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アワード受賞企業に学ぼう!リーディング企業ピックアップ Vol.5

CASE-1 日本サービス大賞 地方創生大臣賞 家づくりを物語に「工房信州の家」

国内の全てのサービス提供事業者を対象に、"きらり" と光る優れたサービスを表彰する「日本サービス大賞」。今回は、栄えある第1回受賞31件の中から、4社の取り組みをピックアップ。各社事例から「優れたサービスをつくりとどけるしくみ」の秘密に迫ります。

株式会社フォレストコーポレーション

株式会社フォレストコーポレーション

株式会社フォレストコーポレーション

代表取締役社長 小澤 仁

  • ■所在地:長野県伊那市西春近3005番地
  • ■設立:1960年5月
  • ■資本金:3,600万円
  • ■従業員数:115名 ※2016年1月現在

長野県を中心に注文住宅、RC造賃貸住宅の2事業を展開。今回受賞したのは「工房信州の家」のブランド名で展開する木造注文住宅。「信州の住文化を創造する」ことを目的に、信州の風土と景観に調和する街づくり、家づくりを推進。「お客様に感謝し、喜んでいただける仕事をしよう。」という企業理念にもとづき、2012年には家族の深い愛着を育む、お客様参加型の家づくりサービスをスタートした。家族の思い出を紡ぎ、人と家との絆を生み出すことで、より豊かな生活創造を目指している。

新ビジネス(サービス)に取り組んだきっかけ

家は家族がつくるもの、という気づきがきっかけに

代表取締役社長 小澤 仁氏

代表取締役社長 小澤 仁氏

当社が所在する長野県は、県土の約8割が森林で占められています。私たちのお客様には山を所有している方も少なくありません。
10年前に、「自分の山の木を使いたい」というお問い合わせがありました。施主様とそのご両親、祖父母など総勢8名が家づくりの現場に立ち会われました。最後の引き渡しの現場では、柱の自慢や伐採の時の苦労話などに花が咲き、ご家族の方々、スタッフ、職人など関わった全員が嬉しそうにしている、とても幸せな時間でした。私は、そうした光景を目の当たりにして、既に出来上がった家を売る、というこれまでの家づくりとの違いにハッとさせられました。
日本では古くから、住まいは家族が長年かけ築き上げるものであり、家づくりを通して家族の一体感を高める一大イベントでした。そうした日本古来の家づくりの良さを見つめなおし、家を買ったときに価値がピークの耐久消費財ではなく、年月を経て家族の思い出と共に、お客様にとっての価値が高まる住まいを目指し、家族参加型の家づくりの提供を始めました。

サービスの特徴

建つ前から家族の思い出が詰まっている家

選木ツアー

当社の家づくりは、山を所有している、していないに関わらず、まずお客様に山に入っていただくことから始まります。山を所有している方には、ご自身の山で、所有されない方には、地域の山で毎月定期的に開催する「選木ツアー」に参加していただき、選木から伐採まで体験していただきます。

また、住宅の工事中には壁の珪藻土塗りや、ステンドグラスづくりなどをお客様自身が体験できるプログラム「ひとてま工房」を用意しています。
住んでから日々目にする場所を、自ら手掛けることで、より愛着が持てるように、という現場の女性社員のアイデアを採用し、全社的に行うようになりました。お客様参加型のプログラムは、現場の声をできる限り採用し、新たな試みに取り組み続けています。

こうして家づくりの前工程から、完成までを施主様とそのご家族が関わっていくことで、家族皆の思い入れがあふれた住まいが完成します。既に思い出が詰まった、愛着のある住まいであるからこそ、完成後も自ずと住まいを大切にし、家族の物語が続いていくのです。

サービスを届けるための工夫

独自の家づくりを地域との連携が支える

ストックヤード

お客様が参加できる家づくりは、地域との連携、さまざまなプロセスの効率化によって支えられています。
家づくりの鍵となる「木材」については、地元製材所2社と共同で、天然乾燥ストックヤードを開設し、持ち山の木を保管・乾燥・製材してスムーズに工事現場に届ける体制を整備しました。

また、山守(やまもり)、地元製材所との協力体制を整え、 長野県産材の流通ルートとなる、「産地」「製材」「乾燥」「プレカット」「建設」という工程をグループ化することで一括管理を実現し、安定的な供給に結び付けました。

体験プログラム
その他、参加型体験プログラムでは、陶芸、吹きグラスなど地元の職人さん達に協力していただいてます。当初、職人の方たちとの意思疎通を図ることが難しい場面もありましたが、私たちの思いに共感していただける方にお声掛けしたり、幅広いエリアで対応できる方に協力いただいたりと地域のネットワークも広がってまいりました。

サービスがもたらした影響

単に木を使った家ではなく、木を軸に笑顔を生み出す家づくりへ

信濃の自然

お客様参加型の家づくりは、お客様や地域、社員に嬉しい変化をもたらしています。
まず、挙げられるのは、人々の森や里山への関心の高まりです。当社が、サービス導入前に行った、山の所有者を対象にした独自調査では、自らの山を「売ってしまいたい」「引き取ってほしい」など、山や木に対して価値を見失っている人が多いという現状が浮かび上がっていました。所有者が自らの山の木を用いることで、山、木への愛着が高まり、また、山を所有していない人からも、実際に木が倒れる際の大きな音と振動を体感し、「木の命の尊さを実感した」という声が多く届いています。

完成した家でくつろぐお客様家族
そして、林業をはじめとする地場産業の活性化にも大きく貢献しています。当社の住宅では、長野県産材の割合が85%を占め、年間100組の供給実績によって、県産材の安定した需要を掘り起こしています。県の基幹産業である林業が再生することで、雇用の創出にもつながり、林業全体の活性化に貢献しています。また、家づくりに関わる山守(やまもり)や地域の職人が、普段なかなかお客様と触れ合う機会の少ないお客様とのふれあいを通じて、自らの仕事の価値を再発見する機会になっています。

最後に、社員のモチベーションアップです。
国内の調査機関が実施した、「働きがいのある会社ランキング2016」に長野県で唯一ランクイン(従業員100人~999人部門、29位)しています。調査の中で、「私はこの会社は地域や社会に貢献していると思う」という項目が最も高くポイントを付けていることから、サービスの取り組みが社員の働きがいにつながっていると考えております。

お客様や関わるスタッフ、職人皆が互いに笑顔になれる幸せな家づくりに、今後も取り組んでまいります。

日本サービス大賞を受賞したポイント

♣ 前工程から完成、完成後のアフターケアまで、施主が直接家づくりに関わることで、家族の物語と感動を創出

♣ 放置された森林の整備や、国産材木の活用促進に寄与

♣ 地元の山守や製材所・加工職人たちの雇用を促進するなど、長野県の林業活性化にも寄与




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