プロジェクト担当者インタビュー

Report Vol.4EVスマートモビリティ・プロジェクト

黒岩 隆之

「新しいツーリズムの仕組みを作り、地域に経済波及効果をいきわたらせる!」

株式会社JTBコーポレートセールス
霞が関第一事業部 企画課
黒岩 隆之さん

EVプラットフォームで、横展開が可能な旅の提案を

今回のプロジェクトのスキームを、今一度解説いただけますか。

「EVスマートモビリティ・プロジェクト」と銘打っていますが、各種観光施設様への普通充電インフラ(充電器)の設置等の活動は、補足でしかありません。
私たちが取り組んでいるのは「新しいツーリズムの仕組み作り」であり、新しい旅のスタイルを作り、地域に経済波及効果をいきわたらせ、地域の新しい観光開発を行うことです。
これまでの移動手段と宿のセットを販売するだけではなく、移動中、移動先で何が体験できるのか、コンテンツが重要だと考えます。そのコンテンツを連動、周遊させることで、付加価値の高い旅が提供できると思っているのです。
その、コンテンツの連動・周遊を円滑に促すために、今回募集している「EV(電動車両)を活用したニッポン全国スマート化」の取り組みがあるのです。

具体的な取り組みとしては、EVシェアリングの仕組み導入があります。
こちらは、旅館等の軒先を無料で提供していただき、EVの充電器を当プロジェクト負担で設置させていただきます。そうすることで、旅館にはEVのカーシェアスポットになっていただきます。
そこへ、事業連携している株式会社日産カーレンタルソリューション様のEVをカーシェアリング車両として導入いただけると、その車両を朝晩は従業員の出勤に活用いただき、午前中はお客様の送迎など社用車として活用、そして午後の夕飯までの時間は観光客であるお客様へ貸し出しをしていただく。
つまり、旅館に関係する3者でカーシェアをする仕組みです。お客様は車を使い近隣の観光施設を自由に回ることが可能になり、便利になるだけでなく旅先への満足度も高まります。

地方ではカーシェアなど求められていないと言われていますが、観光地での2次交通、3次交通としての、移動手段の主流である路線バスは本数が圧倒的に少なく、実質的に移動の手段がない状況にあります。逆に言えば、ここに需要があると考えています。団体旅行で周遊するツアーはありますが、個人旅行でうまく周遊するオプショナルツアー(移動手段を含めた体験型の旅行)がないのが、現状です。

もちろん、新しいツーリズムの仕組みは、旅館をカーシェアステーションとした取り組みだけではありません。あるローカル鉄道会社では、旅館同様、駅舎をカーシェアリングスポットとして提供する試みを検討しています。
カーシェアの乗り込み、乗り捨てスポットがたくさん作れると、長距離移動は、JR、飛行機等の公共交通(1次交通)で、広域内はカーシェアで移動し、小域内はベロタクシーやレンタサイクル、歩きで観光を楽しみ、最後は疲れてバスで駅に戻るなど、周遊する手段を多数用意できれば、新しい旅のスタイルが提案でき、もっと厚みのあるツーリズムが作れるのではないかと考えています。

このような仕組みを旅館さんや1事業者さん、1地域が単体で行っても、うまく行かないと思います。地域で連携をしなければ意味がなく、やり遂げることは大変難しいと思っています。そこで私たちJTBグループがプラットフォームを構築し、事業者さんたちを繋いでいくことで、新しい価値を生み出せるのではないかと考えています。

(参考)日産自動車製作動画:A 100% Electric Holiday: EV Car-sharing in Rural Japan

JTBコーポレートセールス

この連携を円滑に進めるためプラットフォームとは、どのような仕組みなのでしょうか。

JTBコーポレートセールス

民間のサービスをつなぐ、相互送客をする仕組みをJTBグループがハブとなり構築したいと思っています。その仕組みが「EVプラットフォーム戦略」でして、現在構築・充実化を進めています。

まず、カーシェアにおいてはIDを活用し利用者を管理することで、乗り込み・乗り捨ての手続きが簡素化され、スムーズに次の移動、目的に移ることができます。
特に、今後さらなる需要が見込まれる訪日観光客(外国人)に車を貸し出す場合、貸し出す側のリスクもあり、あまり市場が活性化していません。しかしEVプラットフォームを利用すれば、訪日前に必要事項を登録いただき、必要事項の確認が事前に行えるので、貸し出す側の手続きも簡素化され、書類確認等のリスクも低減できます。利用者側も借りるたびに新しい登録・手続きを行わなくともスムーズに利用できます。ユニバーサルな視点でサービス設計を行っておくことで、自然と日本人の登録も促せます。

また、IDに紐付いて属性やEV活用のシーン、旅先でのアクティビティなどを管理できれば、趣味趣向を把握することができ、より利用者が求める観光情報をレコメンドできると考えています。
例えば、北海道への旅行者を別の地域に向かわせようとするときに、なぜ北海道に行ったのか、その訪問の目的が把握できれば、同じ目的をかなえることができる別の観光地をレコメンドし、次の旅先を紹介することができます。この情報提供は利用者にとっても日本を楽しむ、再び日本に訪れるきっかけにつながるはずです。
地域の観光案内所では、その地域の観光情報しか提供をしてもらえません。しかし、訪日観光客たちは、東京で昼間遊び、2時間かけて金沢にカニを食べに行く方もいらっしゃいます。EVプラットフォームで旅の目的や思考を管理することで、利用者にとって有益な情報を、もっと広い視点で提供し、訪日観光客たちを日本国内のさまざまな地域へ巡回させたいと考えています。

では、そのような取り組みを進められている中で、今回どのような方々にパートナーとしてエントリーしていただきたいのでしょうか。

楽しいと感じてもらえるコンテンツがなければ、IDの登録も促せません。だからこそ、地域の魅力を理解している地域の方々に、EVプラットフォームのコンテンツとなるパートナーになっていただきたいと思います。
その一つの形が、普通充電インフラ(充電器)の設置であり、EVシェアリングの仕組み導入であります。

IDで旅をつなげていれば、旅の仕方が大きく変わるはずです。荷物ひとつにしても、自身が運ぶのではなく別の方法で荷物を移動させられるだけで、旅が変わると思っています。ホテルに荷物が届いていれば、次の行動が変わりますよね。法律等の整備が必要ですが、この荷物の移動を担ってくださるタクシー業者などの事業者さんも、パートナーとして成立すると思います。

ソリューションも課題も現地にあり、課題を解決する策も現地にあると思っています。EVカーシェアなど地域を横につなげる仕組みをJTBグループが提供し、IDで世界中の人を繋ぐことで、これまでにはない「新しいツーリズムの仕組み」を作り上げたいと思います。

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