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アワード受賞企業に学ぼう!リーディング企業ピックアップ Vol.5

CASE-3 日本サービス大賞 地方創生大臣賞 学校図書館運営サポートサービス

国内の全てのサービス提供事業者を対象に、"きらり" と光る優れたサービスを表彰する「日本サービス大賞」。今回は、栄えある第1回受賞31件の中から、4社の取り組みをピックアップ。各社事例から「優れたサービスをつくりとどけるしくみ」の秘密に迫ります。

株式会社リブネット

株式会社リブネット

株式会社リブネット

代表取締役 谷口 とよ美

  • ■所在地:三重県伊勢市楠部町乙135番地
  • ■設立:2002年1月
  • ■資本金:1億円
  • ■従業員数:620名(パート含む)
  • ■学校図書館業務受託事業数:のべ3217校
  • ※2016年7月12日現在

2002年、三重県で日本で初めての学校図書館民間委託事業を開始。企業理念に「最良の仕事で、最良の社会の実現に貢献する」を掲げる。
学校図書館の活性化をめざし、学校司書配置をはじめとした運営サポートサービスを提供。学校司書の業務レベルの向上・均一化を図るために、現地指導、ヘルプデスク、運営支援システムの開発などを実現し、司書の育成やサポートを行っている。
2015年度は学校図書館、公共図書館、大学図書館を合わせ全国485ヶ所の受託事業を行う。
近年は、さらに図書管理システムの経験を活かし、海外(シンガポール、シドニーなど)にも展開を広げ、サービス業向けのシステム開発・販売も手掛けている。

新ビジネス(サービス)に取り組んだきっかけ

学校図書館員時代の思いをかたちに。
「学校図書館運営」の「民間受託」を切り開く

代表取締役 谷口 とよ美氏

代表取締役 谷口 とよ美氏

26年間、三重県庁の職員として4つの高校で学校図書館員として勤務しました。「読書」が人格形成に大きく影響を及ぼし、一冊の本との出会いにより、その後の人生が大きく変わった生徒に何人も出会いました。だからこそ、「子どもたちに読書の機会を多く与えられる図書館をつくりたい」、そして「本を届けたい」、これこそ自分の使命と思い、この事業を開始しました。日本で初めての「学校図書館運営」の「民間受託」事業です。

図書館は、「人」と「本」が主役です。その「人」と「本」をどうつないでいくのかと思案をし、その間をつなぐものはITであると考え、まずシステム開発に取り組みました。
さらに、これまで日本の学校図書館は、授業で十分に活用されておらず、学校司書の配置・活用も遅れていました。「読書力は学力に関係する」ことを学びの原点と捉え、「学校司書をひとりにしない」をコンセプトに掲げ、図書館運営のキーマンである学校司書の育成・サポートサービスを実現しました。

サービスの特徴①

ICTの活用とFace-to-Faceのおもてなしにより
均質的なサービスを提供

公教育においてはサービスにばらつきがあってはなりません。「均質なサービス」が必要です。しかしながら、学校図書館は法律により設置が義務づけられているものの、授業で活用されることはほとんどなく、学校司書の配置と活用も遅れていました。学校司書の配置があったとしても、ひとりきりの職場であるケースが多く、公教育の場で求められる均質的なサービスの提供が難しい状況でした。

そこでリブネットでは、学校司書の業務レベル向上とサービス均質化に向けて、「学校司書をひとりにしない」学校司書の育成とサポートのためのサービスを提供しています。

一つ目は、独自に開発を行った運営支援システムです。学校司書が業務内容などを入力すると、サポートセンターが専門的な見地から運営データを分析してフィードバックを行います。同時に、サポートセンターはリアルタイムに業務を把握することが可能です。このサポートにより、学校司書はより効果の高い業務を行えます。また、学校司書からの質問や相談にリアルタイムに答えるヘルプデスク機能も備えています。
二つ目は、業務効率アップのための専用サポートサイトの提供です。学校司書個人のスキルに依存しないように、コーナー展示のディスプレイや授業支援に活用するためのワークシート、選書リストなどを提供しています。このことで、均質的なサービス提供と同時に業務時間の削減も実現させています。
三つ目は、学校司書のスキルアップのための人材育成プログラムです。学校司書に対し、大学教授などの監修による研修プログラムを提供し、的確な指導を実施しています。また、社内スキル評価認定制度を設け、「指導」+「評価」で人材を育成するプログラムも構築しています。

図書館の変化と環境整備
これらのサービスの多くは、私が公務員として学校図書館員をしていた時の経験と知見を、ICTを活用して、インフラとしてシステム化したものです。
時間のかかる作業を削減し、その分の業務時間を子どもたちへの「Face-to-Faceのおもてなし」に繋げてほしいのです。

サービスの特徴②

数字に表れた子供たち・先生や学校の変化

ライブラリー・クエスト

多くの場合、弊社に業務を委託するのは個別の学校ではなく、教育委員会となります。教育委員会にとって、学校図書館の活性化による最終的な目標の1つが「子どもの学力向上」です。
この目標に向けて三重県教育委員会から受託した事業では、学校図書館を活用し知識を得て、学力向上につなげるためのプログラムを、学校と連携して開発、実施いたしました。 「ライブラリー・クエスト®」というプログラムで、学力テストにおいて最も平均回答率が改善した小学校では、1年間の取り組みで、国語Aの平均回答率が20.5点も上昇しました。

その他にも、子どもたちの読書推進を目的として、新たな手法を取り入れたブックリスト「読書登山」を作成・実施しています。
この「読書登山」を取り入れている学校では、貸出冊数が前年比470%増加という、大きな変化を生み出しています。

顧客である学校からは、学校図書館の業務における主項目(環境整備・蔵書管理・読書活動促進・授業支援)で満足度97%以上と、評価をいただいております。
また、授業での学校図書館利用は5年間で350%にアップしました。
この結果、一度受託した自治体では、5年、10年と継続して受託させていただいています。

サービスがもたらした影響

「学校司書をひとりにしない」仕組みで、雇用の創出と安定を図る

学校司書

弊社のサービス展開だけが理由ではありませんが、創業当初6%だった三重県内の小中学校への学校司書配置率は、2015年には82%までに上昇しました。司書配置による学校図書館運営サポート市場を創出できたものと思います。

さらに、2015年4月1日施行の改正学校図書館法において、初めて「学校司書」という職名が条文に記載され、法律改正にも貢献いたしました。

従来、司書資格を保有していても公共図書館で働くことは非常に狭き門でした。その中で、当サービスを開始したことで、多くの学校司書という雇用を創出できました。司書資格を持つ人は女性が多く、特に主婦の方々に活躍の場を提供することもできました。
さらに、学校司書をひとりにさせない仕組みが実現したことで、職場の定着度も飛躍的に向上し、契約期間内定着率98%以上となっております。結果として専門性の蓄積につながり、より高いレベルでのサービス提供が実現しています。

このサービスは全国どこでも、どのような雇用形態の学校司書にも展開できるように構築されています。
今後も自社の業務受託先にとどまらず、日本全体の学校図書館の活性化に貢献していきたいと思います。

日本サービス大賞を受賞したポイント

♣ 読書力が学力に関係するという学びの原点の重要性を訴求し続け、数%だった三重県内の小中学校司書配置率を、全国平均を上回るまでに高めることに寄与

♣ 同社のサービスが全国約500校に広がっており、本分野の市場を大きく切り開いた




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