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アワード受賞企業に学ぼう!リーディング企業ピックアップ Vol.7

Japan Venture Awards 2017 中小企業庁長官賞受賞

日本環境設計株式会社

技術革新や経営革新を行い、社会に影響を与えている中小企業として賞を受賞している優良企業のなかから、注目企業をピックアップ。 今回は、「Japan Venture Awards 2017」で中小企業庁長官賞を受賞した「日本環境設計株式会社」をご紹介します。循環型社会の構築を目指したリサイクル技術の開発や消費者参加の場づくりへの同社の積極的な取り組みに迫ります。

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日本環境設計株式会社

  • ■所在地:東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビルディング5F
  • ■資本金:14億9,200万円
  • ■従業員数:47名

受賞ヒストリー

  • Japan Venture Awards 2017 中小企業庁長官賞受賞

企業概要

日本環境設計株式会社は、循環型社会を目指したリサイクルのインフラ構築および技術開発を進める会社です。その一環として、使われなくなった綿繊維からバイオエタノールを、ポリエステル繊維から再生ポリエステルを生産する技術を開発しました。それらの技術でリサイクルに取り組む一方、そのような使われなくなった製品を消費者から回収するシステムづくりにも尽力しています。「楽しい」をキーワードに消費者も参加する循環型社会の実現を目指しています。

独自にリサイクル技術を開発し、かつリサイクル活動に参加するきっかけづくりにも取り組む

使われなくなった綿製衣料品や製品プラスチックを回収してリサイクルする。そのリサイクル活動を消費者も参加できるような循環的社会活動とすべく、さまざまな仕掛けをするのが2007年設立の日本環境設計株式会社です。
同社のビジョンでは「私たちの身の回りにあるもの、それが使用された後に回収、リサイクルされ、そして、新たに同様の製品になり販売され私たちのもとに戻ってくる。これが私たちの考える循環です」と言います。消費者から回収した製品をリサイクルにより同じ製品に再生させる。これは魅力的な提言です。なぜなら、衣料品もプラスチック製品も廃棄されると違う製品に再生されることがほとんどだからです。それを同じ製品に戻そうという試みは、2017年末には本格的なプラント稼動により始まります。
同社は設立時から繊維製品の独自リサイクル技術を開発し、続いて製品プラスチックのリサイクル技術も開発し始めました。さらに、技術開発だけではなく、企業や消費者をリサイクル活動に参加する"きっかけづくり"にも奮闘しています。

独自にリサイクル技術を開発し、かつリサイクル活動に参加するきっかけづくりにも取り組む

回収した綿の衣料品をバイオ燃料に再生

2007年、同社は廃棄される綿製衣料品をリサイクルする技術の開発を始めました。創業当時はトウモロコシやサトウキビを原料にしたバイオ燃料が注目を集めていましたが、食物を燃料化することに疑問も投げかけられていました。そこで同じ植物性である綿製衣料品を燃料に再生することを考えたのです。
そして3年間かけてエタノール燃料に再生する技術を開発しました。綿繊維の95%はセルロース(植物繊維)でできています。このセルロースを酵素で分解してグルコース(ブドウ糖)にし、それを発酵させればエタノール(アルコール)が得られます。このプロセスは、エタノールを生成する従来のプロセスと同じなので、すぐに量産化が可能です。この再生エタノールは2010年から本格生産が始まり、染色工場などでボイラー燃料として使われています。
さらに、同社は2016年からジェット燃料に再生するプロジェクトへの参加も始めました。私たちが長年身につけて古着となった綿製衣料品が、航空機の燃料となって再生される。ちょっとわくわくしますね。

回収した綿の衣料品をバイオ燃料に再生

公的支援を活用しながら画期的な技術を開発

衣料品の原料には綿よりもポリエステルが多く使われています(60%がポリエステル)。今後も世界的に人口が増えていけば、当然衣料品への需要も増えていきます。そして、衣料品需要の増大はポリエステル需要の増大にもなり、それにより原油の需要増大にもつながります。それを少しでも抑えるべきだという思いから同社は回収した衣料品のポリエステルを原油由来と同品質のポリエステルにリサイクルするという画期的な技術を開発しました。
ポリエステルを加水分解してモノマー(小さな分子)に戻し、それを再結合させるという化学プロセスによるリサイクル技術です。このプロセスも、従来のポリエステル生成とプロセスが同じなので、既存の生産プロセスを変えることなく廃ポリエステルを再生できます。
このプロセス技術は、その有効性を検証するために申請したNEDOの「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」(2015年度)に採択されました。それによる検証を終えて同社は、量産に向けて北九州市に新設した工場で2017年末までにパイロットスケールの稼動をスタートさせます。
衣料品の原料として大量に使われるポリエステルは、これまで廃棄後は焼却処分されることがほとんどでした。それを再び衣料品の原料に戻せるため、原油消費の抑制のみならず、焼却による二酸化炭素(CO2)発生の抑制にもつながります。それは同社のビジョンでもある「循環させることによりエネルギーや素材としての石油の使用量が減り、二酸化炭素の排出削減に寄与します」を実現する大きな一歩なのです。

公的支援を活用しながら画期的な技術を開発

消費者も参加してリサイクルの輪を広げる

2015年秋に同社は、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズでタイムトラベルしたクルマ型タイムマシーン「デロリアン」をバイオエタノール燃料で走らせるイベントを開催しました。このイベントでは、同社のリサイクル技術によるバイオエタノールを燃料として使用しました。そしてその燃料をつくるため、イベントの実施前には"みんなでごみ(資源)を集めてデロリアンを走らせよう"と着なくなった服のリサイクル提供を消費者に呼びかけ、資源となる多くの廃衣料品と参加者が集まり、イベントは大盛況でした。
こうしたイベントのほかにも、リサイクルの輪を広げて循環型社会のインフラを築こうと、これまでにも「FUKU-FUKUプロジェクト」(廃衣類からバイオエタノールを再生するために回収拠点を設けて廃衣類を回収するプロジェクト)や「PLA-PLUSプロジェクト」(環境省の回収実証事業で、130の企業・団体、約600の各種店舗が参加して廃プラスチックを回収するプロジェクト)など消費者参加型のリサイクルの仕組みを実施しています。
さらに、2017年にはそれら2つのプロジェクトを「BRINGプロジェクト」に統合し、消費者がキープレーヤーとして参加する循環型社会という目標に向けて着々と歩みを重ねていきます。

消費者も参加してリサイクルの輪を広げる

いかがでしょうか?日本環境設計株式会社は、消費者参加の循環型社会を目指して独自のリサイクル技術開発とさまざまなプロジェクトやイベントを実施しています。そして、消費者が参加する循環型社会を実現するためには、なによりも消費者が「おもしろい」「わくわくする」といった楽しさを実感する仕掛けが必要と考えます。創業以来そう考える同社だからこそ、消費者のモチベーションの向上に積極的に取り組んでいるのです。楽しさを実感する―。とても重要なキーワードではないでしょうか。

今回取り上げた賞はこちら

Japan Venture Awards 2017

革新的かつ潜在成長力の高い事業や、地域の活性化に資する事業を行う、志の高いベンチャー企業の経営者を称える表彰制度です。

技術革新や経営革新を行い、社会に影響を与えている中小企業が全国に数多く存在しています。
ミラサポでは、表彰された優良企業をご紹介していますので、みなさまの経営の参考事例としてご覧ください。

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