Vol.16 知財活用を促進する、減免制度と海外支援補助金って?

「知的財産(知財)」の概要と活用ポイントを特許庁の担当者へインタビューする、知財シリーズ第4弾。
今回は、特許庁 総務部普及支援課 志小田 貴穂担当に、知財活用を促進するための支援策のうち、中小企業・小規模事業者が使える資金サポートについてうかがいます。

中小企業・小規模事業者に特化した、減免制度

知的財産チラシ

ミラサポ事務局:補助金など、資金に関する支援施策を教えてください。

志小田担当:特許料等の減免制度と海外展開における支援があります。
特許料等の減免制度には、「中小ベンチャー企業、小規模企業」と「研究開発型中小企業」を対象に審査請求料及び特許料の軽減措置があります。平成26年度から、支援対象者の拡充と料金の軽減幅が深掘りされました。
「中小ベンチャー企業、小規模企業」では、従業員数20名以下の小規模企業者などを対象に、国内出願に係る手数料と国際出願の日本国特許庁に支払う手数料が安くなります。国内出願の事業者負担額は、これまでは手数料の1/2でしたが、平成26年4月から1/3まで引き下げました。平成26年4月から平成30年3月までの5年間に、特許の審査請求、もしくは国際出願を行う場合が対象になります。申請の提出書類も簡素化されておりますので、書面、オンラインのいずれかの方法で特許庁にご提出ください。
また、国際出願に関しましては、今年度から新たに導入した、このあとにご紹介します「中小企業外国出願支援事業」も併せてご利用いただくと、より中小企業・小規模事業者の方の費用負担の軽減につながると思います。

特許料等の減免制度の利用状況について、平成26年4月1日から6月19日までの国内出願に係る申請は807件、国際出願に係る申請は150件となりました。減免制度はメリットを感じられている方が多く、申請も増えてきています。

「研究開発型中小企業(試験研究費などの比率が収入金額の3%超、もしくは中小企業新事業活動促進法などに基づく認定事業に関連する出願)」の場合には、審査請求料と特許料(第1年分から第10年分)が1/2に安くなります。
申請書類の提出は2段階となっており、まずお近くの経済産業局等特許室に申請書を書面にてご提出ください。その後必要書類を特許庁に書面、またはオンラインのいずれかの方法でご提出ください。

補助金活用で、事業者の海外展開を後押し

志小田担当

ミラサポ事務局:海外展開における支援策を教えてください。

志小田担当:海外展開における支援策としては、2つの補助金制度があります。
1つ目は、外国出願にかかる費用の一部を助成する「外国出願補助金(中小企業外国出願支援事業)」です。国内出願も費用がかかりますが、海外に出願する場合は、1ヶ国ごとに費用がかかるため、出願国が増えるにつれ費用が嵩みます。少しでも事業者の皆様の費用負担を軽減できるようにとの思いから、「外国出願補助金」では、外国出願費用の半額を1企業あたり300万円(複数案件の場合)を上限として補助します。応募には、日本国内で特許・商標などの出願をしており、補助金採択後に、同内容の出願を外国へ行うことを予定していることが条件となります。
海外では、第三者に先に出願されないようにする冒認商標対策も重要です。特に中国などでは、日本の地名や地域ブランドなどが悪意の第三者によって出願登録される事例が相次いでおり、日本企業の現地でのビジネス展開に支障を来たすリスクが増大しています。当補助金を活用し、先手先手で海外において知的財産権を取得することで、海外展開を進めるにあたってのリスク回避の一助になればと思います。
*案件ごとの上限額は、特許権150万円、 実用新案権・意匠権・商標権60万円、冒認対策商標:30万円

当補助金の支援件数は、平成24年度は191件、平成25年度は、ほぼ倍の381件と伸びており、今年度は更に増えることが予測されます。当補助金は、これまで地域単位での実施となっておりましたが、平成26年度からは従来までの地域単位での実施機関に加えて、新たに「全国実施機関」として独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)も実施機関となりました。地域実施機関である都道府県等中小企業支援センターとジェトロでは公募時期をずらして補助金の申請を受け付けておりますので、事業者の皆様の条件に応じて使い分けていただければと思います。一企業で、同じ案件を重複して申請することはできませんが、異なる案件であれば、中小企業支援センター、ジェトロのどちらにも申請が可能です。

2つ目は、海外における模倣品対策にかかる費用の一部を助成する「海外侵害対策補助金(中小企業海外侵害対策支援事業)」です。海外で取得した特許・商標などの模倣品を発見した場合に、模倣品の製造元や流通経路などの調査費用の2/3を助成します。日本企業の進出が多い中国などは特に模倣品が多いため、模倣品や模倣品業者に対する牽制が必要不可欠です。そうした背景を踏まえ、平成26年度からは、新たに警告文作成費用や中国における行政摘発(行政機関による模倣品押収)の費用も対象経費に加えました。中国は、行政機関による摘発が強い権力を持っているため、模倣品対策に取り組まれる際に、当補助金をご活用いただければと思います。


特許料等の減免制度と海外展開における支援については、「知財総合支援窓口」でもご紹介を行っておりますので、少しでも相談したいと思われた方はぜひ「知財総合支援窓口」をご利用ください。




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