キャッシュレス決済のポイント還元が2019年10月スタート!お得にお買いものをしてもらうため、店舗は何から始めればいい?

2019年10月1日の消費税率引上げと同時に、キャッシュレスで支払をした消費者に対してポイントを還元する「キャッシュレス・消費者還元事業」がスタートします。対象となるキャッシュレス決済手段は、クレジットカードやデビットカード、電子マネー、QRコード決済など、商品の購買の際に現金を使用せず、電子的にくり返し利用できる決済手段となります。
本制度の概要や中小企業・小規模事業者のみなさまが取り組むメリット、申請の流れなどについて、経済産業省 商務・サービスグループ キャッシュレス推進室 坂本弘美室長補佐、黒木麻里さんにお話をお伺いしました。
※本記事は、2019年6月17日時点の取材をもとに執筆・掲載しています。

店舗には導入補助、消費者にはポイント還元でいつでもどこでもキャッシュレス決済できる街へ!

ミラサポ事務局:「キャッシュレス・消費者還元事業」の概要を教えてください。

キャッシュレス推進室:2019年10月1日から翌年6月30日までの期間実施される「キャッシュレス・消費者還元事業」は、対象店舗でキャッシュレス決済をした消費者に対してポイント還元を行うこと、また対象店舗に対してはキャッシュレス決済を導入するために必要な環境づくりを支援すること、この二つを柱とした制度です。

この制度を実施する背景としては、まず2019年10月に予定されている消費税率の引上げがあります。消費税率の引上げによる需要の落ち込みを抑えるため、消費者に対するポイント還元を実施することで消費税引上げ前と変わらず買い物をしてもらいたいという狙いがあります。大手企業はセールを実施するなどの対応ができますが、中小企業・小規模事業者のみなさまは経営資源に限りもある中、大手企業と同じようにセールなどをすることが難しい場合があります。そこで、キャッシュレスで支払をした消費者に対してポイントを還元し、中小企業・小規模事業者の店舗における消費を喚起していきたいと考えています。

また、日本は、諸外国と比べて、キャッシュレス決済の導入が遅れているという課題もあります。その課題を解決するため、本制度の実施によってキャッシュレス決済ができる店舗数を増やし、消費者のみなさんが気軽にキャッシュレス決済を使える環境を広げていこうという目的もあります。

今なら少ない負担でキャッシュレス決済を導入!集客アップに加え、業務効率化にも。

ミラサポ事務局:中小企業・小規模事業者のみなさまが「キャッシュレス・消費者還元事業」に参加するメリットを具体的に教えてください。

キャッシュレス推進室:本制度は中小企業・小規模事業者のみなさまがキャッシュレス決済を導入し、そのメリットを実感しやすいよう、さまざまな支援を行います。キャッシュレスの端末導入にかかる費用や手数料のサポートを行うことで、集客向上や業務効率アップが期待できるなどのメリットがあります。

端末導入の負担金ゼロ、手数料軽減などのサポートで、お試し導入がしやすい

キャッシュレス

2制度の違いと使い分けについての資料
(クリックするとPDFが開きます)

まずは、キャッシュレス決済のための端末導入費用や決済手数料の負担が少なくて済むため、試しにキャッシュレス決済を導入してみようと考える方もスタートしやすいという点が挙げられます。
日本にキャッシュレス決済が普及してこなかった理由のひとつとして、中小企業・小規模事業者が決済事業者に支払う手数料が高いことが挙げられますが、本制度に参加する決済事業者の手数料は3.25%以下に設定されます。さらに2020年6月30日までは、その手数料の1/3を国が補助するため、実質2.17%以下で利用することができることが大きなメリットです。

そして、通常では数千円から十数万円かかるキャッシュレス決済に必要な端末の導入負担がゼロになるのも利点です。
キャッシュレス端末の導入支援については、本制度だけでなく「軽減税率対策補助金」を利用することもできます。自社で扱う商品や目的を踏まえ、適した制度をご利用ください。

ポイント還元を利用したい消費者が集まり、集客アップ!

二つ目は、本制度実施期間中は、キャッシュレス決済を利用した消費者に対して5%もしくは2%のポイント還元を行うため、新たにキャッシュレス決済を使ってみようと考える消費者も増え、ポイント還元が受けられる店舗への集客も期待できます。現金をあまり所持しない外国人観光客に対しても、大きなアピールとなるでしょう。

加えて消費者の購買行動がデータとして管理されることで、いつ何が売れたか、どんな人が購入したかなどの情報を、マーケティングに活用しやすくなるという利点もあります。

売上金のデータ管理で、現金確認時間が減って業務も効率化

さらに、キャッシュレス決済を導入することによって、業務の効率化が図れるというメリットもあります。レジ現金残高の確認にレジ1台・1日あたり平均25分の時間がかかるという調査もありますが、電子的データで売上を管理できるようになることで、手間や時間がかかっていた日々のレジ締めなどの業務を効率良くスムーズに進められます。
(出典:キャッシュレス・ビジョン

