Vol.22  受講者が互いにアドバイス!情報・意見交換が盛んな女性起業家コース

地域で創業を目指す方を対象に、創業に必要な財務・税務などの基本的知識の習得や、創業に向けたビジネスプランの作成をサポートする「創業スクール」が、2014年8月から全国各地で開講されています。
創業希望者のニーズにあわせ、【1】ベーシックコース、【2】第二創業・再チャレンジコース、【3】女性起業家コースが設定され、カリキュラムもコースの特徴や実施機関の強みを活かした内容が用意されています。
今回は東京都の『一般社団法人せたがや中小企業経営支援センター』で開催していた「創業スクール 女性起業家コース」での受講者の声、一般社団法人せたがや中小企業経営支援センターの取組みや今後の課題についてご紹介します。(2014年11月24日時点)

受講者インタビュー:夢の実現へ向け、同志との出会い

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(左から村上さん、飯出さん、福田さん)

ミラサポ事務局:今回せたがや創業スクール 女性起業家コースへ参加されたきっかけをお聞かせください。

福田さん:知り合いの中小企業診断士さんからせたがや創業スクールの紹介を受けました。昨年、短期2日間の創業セミナーに参加しましたが、まだ起業に向けてわからないことが多く、さらに学べれば良いと多い、今回参加しました。
この創業スクールは7日間と比較的長く、内容も充実していたので、参加してよかったです。

飯出さん:夫から紹介されて、今回参加しました。夫は仕事でベンチャー支援を行っていることもあり、このスクールを知ったようです。

村上さん:出産を機に家庭に入り、家庭のことと地域活動しか行っていなかったのですが、カウンセリングの先生から自分でも自宅で教室を行ってみないかと勧められて、起業を考え始めました。しかし、収支、税金、会社をおこすメリット・デメリット、何もわからないので、取っ掛かりとして当スクールは適切と思い参加を決めました。
また、受講料がリーズナブルで、土曜日集中の7日間なら、育児・介護をしながらでも続けられそうな気がしたのも、参加を決めた理由です。

ミラサポ事務局:本日7日間のスクール最終日を迎え、いかがですか。

村上さん:カリキュラムは毎回テーマがあり、講義の後にディスカッションを行ったのですが、そのディスカッションを通じてともに創業を目指す方々と知り合えたことが良かったです。また、みなさんの話を聞くことも新鮮でした。これまで知りえなかったこと、多くの気付きを得ることが出来ました。これは、いろいろな方が参加するスクールならではだと思います。
ただ、毎回同じような席に座ってしまうので、話をする人が偏ってしまったのは残念でした。毎回違う方々とディスカッションできる環境があれば、さらに良かったと思います。

飯出さん:このスクールに参加する中で、一緒に事業を行うパートナーを得られた方もいました。同じ方向に向かう仲間に出会えたことは、とても良かったです。
参加者を女性に絞っているからこそ、参加者同士がビジネスプランに対してアドバイス含め、意見交換がしやすい環境だったと思います。
受講者同士のアドバイス、意見交換が盛んだったからかもしれませんが、講師の方からも課題へのフィードバックやアドバイスをもっといただきたかったなと、感じています。

福田さん:創業は孤独なのです。友達に聞くものでもないですし。
創業スクールに通うみんなは夢を実現するために、同じように頑張っている同志です。さらによいビジネスプランになるよう意見を交わし、協力して実現するように前に向かえたことは、参加した大きなメリットでありました。

実施機関インタビュー:創業スクールで起業・創業のムーブメントづくり

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(左から女性起業家コース長の溝口氏、校長の三田氏、女性起業家コース担当の谷氏、創業スクール事務局長の吉村氏)

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ミラサポ事務局:まず、今回「創業スクール」の実施機関になられた目的をお聞かせください。

一般社団法人せたがや中小企業経営支援センター副会長 / せたがや創業スクール校長 三田 和一氏:一般社団法人せたがや中小企業経営支援センターは、世田谷区に貢献したいと考える中小企業診断士92名で構成する団体で、2年前に法人化しました。
昨年までの5年間、私自身は世田谷区の創業塾で講師をしていたのですが、今回所属する世田谷信用金庫および昭和信用金庫の地域プラットフォーム代表機関から本事業の紹介を受け、せたがや中小企業経営支援センターとして当スクールの実施機関に応募し、採択され実施の運びとなりました。

