公的機関の歩き方

中小企業の公的保証人

Vol.13 信用保証協会

信用保証協会

第13回は、「信用保証協会」の歩き方をお届けします。
信用保証協会は、中小企業が金融機関から事業資金の融資を受ける時、その公的保証人となることで事業者を支援する機関です。全国47都道府県と4市において合計51の信用保証協会が設立されています。そんな信用保証協会の歩き方を、一般社団法人 全国信用保証協会連合会に伺いました。

※本記事は2018年3月6日時点の取材を基に執筆・掲載しています。

中小企業のための公的保証人

信用保証協会の金融分野での支援領域

信用保証協会の金融分野での支援領域

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中小企業が金融機関から事業資金を調達する際に、公的な保証人となることで資金調達のお手伝いをするのが信用保証協会です。信用保証協会は、「信用保証協会法」に基づいて設立された公的機関です。1937年に当時の東京市に初めて設立され、現在では、全国47都道府県と横浜市、川崎市、名古屋市、岐阜市の51の信用保証協会が設立されています。

全国の信用保証協会一覧はこちら

中小企業の資金調達を支援するさまざまな公的機関がありますが、信用保証協会の特徴は、民間活力を利用するという点にあります。信用保証協会が保証人となることで、民間の金融機関から企業への融資が行われやすくなります。日本の中小企業の3分の1を超える137万者が、信用保証協会を利用しています。

信用保証協会は、時代の変遷に伴い中小企業の多様なニーズに対応してきました。最近では、信用保証協会もさまざまな保証制度を活用した金融支援以外に、「創業支援」や信用保証協会利用企業への「経営支援」「再生支援」などにも取り組んでいます。また、経営者の高齢化による廃業などで中小企業数が減少傾向にある中、「事業承継」に係る保証や支援、あるいは地方創生につなげていく活動を行っています。

全国信用保証協会連合会としても、全国の信用保証協会から収集した成功事例を全協会で共有したり、信用保証協会の職員向けの研修を実施することにより、各協会の人材育成に寄与することで、信用保証協会の取り組みをバックアップしています。

信用保証協会の利用にあたって

信用保証制度の仕組み 信用保証制度の仕組み

信用保証制度の仕組み

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信用保証協会を利用するためには、まず、自社の業種と規模、所在地をご確認ください。農林漁業や金融、風俗関係など、利用できない業種があります。企業規模も中小企業(資本金・従業員数のいずれかの要件を満たす)であることが必要です。また、本社の所在地と主に事業を展開している都道府県が異なる場合には、本社のある信用保証協会での利用ができないこともあります。

保証限度額は、無担保保証8,000万円と普通保証2億円とを合わせた2億8,000万円が上限です。保証の利用にあたっては、原則として法人代表者以外の連帯保証人は不要です。また、8,000万円を超えて保証を利用する場合には、原則として担保が必要となります。

信用保証協会を利用するには、2つの経路があります。1つは金融機関を経由して利用するケースになります。大半の事業者は、まず、取引のある金融機関に融資の相談をすると思いますが、その際、金融機関の融資の判断から信用保証協会の利用を提案されるケースがあり、大半がこのケースです。

金融機関を経た場合の実際の利用の流れですが、金融機関より提供される保証の申込関係書類に必要事項を記入し、決算書などの必要書類(申込関係書類の中に必要書類が示されています)を添付して金融機関に提出します。それを金融機関が協会に提出し、審査が行われます。初めて申し込む場合は、信用保証協会が事業者を直接訪問することや、信用保証協会で面談を行うなど、直接話を聞くこともあります。

保証決定後、金融機関から事業者への融資が実行されます。この際に、事業者は金融機関を介して信用保証協会に「信用保証料」を支払います。

もう1つの経路として、事業者が信用保証協会を直接訪ねて利用することもできます。

信用保証協会へ直接相談される場合は、決算書のほか、事業内容のわかる資料などを持参すると相談がスムーズに行えます。

利用などの相談と経営支援

中小企業の支援機関として、「鉄人28号」をイメージキャラクターとする

中小企業の支援機関として、「鉄人28号」を
イメージキャラクターとする

信用保証協会では、相談窓口を設置しており、保証利用などの相談ができます。また、創業に関する相談、保証利用中の事業者向けとして経営に係る相談・支援も行っています。信用保証協会には多様な保証制度が用意されていますので、例えば、資金の使途や必要な理由などにより、その企業が所在する自治体の制度融資などの方が金利などの点で有利ならば、そちらの制度を紹介します。このように全国各地の信用保証協会は、地方公共団体と連携し、地域の特色に合った制度融資を活用しつつ、地域に根差した取り組みを行っています。

経営支援については、信用保証協会にお越しいただくこともありますが、信用保証協会が事業者を訪問することもあります。経営支援の1つとして、経営計画を立てるために中小企業診断士等の無料派遣(回数制限あり)を行っている信用保証協会もあります。また、専門家派遣を利用した事業者の中には、信用保証協会に経営相談して成功した体験を基に、繰り返し信用保証協会を利用するケースもあります。このように、全国の信用保証協会では、親身な相談対応や積極的な経営支援に取り組んでいます。

企業のライフステージにきめ細かく対応する新しい信用保証制度

2018年度から新しい信用保証制度がスタートします。中小企業のさまざまなライフステージに対応し、一層きめ細かな資金需要などへの対応を実現するためです。また、4月の信用保証協会法の改正では、信用保証協会と金融機関との連携が規定されるとともに、これまで信用保証協会が取り組んできた、保証利用企業に対する経営支援が信用保証協会の業務として明記されます。中小企業の経営の改善・発達を支えるために、信用保証協会と金融機関が手を取り合うことで、中小企業も支援を受けられる機会がより増えると思います。

従来のセーフティネット保証の対不況業種(5号)については、保証割合を100%から80%に変更することとなりました。

中小企業では、創業期、持続的発展、拡大期、再生期のそれぞれの段階で必要とされる支援が異なることを踏まえ、それぞれの段階に則した必要な支援を行うための制度改定が行われています。

具体的には、創業チャレンジを一層支援すべく、創業関連保証の保証限度額が、1,000万円から2,000万円へ拡充され、資力が不足しがちな小規模事業者の金融の円滑化として、小規模事業者の持続的発展を支えるため、小口零細企業保証の保証限度額が1,250万円から2,000万円に拡充されます。

また、中小企業経営者の高齢化が進むなか、事業承継への取り組みも重要となっており、事業承継時の会社による株式の取得に加え、中小企業の代表者個人が、承継時に必要とする資金(株式取得資金等)を借入れる場合も、一定の条件のもとで信用保証を利用できるようになります。

制度の創設という点では、信用保険法改正で「危機関連保証」が創設されました。大規模な経済危機や災害時の保証として、適用期限を区切って迅速に発動できる「危機関連保証制度」が新たに設けられ、こちらは、従来の保証限度額と別枠で最大2億8,000万円が保証限度額となります。

ぜひ、お近くの信用保証協会をご利用ください

新しい信用保証制度は2018年4月1日からスタートします。保証制度のご利用だけでなく、創業や経営についてのお悩みなど、お気軽にご相談ください。全国の信用保証協会では、経営改善や生産性向上による健全な中小企業の発展を一緒に考えていきます。ぜひ、お近くの信用保証協会をご利用ください。

インタビューをした人

一般社団法人 全国信用保証協会連合会
事務局長
市川直人さん

市川直人さん

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