Vol.5 コミュニティを活用してビジネス創造しませんか? コミュニティからリアルな繋がりを実現した事例をご紹介

「経営者保証に関するガイドライン研究会」の座長を務められた小林信明弁護士に、「経営者保証に関するガイドライン」の具体的な適用シーンやポイントなどをうかがいました。

ガイドラインの適用は

Q ミラサポが築き上げる、会員同士の新たな絆!~ミラサポコミュニティで生まれたビジネス創造事例集~

ミラサポ事務局:今回適用が始まった「経営者保証に関するガイドライン」(以下、「ガイドライン」)の背景について教えてください。

小林弁護士:今までは、中小企業・小規模事業者に対する融資の保全のほか、経営規律(ガバナンス)を、経営者保証によって担保していた面がありました。株主総会のような外部からチェックされる機会が少ない中小企業・小規模事業者に対して、融資の安全性を確保するためという側面があったのかと思います。今回、ガイドラインを設けたことにより、過度な経営者保証の負担を抑え、かつ経営の健全化を促す、というのが目標のひとつです。

ミラサポ事務局:ガイドラインの概要について教えてください。

小林弁護士:ガイドラインは、大きく分けて、"保証契約する時"と"債務整理をする時"の2つのタイミングで適用されるのがポイントです。保証契約時については、経営者保証への過度な依存を避けて融資を受けられるようにした点が、従来とは大きく異なります。また、契約後でも、経営が改善されれば、保証の見直しがなされることもあり得ます。

中小企業・小規模事業者の融資の選択肢が広がるガイドライン

Q ミラサポが築き上げる、会員同士の新たな絆!~ミラサポコミュニティで生まれたビジネス創造事例集~

ミラサポ事務局:経営者にとっては、融資の際にこのガイドラインによって保証を提供しなくともよいケースがあるということですね。

小林弁護士:融資を受ける際、このガイドラインによって、保証を提供しないことが検討されるためには、①法人と経営者との関係の明確な区分・分離、②財務基盤の強化、③財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示等による経営の透明性確保、がなされた経営状況を実現していることが求められます。したがって、事業者によっては従来通りの経営者保証が必要になるケースもあります。一方、経営内容が安定している事業者にとって、経営者保証が不要になる可能性がある点で、選択肢が増えたといえるでしょう。

ガイドラインの適用は

Q ミラサポが築き上げる、会員同士の新たな絆!~ミラサポコミュニティで生まれたビジネス創造事例集~

小林弁護士:また、経営者保証が残っている場合の債務整理については、多くの中小企業・小規模事業者の保証人がガイドラインによる債務整理ができる可能性があります。法人が債務整理をする際は、経営者の個人資産を上回る巨額な保証債務が発生してしまうことが多いのですが、ガイドラインの適用によって、経営者の個人資産を一定額残し得るとともに、官報への掲載や信用情報機関への登録がなされない可能性がある点も、従来とは大きく異なります。

ミラサポ事務局:具体的には、どのようなメリットがあるのでしょうか。

小林弁護士:「破産」という法的整理を行う場合は、経営者の手元に残せる現金が99万円以下ですが、所定の要件を充足することにより、ガイドラインを適用した私的債務整理を行う場合には、現金99万円のほかに、一定期間の生計費に相当する現預金や、華美でない自宅を残すことが認められます。
今までであれば、経営状態が悪化しても、経営者にとっては、法人の整理時の保証債務の負担を考えると、なかなか法人の整理に踏み切れない、という状況があったかと思います。今回ガイドラインの適用が開始されたことにより、経営を続けることが難しくなった経営者が、早期に法人の整理に着手しやすくなった点が、従来とは大きく異なるポイントと言えるでしょう。

中小企業・小規模事業者の融資の選択肢が広がるガイドライン

Q ミラサポが築き上げる、会員同士の新たな絆!~ミラサポコミュニティで生まれたビジネス創造事例集~

ミラサポ事務局:経営者にとっては、早期の債務整理に踏みきりやすくなったということですね。

小林弁護士:ガイドラインを適用した私的債務整理が行われれば、経営者の手元に一定額の現金や生計費が残されたり、住居も保証される可能性があります。また、官報への掲載や信用情報機関への登録がなされないという点もありますので、第二創業や事業承継をしやすい環境にもなるのではないでしょうか。金融機関などの債権者にとっても、早期の法人の整理着手により、弁済額の点で経済合理性が認められるうえ、企業の新陳代謝が促されれば、新たな融資の機会にも恵まれることも期待できるため、メリットがあります。こういった好循環が生まれれば、社会全体の活性化にもつながるのではないかと思います。借り手にとっても貸し手にとっても、ガイドラインの適用により業務環境が改善するのではないでしょうか。

ミラサポ事務局:債務整理の際には、ガイドラインの利用が望ましいですね。本日はありがとうございました。

【経営者保証に関するご相談のお問い合わせ先】

中小企業基盤整備機構 地域本部等

  • 北海道 011-210-7471
  • 東北 022-716-1751
  • 関東 03-5470-1620
  • 中部 052-220-0516
  • 北陸 076-223-5546
  • 近畿 06-6264-8611
  • 中国 082-502-6555
  • 四国 087-811-1752
  • 九州 092-263-0300
  • 沖縄 098-859-7566
  • 日本政策金融公庫 0120-154-505
  • 沖縄振興開発金融公庫 098-941-1795

今回インタビューした「経営者保証に関するガイドライン」の詳細は、下記からご覧いただけます。




すべての特集を見る