同センター事業企画部長 吉村 信行氏:当スクールの女性起業家コース長 溝口 晃子講師、そして谷 きよみ講師は、世田谷区の創業相談員として活動しています。また、中小企業の支援にはいくつか分野がありますが、この団体を法人化させるときに創業支援を行うことをテーマの一つに掲げましたので、本事業へ応募することは、自然の成り行きです。
今回は、せたがや中小企業経営支援センターに所属する20名の中小企業診断士が当スクールの運営に関わっているのですが、所属する中小企業診断士たちは世田谷区内の創業者を増やしたいとの強い思いがあります。
個別で相談に応じることも大切ですが、起業・創業のムーブメント作りにはこういった集合型の講習会がよいと考えています。
世田谷では、世田谷区や商工会議所などがさまざまな創業支援を行っており、この創業スクールのみならず、地域の創業機運が高まればよいと思っています。

ミラサポ事務局:運営において苦労されたことはありますか。

吉村 信行氏:昨年「経営革新等支援機関」の認定を受けました。さらに、世田谷信用金庫および昭和信用金庫の地域プラットフォームの構成機関にもなり、世田谷区をはじめとする地域の関係機関とも連携を図っています。
当スクールの実施においては区の施策として「地域での創業を支援する」ことが強調されていましたので、地域で中小企業・小規模事業者を支援している昭和信用金庫、世田谷信用金庫に協賛いただき、世田谷区や公益財団法人世田谷区産業振興公社、東京商工会議所世田谷支部、世田谷区商店街連合会、世田谷工業振興協会に後援いただきました。

せたがや中小企業経営支援センターはまだ認知度が低い団体でPR力も足りないため、受講生が集まるか心配していたのですが、協賛・後援企業・団体から告知していただいたこと、せたがや中小企業経営支援センターに所属する会員が区の広報版にビラを貼って歩き、告知活動を行ったこと、また、リスティング広告を行ったこともあり、参加者は当初心配していたよりも集まりました。

互いにアドバイスを 女性起業家コースの特徴

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ミラサポ事務局:「せたがや中小企業経営支援センターでは、3コース全て実施されていますが、女性起業家コースの特徴を教えてください。

三田 和一氏:女性起業家コースがあるからなのですが、ベーシックコースの参加者は男性がほとんどで、女性は3名のみでした。このコースの受講者はビジネスプランがすでに具体化されたものが多く、現在行っているビジネスの延長線上で起業することを検討されている方が多かったです。仕事で見聞きしたことを基にしているので、すでに事業がはっきりとしていました。

それと比較し女性起業家コースは、自身の経験に基づき、生活の中からニーズを見出し、生活の質を高めるためのビジネスプランが多く、起業へ向けてのステップとしては、半数程度の方がまだアイディアが漠然とした状況で参加されています。
また、育児・介護を抱えながらの方も多くいらっしゃいます。

吉村 信行氏:これからのビジネスはGDPだけで測るのではなく、生活の満足度がどう上がるかが重要だと思っています。今回の創業スクールを通じて生活ニーズをとらえる女性の視点はとても重要だと感じました。
また、女性はコミュニケーション能力が高く、仲間を求め、活用する傾向が非常に強いです。ディスカッションの時間には受講者がお互いにユーザー視点に立ち情報交換、アドバイスをし合っていたのですが、これも女性起業家コースの特徴だと思います。統計データなどがないビジネスアイディアを、ターゲットである女性の感覚でアドバイスしあう環境が提供できたことは、女性起業家コースを実施して良かったことです。

三田 和一氏:コミュニティビジネスのプランが多かったことも、世田谷の地域の特徴かもしれません。世田谷区は住民が90万人に迫っている地域です。住民が多い分、生活密着サービスは可能性を感じます。さらに、今回この地域に暮らす受講者が集まっていますので、お互いにアドバイスを行う環境が生まれたのだと思います。

ミラサポ事務局:今後の課題をお聞かせください。

三田 和一氏:どのようにこのつながりを、組織化するかが今後の課題と考えています。 メールなどインターネットを介し情報交換はできますが、半年に1度でもリアルに情報交換が行える場を提供できれば良いと考えています。
運営資金の問題もあるので、区の集会室を借り情報交換会を開催するなど、やり方を検討していきたいと思います。
団体としては創業のみならず、様々なフェースで中小企業を支援しています。このスクール終了後も、受講者たちとの関係性を続行し、起業家として支援していきたいと考えています。




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