パートナーシップ インタビュー

Report Vol.21FDS(Froebel Design Standard)商品開発プロジェクト

株式会社フレーベル館 田口 将弘さん 株式会社ニューテックシンセイ CEO 桒原 晃さん

1年かけて築いた強固な信頼関係

株式会社フレーベル館
田口 将弘さん
株式会社ニューテックシンセイ
CEO 桒原 晃さん

110周年記念事業「フレーベル館 Kinder Platz」で協業に新展開

※本記事は平成28年12月19日時点の取材を基に執筆・掲載しています。

【株式会社フレーベル館 田口】
フレーベル館の110周年事業の一環として、2016年12月9日にトレッサ横浜に"創造性と主体性を育む 子どもたちのための遊び場「フレーベル館 Kinder Platz(キンダープラッツ)」"をオープンいたしました。まるで絵本の世界のような空間となっています。
弊社は幼稚園・保育園向けの玩具や園庭遊具を主に扱っているのですが、園に通うお子さんのみならず、多くの子どもたちに遊びの場を提供したいと考え、スタートした記念事業です。2016年4月に新設された部署が中心となり、施設のコンセプトや空間デザインを検討し、このトレッサ横浜にご縁があってオープンすることができました。
フリードリッヒ・フレーベルの教育思想をベースに、子どもの環境づくりや、ワークショップのプログラム開発などを実践しており、これまでの経験と知見を結集した施設となっています。

今回、グッド・ビジネス・ニッポンをきっかけにパートナーシップを築いているニューテックシンセイが取り扱う「Tomtect(トムテクト)」という玩具の活用を、この施設で検討しています。
薄い板とジョイントを組み合わせて遊ぶ玩具なのですが、楽しみ方が豊富で、ワークショップも行っていきたいと現在計画をしています。


フレーベル館 Kinder Platz

フレーベル館 Kinder Platz

自分たちが持っていないノウハウを提供してくれる

株式会社ニューテックシンセイ CEO

【ニューテックシンセイ 桒原】
ニューテックシンセイのメイン事業はノートパソコン等の高密度組立事業なのですが、近年この業界は海外との競争が激しく、新しいことに取り組まなければ事業が成り立たなくなる、そんな雰囲気が社内に立ち込めていました。
自分たちの技術力を活かした新しい事業を検討するにあたり、私は「地元(山形県米沢市)にこだわりたい」という思いがあり、地域資源の活用が付加価値になればと考えました。また、新しいことに取り組むのであれば、自分たちも楽しみたいと。ちょうど開発を担当している社員みんなに小さな子どもがいたこともあり、「おもちゃ」にチャレンジすることにしました。
そして誕生した商品が、金属加工の技術を活用し、山形県産広葉樹の無垢材を削り出しで作ったブロック玩具「MOKULOCK(もくロック)」です。2012年6月のインテリアライフスタイル展への出展を機に、国内での販売を開始しました。

「MOKULOCK」の新たな展開として、幼稚園・保育園への販売を考えたときに、単発での発注はあっても大規模な販路開拓は自社では難しく、さらに園で使われる玩具は"何かが違う"と思ってみても、それが何であるのか経験も知識もありませんでした。そこで、この業界に関する知見をお持ちのフレーベル館に弊社の技術を活用してもらえたならば、違った展開が見えると思い、昨年グッド・ビジネス・ニッポンへ応募しました。

現在、オリジナル商品の開発をご一緒しているのですが、思っていた以上に、品質・安全に対する基準が厳しく、ものづくりに対する考え方が異なりました。一人の子どもが家庭で遊ぶものとは異なり、集団で扱われます。耐久性・安全性も個人向けと異なり、思いもよらない域まで考え抜かなければならないと、基準の高さをひしひしと感じています。
また、私たちには加工の技術はあり、モノは作れますが、環境や空間を作る、おもちゃを使ってどのように遊ばせると成長により良い影響を与えられる、そのような分野に関しても知見がなく、新たな引き合いに対しても相談に乗ってもらい、ノウハウを提供していただいています。

今回「Tomtect」をこの「Kinder Platz」で検討いただいていますが、開発しているオリジナル商品も早く扱ってもらえるよう、尽力しているところです。


MOKULOCK

    

関係性が続く企業の共通点とは?

【フレーベル館 田口】
グッド・ビジネス・ニッポンは、通常の展示会では出会えない、ものづくりの方々と一度に出会える機会でした。たくさんの情報も入ってきました。
パートナーズ ミーティングを経て、商談を進め、ニューテックシンセイのように長く関係性が続いている企業もありますし、残念ながら問いかけへの返答がなく、連絡が途絶えてしまった企業もあります。
続いている企業の共通点ですが、具体的な商材があり、その商材をベースに課題を投げかけても、それに応えようとすり合わせを行ってくださる企業です。商習慣など、もともと環境が異なるので、難しいこともありますが、今も続いているさまざまな取り組みを進めていきたいと思っています。

現在、他の商品開発も進めていますが、ひとつの商品を作るのはとても大変なことです。試作品を作り、複数の検査があり、時間もかかります。ニューテックシンセイとは、1年間そのような工程でしっかりと信頼関係を築けていたので、今回商品開発ではない取り組みの話でも、すぐに対応することができました。

オリジナル商品の開発は、ラボ等でモニターをしながら、細かな調整を続けている最中です。早く商品化したいですね。
「Tomtect」に関しては市場に定着するまでには伝えていく作業も必要ですので、ワークショップの活動にも取り組んでいきたいと思っています。

フレーベル館 田口