Vol.20  やりたいことが明確に!足りないスキルに気付けるベーシックコース

地域で創業を目指す方を対象に、創業に必要な財務・税務などの基本的知識の習得や、創業に向けたビジネスプランの作成をサポートする「創業スクール」が、2014年8月から全国各地で開講されています。
創業希望者のニーズにあわせ、【1】ベーシックコース、【2】第二創業・再チャレンジコース、【3】女性起業家コースが設定され、カリキュラムもコースの特徴や実施機関の強みを活かした内容が用意されています。
今回は愛知県一宮市の『一宮商工会議所』で開催した「創業スクール ベーシックコース」での受講者の声、一宮商工会議所の取組みや今後の課題についてご紹介します。(2014年11月20日時点)

受講者インタビュー:初めての受講でも安心!

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ミラサポ事務局:今回「一宮創業スクール ベーシックコース」へ参加されたきっかけをお聞かせください。

Aさん(40代男性):以前に一度、創業セミナーに参加したことがありますが、創業に関する基礎知識をきちんと身に付けたいと思っていました。ふと日経新聞の広告で当スクールを知り、インターネットで検索しました。住まいと職場が一宮だったことも、当スクールでの受講の決め手になったと思います。

Bさん(40代男性):創業に関するセミナーなどの受講は初めてです。知人から、一宮の創業関連セミナーを薦められ、インターネット検索で当スクールに辿り着きました。後日、別の創業セミナーを紹介されたことが分かりましたが、きっかけとしては良かったと思います。また、家庭があるため平日開催も条件に合っていました。

Cさん(40代女性):若い頃から漠然と教育・福祉分野で事業を立ち上げたいと思っていましたが、創業に関する知識がありませんでした。なかなかきっかけが無かったのですが、中日新聞で当スクールの記事を見て、興味を持ちました。創業スクールの受講経験がなく不安もありましたが、商工会議所主催だったため安心して受講を決められました。

ミラサポ事務局:本日は全12回のうち10回目となりますが、当スクールにどんな感想をお持ちですか。

Aさん:ファブレスメーカー(工場を持たずに製造販売)事業をしたいと思っていますが、これまでぼんやりしていた事業像が、スクールを通して紙に書くことで形になってきて良かったです。創業スクールのみでなく、『一宮商工会議所 ビジネス支援センター』の窓口でも相談しており、さまざまな方にビジネスプランを見ていただき、身になっています。他の受講者から、自分とは違う色々な業種の話を聞けたことも、良い刺激です。ただ、受講者同士の横のつながりは弱いため、一人一人と交流する時間がもっとあると嬉しいです。
創業スクール後に活動が止まらないように、受講中に具体的な創業時期を決めておかないといけないと思っています。

Bさん:経営、人事、会計など、トータルで創業の知識を学べて良いと思います。創業がはっきりと見えてきました。
一宮ではスクール最終日に懇親会が予定されていますが、最初に懇親会があっても良いと思います。創業して士業を事業にしようと考えているため、創業後の人脈づくりという点でも受講者とのつながりは今後も持ちたいです。

Cさん:1つ1つ自分に必要なものが分かってきました。これから、利益をつくり出すところを考えていきたいと思っています。
最初にワークショップがあったため、何人かの方とは打ち解けられ、挨拶できるようになりました。12回の講義は長く毎回通うのは大変ですが、創業のハードルとしてこの長さに耐えなくてはいけないかなと思っています。

実施機関インタビュー:創業希望者が参加しやすい「創業スクール」が必要

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ミラサポ事務局:まず、今回「創業スクール」の実施機関になられた目的をお聞かせください。

