Vol.1

目指すのは"イタリア型"家族経営 江戸切子ブランドを世界へ

東京・亀戸に工房兼ショップを構える「江戸切子の店 華硝」。その斬新で繊細な技は洞爺湖サミットの贈答品に選ばれたほど。
家族を中心に培われる"華硝ブランド"はコラボレーションやスクール経営など新しい取り組みを続け、進化し続ける。

美術・工芸分野のトップブランドへ

華硝が下請けから工場直販に転換したのは、バブル崩壊の頃。以後、顧客の声を直接製品づくりに反映しながら、美術・工芸のトップブランドを目指してきた。現在は贈答品用も多い。「目指すのは『最高級な物をもらった』と喜ばれるものづくりです」と、節子さん。

"イタリア型"家族経営とは?

「家族でものづくりの技術を守り、次世代へ継承する──イタリアのスーパーブランドに見られる同族経営が理想です」と隆行さん。華硝では、家族それぞれが自分の役割を持つ。「夢を語る人・売る人・お金を集める人。うちは役者が揃ってます」と節子さん。

家族だからこその強い絆を生かす

家族経営では言いたい放題になりがち。しかし、その安心感や信頼感は絶対的だ。何かを進める時に、温度差がないのも家族ならではだ。家族のルールは「職場を離れたら仕事の話は一切しない」こと。「実際には仕事の話になりますけどね」と、隆行さんは苦笑する。

父子鷹~それぞれの得意分野で勝負

優れた職人であり、デザインの才能にも秀でた父・隆一さん。三代目の隆行さんは「絶対勝てないし、学び取れることばかり」と謙遜するが、自身は人脈づくりがうまく、有田焼とのコラボレーションやスクール経営など、すでに新しい取り組みを成し遂げている。

挑戦する機会を与えて社員の定着へ

現在社員9名。社員採用では、自ら発信する力やバランス感覚を重視。また、入社後は5年の教育システムを採用し、技術習得の期間を大きく短縮した。「挑戦する機会を常に与え、自分が活躍している実感を得てもらう」ことでモチベーションをアップ。また、忍耐強さと柔軟性を評価し、女性を積極採用。社員の半分が女性だ。

スクール経営で江戸切子の認知度向上

江戸切子は2002年に伝統工芸に指定されたばかりで、認知度は高いといえない。隆行さんは、身近に感じてもらう手段のひとつとして、江戸切子のスクール経営も行っている。現在、スクール出身の社員は1名。「入社後のミスマッチも防げる」と隆行さん。

三代目は語る

「今後の目標は、もう少し規模を大きくし、製造のキャパシティを拡大すること。そして、シンガポールや香港などへの海外展開。美術品として世界を舞台に勝負したいです」

会社DATA

■会社名
/株式会社 江戸切子の店 華硝
(製造:有限会社 熊倉硝子工芸)
■住所
/東京都亀戸3-49-21

会社ホームページ




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