公的機関の歩き方

中小企業・小規模事業者を支援 地域経済のカナメ!

Vol.6-2商工会議所の歩き方~後篇~
全国の商工会議所で活躍する経営指導員のみなさん

商工会議所は主に市部に設立され、事業や地域の発展のために総合的な活動を行う団体です。
現在、全国で515の商工会議所がそれぞれの地域で活動し、会員事業所数は125万にのぼります。(平成28年3月時点)
商工会議所では、事業者のみなさんが抱える経営上の不安を経営相談や改善アドバイスを通じて行うほか、例えば海外へ輸出する際の原産地証明の発給や各種検定試験など総合的に事業を実施しています。
今回は、全国の商工会議所に所属する経営指導員のみなさんに、それぞれの商工会議所の特徴や近年注力している取り組みなどをお伺いしました。
※本記事は2017年1月31日時点の情報を基に執筆・掲載しています。

イベントの積極開催で地域の商工業を盛り上げる

大和高田市は奈良県の北西部大阪市内へ30分圏内に位置する面積1,648k㎡人口67,280の小さな市です。

大和高田商工会議所では従来の税務・融資相談のほか、多様化する課題に対応できる支援策が必要と考え「創業支援事業」、「専門家派遣事業」、「商店街支援」など幅広い支援活動に取り組んでいます。

また、会員事業所・青年部・女性会とともに事業者の強みを発信する展示会「くらし産業メッセ」や、平成29年初めて開催した「地場野菜と地酒によるマリア―ジュ」、青年部主体による「イルミネーション事業」などの催事も開催しており、職員が一丸となって地域商工業の支援に取り組んでいます。

インタビューをした人

にぎわい大和高田推進課
森田 美穂さん

主な支援活動として、地元で有機栽培する綿と、地場の繊維産業の技術を活用した「奈良さくらコットン」の製品開発・販路開拓など。

Profile

  • 大和高田商工会議所
  • 職員数12名、うち経営指導員4名、経営支援員3名。
    現在の会員数は1200事業所で、製造業36%サービス業36%小売・卸売業28%(平成28年3月末)。


経営者と後継者の思いを橋渡しする

鳥取市は鳥取県の東部に位置し、情報通信機械、電子部品・デバイスの集積度が高いことが特徴です。

鳥取商工会議所では、「とっとりの元気、会員の元気」をモットーに、経営改善普及事業を中心に地域商工業の健全発展に寄与すべく事業を展開しています。

近年は「販路拡大」、「経営改善」等のほか、「事業承継」の相談が多く寄せられています。
私たち商工会議所としては、現経営者と後継者、双方からじっくりと話を聴き、思いの橋渡しを行って双方の意思を統一し、経営課題の抽出からその解決へ向けて、伴走型の支援を行っています。

また、鳥取県独自の支援体制である「とっとり企業支援ネットワーク」等を活用し、商工会議所経営指導員が中心となり、必要に応じて外部専門機関のノウハウも活用した事業所支援に力を入れています。
ご要望に応じて、中小企業診断士、税理士、公認会計士、弁護士、デザイナーなど、専門家に参加を要請し、専門的な支援を行うことも可能ですので、ぜひご相談ください。

インタビューをした人

中小企業振興部 経営相談課 課長補佐
清水 亘さん

主な支援活動として、紙製品の製品開発、海外展示会出展のサポートや建設事業者の事業承継を専門家と連携した支援など。

Profile

  • 鳥取商工会議所
  • 職員は25名で、うち経営指導員は10名。
    現在の会員数は2,400事業所で、主な業種はサービス業が15%、製造業10%、流通業20%。


スモールビジネスにも親身に寄り添い支援

岡山商工会議所は、1879年(明治12年)12月に中四国初、現存する全国515商工会議所の中では全国9番目に設立されて以来、地域貢献や経済の活性化、スポーツ振興など地域に根付いた活動を行っている地域総合経済団体です。税務・金融・労務をはじめとしたあらゆる経営課題にワンストップで対応することができます。

また、必要に応じて、診断士・税理士・社会保険労務士等の専門家と連携して、企業それぞれの課題・ニーズにあった支援を心掛けています。

近年はいわゆるスモールビジネスで創業しようとする相談者が多く、当所の持つ様々な支援機能をフル活用して、事業が軌道に乗るまでの伴走支援にあたっています。

インタビューをした人

専門指導センター課長
山形 章弘さん

主な支援活動として、加工食品バイヤーとの商談会のコーディネートや地元大学と連携したワークショップ事業の企画立案など。岡山県スーパー経営指導員表彰受賞者。

Profile

  • 岡山商工会議所
  • 1879年(明治12年)12月に設立。職員数は41名、うち経営指導員は19名。
    現在の会員数は岡山市内の企業や事業者約6,000社にのぼる。