ミラサポ事務局:本制度が実施されることで、他にはどのような変化があるのでしょうか。

キャッシュレス推進室:本制度によってキャッシュレス決済が浸透していくことは、消費者や決済事業者にも利点があります。

消費者からみた「キャッシュレス・消費者還元事業」

まず消費者は、対象店舗でキャッシュレス決済を使って商品の購入をすると5%(フランチャイズ等の場合は2%)のポイント還元が受けられます。
本制度の実施によって、これまでよりもキャッシュレス決済ができる店舗が増え、お得なポイント還元を実感できる機会も多くなるので、ぜひキャッシュレス決済を使っていただきたいですね。一度使ってみると大変便利だということも実感していただけるはずです。
キャッシュレス決済を利用すれば、カードやスマートフォンだけで簡単に決済ができるようになるので、お買い物の際に小銭を持ち歩く必要がなくなり、お会計の際もスマートです。

また、購入履歴がデータとして記録されるので、スマートフォンのアプリケーションなどと連携して自動的に家計簿として記録することも可能になります。カードを使う決済というと、お金を使っている実感がなくて無駄遣いをしてしまうと考える方もいらっしゃいますが、記録データの活用によってその不安も解消されるのではないでしょうか。前払い制の電子マネーなら、事前に入金額を決めてチャージをするので使いすぎを予防できます。
カードの紛失を心配される方も多いですが、現金とは違って紛失や盗難の際には利用停止の措置ができ、補償もあるので実はリスクが少ないということもキャッシュレス決済の強みです。

本制度によって消費者にポイントを還元するにあたっては、原則、各決済事業者が既に採用しているポイント制度を活用していくこととしています。そのため自動でポイントが付与されるものもあれば、消費者自身がポイント制度を受けられるように事前登録が求められる場合もありますので、事前にご利用各社のサービス内容をご確認ください。

決済事業者からみた「キャッシュレス・消費者還元事業」

キャッシュレス決済手段の提供を行う決済事業者は、中小企業・小規模事業者に対して決済手数料を3.25%以下に設定すること、決済端末の費用を1/3負担すること(残りの2/3を国が負担することで、中小企業・小規模事業者の負担はゼロになります)、不正取引防止を適切に行うことなどが求められます。
決済事業者にとっては負担が大きい制度のように思われるかもしれませんが、本制度が実施されることで、これまであまりキャッシュレス決済を利用していなかった中小企業・小規模事業者の新規掘り起こしのチャンスにもなります。また、今回の制度により多くの消費者にキャッシュレスが浸透することで、期間終了後も含め、決済事業者のビジネスチャンスは拡大することが見込まれます。

事業内容や客層を考えてベストな決済手段や決済事業者を選択し、7月末まで加盟店登録を!

ミラサポ事務局:中小企業・小規模事業者のみなさまが本制度に参加するには、何をいつまでに行えばよいのでしょうか。

キャッシュレス推進室:本制度に参加するためには、いくつか確認、手続きをしていただく必要があります。10月1日の制度開始が近づくと申込みが急増することが想定されるため、制度への参加を決めていらっしゃる中小企業・小規模事業者のみなさまは、可能な限り早め、7月中には、これからお伝えする作業を進めていただければと思います。

① 自分の店舗が本制度の対象に当てはまるかをチェック

ご自身の店舗が本制度の対象となる中小企業・小規模事業者であるかを確認する必要があります。業種ごとに定められた資本金の額や従業員数などの要件がありますので、補助対象となる中小企業・小規模事業者の概要から確認を行ってください。
本制度は新規にキャッシュレス決済を導入する店舗だけでなく、既に利用している店舗も登録が可能です(導入済みの端末に対する補助はありません)。

② 利用したいサービスを提供している決済事業者を確認

利用中、もしくは利用を考えている決済事業者が本制度に登録されているかは、「キャッシュレス・消費者還元事業」のホームページでチェックしてください。

③ 決済事業者へ「加盟店ID」を申請

「加盟店ID」とは本制度の登録時に割り当てられる13桁の番号です。これは店舗それぞれに割り当てられますので、複数の支店を持つ中小企業・小規模事業者のみなさまは、店舗それぞれで「加盟店ID」を発行申請する必要があります。
「加盟店ID」の申請には、開業届等の営業の実態を確認できる書面の提出などが必要となります。必要な書類を用意し、契約を希望する決済事業者に問い合わせをし、「加盟店ID」の発行を依頼しましょう。
複数社と契約される場合は、いずれか1社へ依頼してください。ひとつの加盟店IDで複数の端末や決済事業者と契約が可能です。
その後、本制度事務局の登録審査を経て「加盟店ID」が発行され、本制度の加盟店として登録が完了となります。

