライフ・バランス)が、生産性向上にも貢献しています。

社内でベテラン社員による技術講座を開講するなど、社員の人材育成にも精力的です。その他、研修の一環として東京などの国内や、海外で開かれる展示会や技術サミットなどに社員を派遣することで、社員の行動力を養っています。これまで実に半数以上の社員が、ヨーロッパ、米国、中東、アジアへの海外出張を経験しています。

若手人材にも海外研修が豊富

高精度な検査装置を海外へ展開

同社には、寸法自動測定装置や微細欠陥検査装置などの自社ブランド製品があります。
寸法自動測定装置は、CCD(電子結合素子)カメラを用いて、光学フィルムなど二次元形状の対象物の寸法を、マイクロメートル(マイクロは100万分の1)単位で自動測定するものです。他社品では100カ所の測定に1時間以上かかるところ、同社の製品は最短1分で測定でき、大きな競争力を持っています。ここ数年、特にスマートフォンやタブレット端末の光学フィルムの品質管理などに活用されており、海外十数カ国に出荷した実績があります。

微細欠陥検査装置は、近年のスマートフォン画面の拡大傾向に伴って開発したものです。これはタッチパネル周辺の電極配線面積が狭くなり、目視による品質検査が難しくなったという顧客ニーズに対応した製品です。対象物の識別能力を表す分解能は1.8マイクロメートルで、非常に高精細な検査を可能としました。

中国人やタイ人の社員は、これらの製品を海外の展示会などに積極的に出品して市場開拓を図り、受注に繋げています。また、2016年には、東南アジアにおける営業および技術のサポート拠点として、バンコクに連絡事務所を開設しました。新規案件の獲得をにらみ、2020年を目標に現地法人の設立準備を進めています。

畑野さんは、今後の同社の展望を次のように語ります。
「まもなく創業90年を迎え、2030年の創業100周年までに、『画像を用いた計測装置で世界シェアNo.1』を目指しています。人の目に頼った検査をしている現場では、自動化の余地がまだまだあります。これまでに培った検査装置の製造ノウハウを活かして、新規製品を投入していきます」
新規製品の開発と、さらなる海外展開に積極的な意向です。

自社ブランド製品の卓上寸法自動測定装置と高精度寸法自動測定装置

いかがでしょうか?株式会社中央電機計器製作所は、多言語に対応でき現地市場をよく知る外国人材を積極的に採用することで、事業の海外展開を図っています。また、代表者自らが職場環境の改善や従業員同士の交流を図る取組を熱心に行い、生産性向上につなげている好事例です。

今回取り上げた賞はこちら

高度外国人材活躍企業50社

経済産業省は、高度な専門的知識や技術を有する外国人材を積極的に採用し、事業の海外展開などの成果を得ている先進企業50社の事例を「高度外国人材活躍企業50社」として取りまとめました。
幅広い産業でグローバル競争が激化する中、優秀な外国人材を積極的に受け入れ、ビジネスチャンスにつなげている地域の中堅・中小企業を中心に選定し、紹介しています。

技術革新や経営革新を行い、社会に影響を与えている中小企業が全国に数多く存在しています。
ミラサポでは、表彰された優良企業をご紹介していますので、みなさまの経営の参考事例としてご覧ください。

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