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アワード受賞企業に学ぼう!リーディング企業ピックアップ Vol.5

CASE-4 日本サービス大賞 地方創生大臣賞 子どもたちに食文化を伝える「考食師」による給食サービス

国内の全てのサービス提供事業者を対象に、"きらり" と光る優れたサービスを表彰する「日本サービス大賞」。今回は、栄えある第1回受賞31件の中から、4社の取り組みをピックアップ。各社事例から「優れたサービスをつくりとどけるしくみ」の秘密に迫ります。

株式会社ミールケア

株式会社ミールケア

株式会社ミールケア

代表取締役 関 幸博

  • ■所在地:長野県長野市大字栗田8番地1
  • ■設立:1990年12月
  • ■資本金:4,459万円
  • ■従業員数:1,100名
     栄養士(管理栄養士含む)291名/調理師305名
  • ■受託数:280施設
  • ※2016年7月12日現在

給食サービスを軸に幅広い食育事業を展開。幼稚園・保育園などの給食受託事業「KIDS MEAL」を全国280ヶ所を受託している。単なる給食サービスの枠を超えた食育の視点から、「日本の美しい食文化を未来に伝える」ことを使命として、子どもたちに和食の伝統や文化を伝えている。
また、長野市北部にある耕作放棄地を子どもたちの農業体験の場として再活用した農園事業や、地産地消を取り入れた家庭料理のビュッフェレストランの運営、食育劇の公演など、さまざまな食育活動にも取り組んでいる。

新ビジネス(サービス)に取り組んだきっかけ

"ずく魂"で子どもを元気にする給食を提供

社是

『ずく出して、みんなの夢にLet's Try!』
"ずく"とは私たちの地方言葉で、道徳の「徳」のことです。「お互いに元気を出して、一緒にやっていきましょう!」という思いを込めて、この言葉を社是に掲げています。

仕出しが中心だった幼稚園・保育園の給食で、温かく愛情のこもった手づくりの食事を提供したいと考えたことが本サービスの始まりです。特に幼稚園教育では給食は義務化されていませんので、園によるギャップが大きい現状があります。

子どもたちが喜んでくれる、思いやりのある給食を作るにはどうすればよいか、母の手作りのように愛情ある給食を提供するためにはどうすべきか考え、日本の食文化を取り入れた、一汁三菜の給食を作り上げました。
食育の教育で社会のお役にたてればと思い、日々事業を行っています。

代表取締役 関 幸博氏

代表取締役 関 幸博氏

サービスの特徴

提供するサービスの本質を「給食サービス」から「educe食育」へ

子どもたちに食文化を教える風景

子どもたちに給食を提供することは事業として当然のことです。
食を通じて和食の伝統と和文化の素晴らしさを学んでもらいたいとの思いから、まずは自分たちで学ばなくてはならないと感じ、さまざまな研究、挑戦を続けました。
そして、食育の伝道師「考食師」という独自の社内認定資格を創設し、「educe食育」を確立させました。

ミールケアでは、日本の食文化を取り入れたメニューを提供しています。月2回は季節の移ろいを感じてもらうために、旬の食材を活用した二十四節気に基づいたメニューも提供しています。
「考食師」は調理スキルに加え、食文化に関する知識を持ち、分かりやすく伝えることができる人材です。"給食の先生" として子どもたちに正しい箸の使い方から食べ方、食べ物のありがたさなど、和食の伝統と文化を伝えています。現在では90人の「考食師」が社内外で活躍し、思いを広げています。

社内で食育のシステムを作ろうと最初に語りかけたときには、誰も見向きをしてくれませんでした。
しかし、半ば強制的に数人の社員に社内教育を受けさせ「考食師」に育てました。保育園・幼稚園で活躍する姿を見て、今では多くの社員が自発的に研修を受講をしてくれるようになりました。
研修は約1週間行います。日本の歴史から、農耕民族のあり方、日本と世界の食文化の違い、農業体験による命の大切さ、生産者に感謝する心、もちろん栄養学、幼児栄養学、調理技術などを学び、更にそれら知識を伝えるための「プレゼン力」を身につけます。

サービスを届けるための工夫

「educe食育」 を提供するためのしくみが
多角的な事業展開へ発展

調理実習

ミールケアの「educe食育」には、3つの柱と、4つのサポートがあります。3つの柱は、「心を育む」「感性を育む」「価値観を育む」ことです。
4つのサポートは、[1]約90名の食のスペシャリストが質の高い食育を指導する「人材サポート」、[2]100を超えるプログラムで多彩な体験の場を提供する「体験サポート」、[3]体験の場を広げる約1万坪の体験施設を活用した「環境サポート」、[4]保育園・幼稚園の教育方針に沿ったカリキュラムを作成する「最適サポート」です。
これらを組み合わせることで、ミールケアのサービスに「マンネリ」はありません。

収穫体験
100を超える「体験サポート」では、食農場での収穫体験、調理実習など体験型の食育を多く取り入れ、生産者への感謝の心や、食べ物を大切にする心を育む場を提供しています。
都会の園でも農業体験ができるよう、生産者が特別講師として園を訪れ、一緒にトウモロコシの皮をむきながら、食材について学び、食するような体験もあります。
また、冬には味噌作りを行います。一緒に作った味噌を翌秋に食べることで、子どもたちは多くのことを学んでいます。

「食べる大切さ」を教える劇
食文化を伝え、育みの場を提供する「環境サポート」では、約1万坪の耕作放棄地を活用した「み~るんヴィレッジ」を整備しています。ミールケアの夢を詰め込んだ広大な農村です。
この施設では子どもたちが資源循環型の畑をつくり、いきもののにぎわいと、安心安全な食べ物を育てる農園活動「いきものみっけファーム」を展開し、年5回のイベントには毎回200人以上の家族に参加いただいています。

また、ミールケアは「食べる大切さ」を"劇"という形で表現し、楽しく分かりやすい食育活動も推進しています。
この活動も最初は社員の賛同を得られずに、苦労しました。劇を通じ子どもたちは環境を大切にする心、好き嫌いをしないこと、病気に負けない体づくりを学んでもらいます。

サービスがもたらした影響

顧客との信頼化関係が、ビジネスを成長させる

楽しくご飯を食べる子供たち

食や健康に関心の高い保護者の期待に応えることで、園の保育サービスの価値が高まり、サービス提供先の幼稚園・保育園では入園受付者数が軒並み増加しました。
前年比110%以上となった園もあるなど、目立った効果が表れています。

また、サービス提供先の幼稚園・保育園から、他園に対して当社の事業を紹介していただいており、新規受託契約件数も毎年、前年比120%以上で増えております。

子どもたちに教える風景
保育園・幼稚園に通う子供たち、保護者、そして園長をはじめたとした先生方の期待に応え、信頼関係のある良好な関係を保つことによって、営業活動をしなくても新規受注と増収増益につながっています。

また、毎年50名の栄養士を採用し、教育していますが、"先生"と呼ばれるやりがいのある仕事や、各所に活躍のステージが設けられていることで、社員の離職率が大変低いことも、本事業の効果だと感じています。

日本サービス大賞に応募してから、約1年が経ちました。
この1年でもいろいろと変わってきましたが、更に進化をしていきたいと思っています。

日本サービス大賞を受賞したポイント

♣ 食や健康に関心の高い保護者層の期待を捉え、和食の伝統と文化を伝える「考食教育」を取り入れることで、給食の価値を高め、園の保育サービス自体の価値向上にも寄与

♣ 全国280ヶ所の幼稚園・保育園に拡大し、新規受託契約件数が毎年120% 以上で増加




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