ミラサポ 未来の企業★応援サイト

経営指導員の方へ経営指導員の役割と使命経営指導員の役割と使命

国の哲学が変わった?!「小規模基本法」

立石 裕明

小規模基本法を一言で言うと、「光が当たっていなかった小規模事業者に、真正面から光てるための法律」です。
売り上げ・利益・雇用などの規模を拡大しようとする「成長発展」を目指す小規模事業者のみならず、規模の拡大を必ずしも求めずに「持続的発展」を目指す小規模事業者の方々にも寄り添い、支援をしていくことを国が決めたのです。
国が「成長発展」のみならず、事業の「持続的発見」を支援するということは、大きな発想の転換なのです。

マクロ経済ではなくミクロ経済で考えたならば、小規模事業者は日本のGDPを上げる力を持っています。個々は小さいですが、約325.2万者・日本企業の約85.1%を占めるのです(平成26年経済センサス-基礎調査)。小規模事業者は日本経済の「最後の伸び代」なのです。

もちろんこれまでも地域の雇用を支え、新たな需要にきめ細かく対応できる小規模事業者の役割・素晴らしさは、認識されていました。そこへ、小規模基本法により、光が届くようになりました。
「地域」や「自己実現」、「生きがい」、「社会貢献」のために事業をされるみなさんを、「小規模基本法」は後押ししていきます。

立石 裕明

経営指導員は小規模事業者の「最後の砦」

少し経営を見直すだけで、利益を出せる小規模事業者はたくさんいるのですが、多くの小規模事業者はそのことに気づいていません。可能性はいっぱいあるのに、誰かが気づかせてあげなければダメになってしまいます。それができるのは経営指導員のみなさんです。
経営の身近な相談相手は税理士さんだとよく聞きますが、その顧問税理士さんもいない小規模事業者が多くいます。そんな、どこにも相談相手がいない小規模事業者にとって、経営指導員のみなさんはかけがえのない相談相手なのです。

これまでどんぶり勘定、成り行き経営で20年、30年と事業を続けてこられたということは、発想を変えれば凄いことで、「伸び代がいっぱいある」と考えられます。棚卸しなど現状を把握するだけで、成果が出る可能性が高く、「何もやっていない強み」を持っているのです。
そんな方々だからこそ、どんぶり勘定、成り行き経営から脱却し、持続的発展が実現できるよう、伴走型の支援を行っていただきたいのです。

経営の相談を受けるということは、事業のみならず、時には経営者の命を守る、最後の砦になることもあります。小規模事業者にとって自分が、とても大切な存在であるということを忘れないでください。
(小規模事業者支援ハンドブックP10「経営指導員は小規模企業の命を守る最後の砦」参照)

「指導」ではなく「伴走」してください

立石 裕明

小規模事業者の課題の一つである「事業承継」に関してですが、子どもたち世代は業種による差異・開きはありますが「毎月15万〜25万円の給料で、食べていけるのか?」と、今の給与で継いでよいものなのかと、悩んでいるパターンが多いようです。
そのような場合に、「今の給料が2倍に増えたら、どうする?」と問いかけると、「それならやります!」と即答する人がたくさんいます。
では、どうやって2倍に増やすのか。棚卸し、試算表作成、仕入れや経費を見直す努力をすれば、多くの場合は経費を減らすことができます。5年後の年収を1,000万円に目標設定し、それを実現するために何をするべきか売上計画を立てましょうと提案してください。名付けて「年収1,000万円作戦」です。

継ぐために実家に戻り、初めて財務表を見たら、焦ってしまった方がいました。しかし、親父さんは経営に関して何もやっていない状況だったので、少し手をつければ改善できそうだと感じ、継ぐ決意をしたそうです。「何もやっていない強み」に気づいたのです。

そのような気づきを与えるために、経営指導員のみなさんは何を行えばよいのか。
何かを指導するのではなく、まずはしっかりと相手の話を聴いてください。何に悩んでいて、どうしたいのか、どのような状況にあるのかを教えてもらってください。
上から目線で指導を行っても、聞き入れてもらえません。どんなによい支援施策があったとしても、相手を理解しなければ、有効な支援は行えません。

みなさんは「経営指導員もしくは経営支援員」という方々です。小規模事業者に寄り添い「伴走」、「聴くこと」からコミュニケーションを始めて、相手を理解したからこそできる伴走型の支援をお願いします。

小規模基本法ができたことで、小規模事業者への支援は大きく発想の転換がなされました。当然、経営指導員に求められる役割も変わりました。これまでの考え方を変えていかなければなりません。
その考え方を変えるヒントや、寄り添い方、具体的な支援方法が「小規模事業者支援 ハンドブック」には満載です。今までの経営指導書とは全く異なる内容ですので、ぜひご一読ください。

立石 裕明

小規模事業者支援 ハンドブック(PDF)

立石 裕明

株式会社アテーナソリューション代表取締役
社団法人小規模企業経営支援協会理事長
立石 裕明(たていし・ひろあき)

小規模基本法、小規模支援法、小規模事業者持続化補助金、経営発達支援計画、経営計画つくるくんの策定等に深く携わる。
・経済産業省 中小企業支援ネットワークアドバイザー
・独立行政法人 中小企業基盤整備機構 全国本部
・よろず支援拠点地域支援ネットコーディネーター
・人材支援アドバイザー
・震災復興支援アドバイザー
・中小企業大学校講師
・元兵庫県商工会青年部連合会長




すべての特集を見る