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アワード受賞企業に学ぼう!リーディング企業ピックアップ Vol.8

第50回(平成28年度)グッドカンパニー大賞グランプリ 受賞

株式会社東研サーモテック

技術革新や経営革新を行い、社会に影響を与えている中小企業として賞を受賞している優良企業の中から、注目企業をピックアップ。 今回は、「グッドカンパニー大賞グランプリ」を受賞した「株式会社東研サーモテック」をご紹介します。熱処理専門の業界では草分け的存在の同社の生産技術や海外展開への取り組みに迫ります。

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株式会社東研サーモテック

  • ■所在地:大阪市東住吉区桑津5-22-3
  • ■資本金:8,800万円
  • ■従業員数:820名

受賞ヒストリー

  • 第50回(平成28年度)グッドカンパニー大賞グランプリ 受賞

企業概要

株式会社東研サーモテックは、工業部品の金属熱処理を専門とする企業です。1927年に熱処理専門企業の草分けとしてスタートし、事業の多角化と新たな技術の開発導入を一貫して進めてきました。海外進出も業界の先鞭をつけ、国内外とも事業を堅調に成長させています。

熱処理業界では草分け的存在

東研サーモテックは、1927年に創業の熱処理専門企業であり、業界でも草分け的な存在です。主な取引先は自動車部品メーカーですが、その他にも建設機械、産業機械、農業機械、家電など主要産業の部品メーカーを顧客としています。
同社のコア事業である機械部品の熱処理とは、「単純に言えば鋼の部品を熱したり冷やしたりすることで目的の硬度と強度にすること」(川嵜隆司社長)です。とは言え、その「熱したり冷やしたり」することはそう単純なことではありません。
優れた熱処理をするためには、ムラのない均等な「加熱」、必要な速度でムラのない「冷却」、熱処理炉内の「雰囲気管理」(加熱時に空気を遮断し、注入した雰囲気ガスを最適に保つこと)といった3つの条件を整えなければならず、また、それを実現する技術が重要です。
ただし、熱処理では炉が数百℃に加熱され、しかも処理中の炉は密閉されて、のぞき窓程度しかないため、センサーによって間接的に状況を把握するしかありません。そのため優れた熱処理をするためには、設備管理技術者の高い技能、知識が必要とされるのです。

熱処理業界では草分け的存在

熱処理技術はノウハウの塊

同社の国内の従業員数は820名ですが、そのうち483名が金属熱処理技能士もしくは金属組織試験技能士の資格を持っています。熱処理には高い技能・知識が必要であることから、同社では多くの技能士を養成しています。それが高い管理技術を支え、優れた品質の製品をつくり続ける原動力となっています。
「熱処理中の炉の温度は800~900℃になり、温度、時間、ガス濃度をセンサーで測りコントロールします。」(川嵜社長)
このセンサーが正しく働いているか、コントロールは適切かなど、設備の診断はノウハウの塊です。
さらに熱処理後の製品は、納品前に全品を検査することは不可能です。なぜなら、検査をするためにはダイヤモンドの圧子を押しつけて、圧痕の大きさによって硬度測定をします。しかし、製品にキズをつけては売り物になりません。製品の一部を抜き取り、サンプルとして検査し、その結果を統計学的に逆算して全製品の品質を確かめています。
「しかし、顧客の信頼を得るために最も必要なのは、日頃の作業の仕方や作業者の高いモラル、教育などを含めた企業文化です。」(川嵜社長)

熱処理技術はノウハウの塊

海外進出は国内にもメリットをもたらす

同社の海外進出は熱処理専業メーカーとして最も早く、まず1995年にタイに生産拠点を設け、次いでマレーシア(1996年)、中国(2010年)、メキシコ(2012年)へ進出し、現在4カ国で現地生産しています。
海外進出のきっかけは取引先の大手クラッチ部品メーカーからの要請でした。それに寄り添う形で進出しましたが、1997年のアジア通貨危機に見舞われてタイとマレーシアの海外子会社は大苦戦。新規の顧客開拓と経費削減を徹底し、日本の本社が好調だったことから持ちこたえることができたといいます。
さらに現地で踏ん張ったことで朗報がもたらされました。通貨危機も癒えたころ、マレーシアの日系大手家電メーカーから部品のコーティング(被膜形成)を受注し、2002年にはタイで日系大手自動車部品メーカーからディーゼルエンジン部品の熱処理とコーティングを一括して受注することができました。
これを機に海外生産は大きく好転し、自動車生産台数が世界最大級の中国、近年自動車メーカーが相次ぎ進出するメキシコにも拠点を拡大しました。
海外生産について川嵜社長は、「海外でのがんばりが国内にも波及する、いわゆる『ブーメラン効果』を実感しています」と話す。例えば、タイで高品質の製品を生産すれば、現地で取引のあった日本企業の担当者から日本での熱処理の相談があり、それにより国内の受注が増えていきます。海外での評価が国内に回帰して受注増をもたらします。そんなブーメラン効果が海外進出のメリットにもなっているのです。

海外進出は国内にもメリットをもたらす

いかがでしょうか?株式会社東研サーモテックは、高い技術力で優れた品質の熱処理部品を主要産業に供給しています。また、熱処理専業メーカーとしていち早く海外へ進出し、現地で評価された生産技術が日本の生産にも好影響をもたらす『ブーメラン効果』も実感しています。厳しい状況でも海外でがんばったことが、国内生産にも大きく寄与。持続することの大切さを教えられますね。

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第50回(平成28年度)グッドカンパニー大賞

全国の中小企業の中から経済的、社会的に優れた成果を挙げている企業を選んで贈られる、わが国で最も歴史と実績のある中小企業のための賞です。

技術革新や経営革新を行い、社会に影響を与えている中小企業が全国に数多く存在しています。
ミラサポでは、表彰された優良企業をご紹介していますので、みなさまの経営の参考事例としてご覧ください。

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