▶補助対象となる中小企業・小規模事業者の概要はこちら

▶キャッシュレス・消費者還元事業に登録されたキャッシュレス決済事業者の検索はこちら

登録までのステップ

加盟店登録までのステップの図

ミラサポ事務局:導入するキャッシュレス決済手段や決済事業者は、どのような視点で選べばよいのでしょうか。

キャッシュレス推進室:この業種ならこの決済手段というように必ずしも決まってくるものではありませんが、今回の決済手段は大きく分けて、後払いのクレジットカード、前払いの電子マネー、即時支払となるデビットカード、QRコード決済があります。一般的に、単価が高いものはクレジッドカードが使いやすかったり、高齢の消費者には交通系ICカードなどの電子マネーが既に身近な存在となっていたりと、それぞれに強みがあります。
ご自身の店舗の客層や立地などから、どの決済手段を取り入れるか、複数の手段を導入するかなどをよく検討してください。

※対象決済手段の特徴の図※(加盟店説明会資料P3より抜粋。)

対象決済手段の特徴の図(加盟店説明会資料P3より抜粋。)

決済事業者は、ひとつの決済手段のみを扱っている場合もあれば、たくさんの決済手段に対応している場合もあります。事業者ごとで手数料や入金サイクル、使用できる端末の種類などが異なりますので、「キャッシュレス・消費者還元事業」のホームページでそれぞれの条件を確認し、ご自身に合った決済事業者を選んでください。中小企業・小規模事業者のみなさま自らが比較検討し、選択するというプロセスも、本制度では重視しています。

決済事業者の選択にあたっては、本制度の実施期間を終えてからのことも視野に入れ、長期的な視点で検討を行うことが重要になるかと思います。

既にキャッシュレス決済を実施している中小企業・小規模事業者のみなさまへ

現在契約をしている決済事業者の方から、本制度に関する案内が行われるのを待っている方もいらっしゃるかもしれませんが、先ほども申し上げましたように、制度の開始が近づくと申込みが急増することが想定されるため、早めに決済事業者へお問い合わせください。また、今の決済手段から本制度の対象となる決済手段へ切り替えたり、新しく追加でキャッシュレス決済手段を導入したりすることも可能です。
本制度の加盟店とならなければ、店舗を訪れる消費者のみなさんへのポイント還元は実施できませんのでご注意ください。しっかりご自身の状況を確認し、決済事業者とともに今後のプランを相談するなど、この機会を逃さないようにしていただきたいと思います。

ミラサポ事務局:消費者のみなさんには、本制度に参加している加盟店をどのようにして周知するのでしょうか。

キャッシュレス推進室:本制度によってポイント還元を受けられる店舗であるかどうか、消費者に対してわかりやすく伝えるために、本制度統一のロゴマークを使ったポスターを店頭に掲示するほか、地図上での本制度加盟店の表示なども計画中です。
また商店街全体でキャッシュレス決済の導入に取り組む地域もあります。消費者に対し、本制度に登録している店舗であることをわかりやすく伝えていくことで、集客アップも期待できると考えています。

ミラサポ事務局:加盟店登録し、本制度に参加することで考えられる注意点はありますか。

キャッシュレス推進室:本制度実施期間終了後、決済手数料が上がることを心配されている方もいらっしゃるかもしれませんが、決済事業者には制度終了後の手数料の扱いなども開示することを求めており、制度が終了した後に、制度実施中の手数料率を継続するのかしないのかなどが、既に開示されています。さまざまな事業者がサービスを提供しており、手数料0%で実施しているものもあります。
また、消費者に対して還元されるポイントは、決済事業者と本制度を実施している国が負担をし、既存の決済手段のインフラを使います。そのため中小企業・小規模事業者のみなさまが、自ら商品の価格調整を行う必要はありません。

先ほど申し上げたように、キャッシュレス決済の導入は、店舗にとって業務の効率化などのたくさんのメリットがあります。同じ準備をするのであれば、補助のある本制度の期間中に取り組んでみてはいかがでしょうか。決済端末の設置や使い方については、決済事業者によってサポートを実施するところもありますので、サポート内容も決済事業者を検討する材料としてください。

ミラサポ事務局:本制度に関する問い合わせ窓口はありますか?

キャッシュレス推進室:全国の本事業への参加を検討している中小企業・小規模事業者のみなさまに向けて、説明会を実施しておりますので、ぜひご参加ください。本事業の目的や加盟店登録までのステップなど、具体的にお話いたします。
▶説明会の詳細はこちらから

加盟店登録に関するご相談は、契約を検討している決済事業者へ直接ご連絡をお願いします。
▶お問い合わせ先はこちらから

その他の「キャッシュレス・消費者還元事業」制度そのものに対するお問い合わせは「ポイント還元問い合わせ窓口(0570-000655)」までご連絡ください。 また、今後は店頭で本制度についてお客さまから質問を受けることもあるかと思います。その場合にも対応できるよう、消費者向けの問い合わせ先も今後設置する予定です。
▶「キャッシュレス・消費者還元事業」の詳細はこちらから

【キャッシュレス・消費者還元事業 お問い合わせ先】

  • 0570-000655
  • (IP電話専用)042-303-4203

受付時間:平日10:00~18:00(土日祝日を除く)


ぜひ、この機会にキャッシュレス決済の導入を、ご検討ください。




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