一宮商工会議所 中小企業相談所リーダー/ビジネス支援センター長/主席経営指導員 馬場 宏氏:2年前、尾張一宮駅前ビル(i-ビル)がオープンした際、一宮商工会議所が、創業支援を行うための『一宮商工会議所 ビジネス支援センター』を設置しました。そこでは、4名のスタッフ(職員2名、中小企業診断士1名、金融機関からの出向者1名)が創業支援窓口を運営しています。窓口の広報に力を入れていましたが、「創業に関する悩みはあるが、どこへ行ったらよいか分からない」という声を耳にすることがあり、より創業希望者が参加しやすい、創業知識を学べる場(学校)を提供する必要性を感じました。単発で創業塾を開講していましたが、予算の関係から連続しての運営は困難な状況でした。
そうした中「産業競争力強化法」が成立した流れもあり、いち早く「創業スクール」実施機関として手を挙げることを決めました。2014年6月下旬には、一宮市、いちい信用金庫、尾西信用金庫と当機関連携の下、「創業支援事業計画」を作成し、国から計画の認定も受けています。現在はその計画に基づき、①ビジネス支援センターでのワンストップ相談窓口と、②「創業スクール」運営、の2本立てで創業支援を行っています。

一宮商工会議所ビジネス支援センター 経営指導員(創業スクール講師兼任) 杉本 隆次氏:一宮市は、事業者数が減少しており、ベッドタウン化が進んでいます。創業スクールを運営することで、事業者の増加につなげたい思いもあり、「創業スクール」実施への参加を決めたところもあります。

中小企業診断士(創業スクール講師兼任) 東野 礼氏:一宮市から創業者を多く輩出することで、一宮地域の活性化にもつながればよいと思います。


ミラサポ事務局:運営されてみての感想、ご苦労などをお聞かせください。

馬場 宏氏:実施前は「何をやりたいか分からないが創業したい」といった漠然とした思いで受講される方が多く集まるのではないかと心配していました。でも、実際は受講者の約8割がやりたいことが見えており、創業を具体的に考えていたため、驚きました。当スクールの受講者は、30代~50代が多く、男女比は半々です。中には20代の方もいらっしゃいます。サービス・小売での創業を目指される方がほとんどです。受講者が集まるか不安もありましたが、多くの方にご参加いただき良かったと思います。

杉本 隆次氏:カリキュラムは創業に関する基礎的な内容を盛り込むよう、東野と試行錯誤しながら決めました。ただ、中には受講者から既に知っている内容なので自分には不要と言われてしまうものもあり、想定外のことも多いです。毎回受講後に取っているアンケートでも辛口のご意見をいただくこともあり、その反省をできるだけ次の授業に活かし、受講者の満足度を向上できるよう心がけています。
講義では、事例を交えての説明を盛り込んでおり、参考になるとの声が多いようです。

東野 礼氏:想像した以上に受講される方が多く、嬉しく思っています。創業で失敗する確率を少しでも低くしたいという想いも込め、講師役を務めています。
できるだけ受講者の不安を取り除けるよう、別の講師の回にもスクールに顔を出すようにしていますが、「創業で困ったらアイツに聞けばいい」と気軽に相談いただける関係を築くのはなかなか難しく、今後の課題です。

スクール終了後も、継続した創業サポートを!

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(左から馬場 宏氏、東野 礼氏、杉本 隆次氏)

ミラサポ事務局:スクール終了後、受講者へのサポートはどのようにお考えですか。

東野 礼氏:私は専門家ですので、スクールを卒業された方々が創業され、経営者となって経営の話ができるようになると嬉しいなと思います。

杉本 隆次氏:スクール終了後も受講者とのコミュニケーションが続くようにしたいですね。受講者の中には有志で名簿を作られている方もいらっしゃるようです。フォローアップセミナーやビジネス支援センターでの相談支援など、何らかの形で引き続き、創業サポートを行いたいと思っています。

馬場 宏氏:ビジネス支援センターでは、事業を経営している方への経営支援も行っています。そちらの支援の幅は今より更に広がります。受講者の方が創業まで、そして創業後も経営のお悩みを当センターにご相談くださればと思います。一宮商工会議所が開催しているイベント・商談会や、会員事業者同士の交流会にも参加できますので、長くお付き合いができることを願っています。




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