地域経済の持続的発展のために効果的なプランを実行

新居浜市は愛媛県の東部に位置し、「住友グループ発祥の地」として位置付けられています。当市の基幹産業である鉄工業界を核とする「ものづくり産業」は、住友関連企業群の発展とともに成長し、住友各社の製造部門パートナーとしての役割を担っています。

新居浜商工会議所では「会員と市民の元気のために~地域経済の持続的発展と再生~」を基本理念とし、「地域経済の持続的発展を図る効果的なプランの実行、関係機関とのネットワークや現場主義による事業展開」を行動の指針として、管内事業所への各種支援を行っています。

近年、補助金申請の相談が増加傾向にあります。「補助金はあくまで手段であって、目的は経営計画を作成し実行支援を行うこと」という認識のもと、経営者の話をじっくり聴き、金融機関、中小企業診断士などの専門家とも連携し、相談事業所の経営課題の抽出からその解決へ向けて伴走型の支援を行っています。

インタビューをした人

経営支援課副課長 兼係長
佐薙 尚史さん

主な支援活動として、専門家やよろず支援拠点との連携のほか、行政や地元産業界、経済界など地域の総力をあげて新居浜ものづくり産業振興センターを公設民営型で整備など。

Profile

  • 新居浜商工会議所
  • 1940年(昭和15年)12月に設立。職員は12名で、うち経営指導員は5名。
    現在の会員数は2,432事業所。


事業所の強みを正しく理解して課題と向き合う

北九州市は明治以来、工業都市として発展し、新日鐵住金、TOTO、安川電機、ゼンリン、トヨタ九州等が立地する企業城下町です。最近では「環境モデル都市」や「高齢社会モデル都市」としての取り組みも盛んです。

北九州商工会議所では、ビジネスマッチングや産業観光に力を入れ取り組んでいます。当市は政令指定都市の中でも高齢化率が高く、経営者の高齢化も顕著なため、事業承継推進は重要課題の一つです。

最近では補助金申請に関する支援も多いですが、いずれにしても事業継続や発展のために基礎となる「経営計画」作成に関して、「その事業所の強みを理解すること」が指導員として大切なことだと思います。
決算書上には表れない無形の財産、例えば社員のスキルを"見える化"し、それを生かして補強するお手伝いをし、社内で繰り返せる仕組みを提案することが大切だと思っています。

インタビューをした人

専門相談センター長・経営指導員
能美 育恵さん

主な支援活動として、老舗醤油屋とアイスクリーム専門店など相談企業同士のマッチング、知的資産経営支援など。後進の育成にも注力し、女性経営指導員の研修パネリストなどを務める。
経営指導員等WEB研修「経営指導員奮闘記」に出演。

Profile

  • 北九州商工会議所
  • 1963年(昭和38年)9月に旧5商工会議所の対等合併により誕生。職員数70名で、うち経営指導員・補助員は45名。
    現在の会員企業数は8,561事業所で、8年連続で入会数は増加傾向。



観光を主軸に据えた取り組みで、地域に活力を取り戻す

長崎商工会議所が位置する長崎市は、鎖国時代にも出島により海外との交流があり、貿易や造船、観光の街として栄えてきました。県庁所在地ではあるものの少子高齢化が進み、近い将来、人口減少が急激に進むことが予想されております。 一方で、世界文化遺産の登録や国際観光船の寄港増加、5年後に迫った九州新幹線西九州ルートの開業などで県外、国外からの交流人口が拡大することが見込まれています。
長崎商工会議所では、これらを契機とした消費の拡大を大きな目標に掲げ、関連事業に積極的に取り組んでおります。

平成28年は青年部を中心に取り組んだ『世界一の夜景都市をめざして ~青年部の提言を地域一体で実現~』が「第9回全国商工会議所きらり輝き観光振興大賞」を受賞し、地域に活力を与えることができました。
また、小規模事業者の販路拡大や新商品開発、創業、事業承継支援などにも力を入れております。
経営に関するご相談に、スタッフ一同、全力で奮闘します。

インタビューをした人

中小企業振興部商工振興課
専門経営指導員
植村 輝宏さん

主な支援活動として、商店街内の店舗を専門家と連携した支援、インバウンド対応や特産品開発支援など。

Profile

  • 長崎商工会議所
  • 1879年10月、日本で5番目の商法会議所として設立。職員数は28名、うち経営指導員は12名・経営支援員は5名。
    現在の会員数は4,019事業所。(平成28年12月末)