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経営指導員の方へ信頼関係を築くためのコミュニケーション信頼関係を築くためのコミュニケーション

次の行動につなげる「プラスコミュニケーション」を

坪内 美樹

家族や友人知人とのコミュニケーションは、意思を伝える、仲良くなる、信頼関係を作るための手段です。経営指導員のみなさんが小規模事業者の方と接する時には、そこから一歩進んで、「お互いの心をつなぎ、心を動かすプラスコミュニケーション」が取れるよう心がけてください。
具体的には、小規模事業者の方が「事業計画を振り返ってみよう・作ってみよう」、「棚卸しをしてみよう」、「事業承継してみよう」など、「次」の行動につながるように背中を押すことです。

そのためには、まず「笑顔」で接することが大切です。笑顔は福を呼ぶとともに「魔除け」となり、災いを跳ね除ける力があると言われます。関西では、毎年1月9日から11日に、商売繁盛の神様として親しまれているえびす様(恵比寿神)へ福をもらいに行く「十日戎」という祭事があります。福の神のえびす様は満面の笑顔です。経営指導員のみなさんには、ぜひ福を呼ぶ笑顔で、小規模事業者の方に接してほしいと思います。

坪内 美樹

自ら話すのではなく、徹底的に「聴く」

「笑顔」の次は「聴く」ことです。かっこよく話せる方がよいと思う方もいらっしゃるでしょうが、信頼される、応援してもらえる、ネットワークが広がる、そんな方々はみなさん「聴き上手」です。
誰でも自分のことを知ってほしい、聴いてほしいという欲求があります。その欲求に気持ちよく対処してくれる聴き上手の人は、多くの人に愛され、たくさんのファンができるのです。

みなさんは経営指導のプロですが、事業者ではありません。また、支援しようと思う事業者のことを、全て知っているわけではありません。誰でも、話せる内容は「自分の知っていること」だけなのです。しっかり事業者の話を聴かなければ、相手に合わせた適切な伴走型の支援をすることはできません。「自分の仕事以外のことは、わからない」と思い、まず聴きましょう。「わかったつもり」が一番危険です。

耳と心を傾けて熱心に聴く「傾聴」から、「学ばせてください!」という尊敬をこめて聴く「敬聴」をするよう、ぜひ心がけていただきたいと思います。さらに「楽聴(らくちょう)」をしてみましょう。「楽聴」とは楽しんで、好奇心をもって聴くことです。こちらが笑顔で楽しんで話を聴いていると、相手も安心して心を開いてくれるので、本音を聴き出しやすくなります。

「話す:聴く」は「1:2」。決して「教え」はしない

坪内 美樹

「話す」ことと「聴く」ことのバランスは、「1:2」です。多くの時間を「聴く」ことに使いましょう。話す内容は、「感謝の言葉」と「褒め言葉」、そして「質問」です。

「今日はお時間をいただき、ありがとうございます」「お話を聴かせていただき、ありがとうございます」と、小さなことでも感謝を言葉にしましょう。

褒めることで、相手をやる気にすることができます。自分では当然と思っていることでも、褒められることでそのことが有意義であると気づくこともあります。褒めるためには、相手のよいところを見つけなければなりません。事業者の方のよさを見つける時には、お客さまに感謝された経験を聴き出してみましょう。自社の強みの発見となり、自信にもつながっていきます。

質問をするのはなかなか難しいことで、相手に興味を持つとともに、手間暇掛けた準備が必要です。
「そんなことも調べていないのか」と思うような質問をされては、本題に入る前に相手が疲れてしまいます。基本的なことを確認のために聴くのはよいのですが、資料でわかることは事前に調べておきましょう。
その上で質問すれば、「そこまで調べてきたなら、話をしてみよう。相談してみよう」と、信頼にもつながるはずです。

このように、限られた「話す」時間の中で発する言葉は、決して「教える言葉」ではありません。「感謝の言葉」「褒め言葉」「質問」で相手が話しやすい状況を作り出し、相手の本音を引き出しましょう。

坪内 美樹

「ATM」を忘れずに

「ATM」は、若い経営者の勉強会を主宰されている方から教えていただいた、自分をその気にさせてくれる合い言葉です。プラスのコミュニケーションには欠かせません。
A:明るく T:楽しく M:前向きに
どのようなことも「ATM」で取り組むと、「楽しんでしまおう!」と前向きになり、突破口が見つかります。
当然ながら、自分とは相性が合わない方もいらっしゃいます。そのような方に出会った時には、「ATM」を思い出してください。

心には「ATM」、そしてその思いを表わすには、しぐさや姿勢も大切です。
背筋を伸ばすと「信頼感」、身を前に乗り出すと「親近感」。それだけで相手に与える印象が違ってきます。
手を少し広げるだけのボディアクションで、相手に心を開くという意識が強まり、伝わり方も変わってきます。そうしたコミュニケーションのポイントを、「小規模事業者支援 ハンドブック」にたくさん載せています。ぜひ明日からの支援に、お役立てください。

経営指導員のみなさまは、小規模事業者の方々の大きな支えです。
どうぞ、より一層、小規模事業者の方々の支援にお力をお尽くしいただくよう心からお願いし、みなさまのご活躍を応援申し上げます!

小規模事業者支援 ハンドブック(PDF)

坪内 美樹

合同会社坪内美樹事務所 代表 / トーキング・プランナー
坪内 美樹(つぼうち・みき)

神戸大学教育学部卒業。出版社勤務の後、TV番組リポーター、TV番組制作ブレーンを務める。
笑顔でコミュニケーション♪をテーマとし、『笑顔力と聴く力で地域の元気をアップ!』するため、全国で講演活動を展開中。
商工会・商工会議所の経営指導員の方々を対象とする「小規模事業者支援研修」(全都道府県において実施)のコミュニケーション講座担当講師。中小企業大学校講師。




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