Vol.17  知的財産の価値を正しく評価してもらう新たな取り組み!

「知的財産(知財)」の概要と活用ポイントを特許庁の担当者へインタビューする、知財シリーズ第5弾。
最終回となる今回は、特許庁 総務部普及支援課 家永 紫乃担当と志小田 貴穂担当に、知財活用を促進するための支援策のうち、中小企業・小規模事業者が金融機関と連携して活用できる新たなサポートをうかがいます。

事業者と金融機関のコミュニケーションを強化

志小田担当

ミラサポ事務局:事業者の声からできた新たな支援施策があるそうですね。

志小田担当:中小企業の方からよく聞く声として、開発には資金調達が必要だが、金融機関に技術を評価してもらうことが難しく、特許に関する費用もコストと捉えられてしまい、与信が通らないというものがあります。また、金融機関側も中小企業の技術や製品の価値に対し、適切な評価をすることが難しいためなかなか融資に踏み切れない、という課題をお持ちです。そこで、これらの課題を解決するべく、平成26年6月16日より、新たに「知財活用ビジネス評価支援」と「知的資産経営報告書作成支援」の公募を開始しました。

「知財活用ビジネス評価支援」は、金融機関が特許などの知財を活用している中小企業の事業を適正に評価することを手助けする事業です。
採択後、金融機関が第三者機関の調査会社に、融資を検討している中小企業の技術の価値評価を依頼し、調査会社が「知財ビジネス評価書」を作成します。
「知財ビジネス評価書」を作成することにより、中小企業の技術の第三者評価が明らかになり、金融機関が中小企業の技術の価値を正しく判断し、経営評価をすることが可能になります。こういった取り組みを通して、中小企業への適切な融資を促進できればと思います。「知財ビジネス評価書」の作成にかかる費用は全額特許庁が補助しますので、金融機関、中小企業・小規模事業者の費用負担は発生しません。大分県や兵庫県など一部の金融機関や中小企業支援機関ではこのような取り組みが先駆けて行われており、融資につながる事例も出ているようです。

もう一方の「知的資産経営報告書作成支援」は、特許や技術、ノウハウなど財務諸表には見えにくい自社の強み(知的資産)を明らかにする報告書です。
採択後、金融機関を通して、融資を検討する中小企業に対し、「知的資産経営報告書」の作成を支援する専門家の派遣を行います。専門家派遣にかかる費用は無料ですので、こちらも金融機関、中小企業・小規模事業者の費用負担は発生しません。
「知的資産経営報告書」の作成は、金融機関にとっては地域密着型融資(リレーションシップバンキング)を実施するツールとして事業者のことを理解できるというメリットがあり、中小企業にとっても自社の強みを再発見し、事業改善を進めるきっかけにもなります。このように、金融機関・中小企業双方のコミュニケーションの拡大につながると期待を寄せています。

いずれの公募も年2回行い、二次公募は9月に1ヶ月程度を予定しています。特許庁のホームページ、知財ポータルでもお知らせしますので、まずはホームページをご覧ください。

家永担当・志小田担当:5回に渡りお届けした知財特集は、いかがでしたでしょうか。まだまだ経営に取り入れられていないことが多い知財。今後、中小企業・小規模事業者の皆様が知財を身近な経営ツールとして意識され、活用いただくシーンが増えると良いなと思います。




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