海外展開

海外展開 早わかりガイド

中小企業・小規模事業者の海外展開に役立つ情報やデータをご紹介いたします。

失敗事例と対応策・ポイント ⑧知的財産

海外展開において「知的財産」に関する課題やリスクは多く聞かれます。事例に基づくチェックポイントをご紹介します。

事例8-1  複数社からの模倣品被害

概要 当社は世界各地に代理店を置いて輸出販売しているが、A国の代理店が「B国で生産された模倣品が大量に流入し半値以下で売られて、わが社の売上が激減している。」と言ってきた。調査すると、当社の商標と類似しているがアルファベットを一字変えただけで、梱包もそっくり真似て作っている模倣品が出回っていることが判明した。さらに、模倣品を製造している企業は複数いるようである。当社は輸出しているA国では商標登録しているが、対策を打てずにいる。
対応策とポイント 本件は、商標登録ができているA国で訴訟を起こして戦うことも考えられますが、やはり、製造元であるB国で訴訟を起こすなど、自社の厳しい姿勢を模倣業者に示すことによって、自社製品の模倣のリスクが高いことをアピールして行けば、他の業者への波及を防ぐことにもつながります。

事例8-2  海外進出予定先での不正な商標登録

概要 X社は陶磁器の国内需要が減少しているため、国際見本市に出展してA国市場への販路開拓を開始した。見本市参加をきっかけに、A国での商標登録を目指し2件の出願を行ったところ、A国ですでに出願済みであることが発覚した。
対応策とポイント 今回の冒認出願(※)を放置しておけば輸出の障害になるばかりか、X社が商標の不正使用に該当してしまうことから、国・県・市等の行政機関に相談の上、冒認出願の拒絶に向けての対応を協議して異議申立てを行うなどして、その阻止を図るべきです。
※発明者又は考案者でない者であって、特許を受ける権利又は実用新案登録を受ける権利を承継しないものがした特許出願又は実用新案登録出願のこと。

事例8-3  ブラックボックス化した製品の模倣品被害と退職者からの技術流出

概要 A国でのビジネス展開にあたり、A国現地法人に対する技術流出のリスクを考え、ブラックボックス化して製品を出したこともあるが、A国で全部分解され、1週間後には模倣品が出された。また、退職者を通じて技術が流出することもあり、防ぎきれない。
対応策とポイント コア技術については日本の本社から出さないよう確保しておくとともに、社員の間でその共通認識を形成しておくことや、情報管理体制の構築、現地法人において技術者が長く働いてもらえる職場環境の整備、技術の先進性及び優位性を保持するなどして、模倣・技術流出のリスクに対応することが大切です。また、未然の防止策として技術者に対して厳格な守秘義務規定を含む契約書を交わすなどの方法も検討するべきです。

事例8-4  合弁先企業から技術流出

概要 過去に海外企業と合弁により工場を設立して、自社が持つ技術を提供し事業を行ってきたが、知的財産に対して無防備であった結果、ノウハウまで全て相手に吸い取られてしまい、手元に何も残らなくなってしまうといったトラブルが発生し、最終的に合弁を解消することとなった。
対応策とポイント 公的支援機関による専門家派遣を活用するなど、特許の考え方や手続方法を学ぶことで、知的財産に対する意識を変えることが必要です。特にノウハウについては、特許のような登録制がないので、どこまで相手に提供するか予め決めておく必要があります。

事例8-5  委託先の不正な商標出願

概要 A国現地メーカーにて委託生産をしており、完成品は全て日本国内販売用で、A国現地での販売はない。A国での偽物製造、世界への輸出被害を恐れ、A国へ商標出願をする最中、現地委託先企業が勝手に売れ筋商品のブランド名を商標出願していることが発覚した。
対応策とポイント 現地販売のない純粋な委託生産であってもまずは現地での商標権取得が必要です。そして、製造委託契約書では「委託者商標の出願禁止」「委託者製品の独自販売の禁止」の条項を念のために入れておくことが必要です。知的財産権を取得しておかないと、合弁先が偽物を生産したり、合弁先が不正に商標を取得して、逆に訴えられたりする場合もあります。

事例8-6  取引先からの模倣品被害

概要 機械製造業をおこなっており、A国への官民合同ミッションにおいて、商談会が実施され、現地の企業であるX社から、是非とも当社の製品を導入したいとの話があり、現地政府の幹部の立会いの下、当該現地企業と覚書を交わした。X社からは詳細な仕様書等の資料を多く求められたが、現地政府が認めた企業でもあるので、大丈夫だろうと安心し、渡した。その後、X社から一方的に契約を断られ、後でよく調べたところ、自社の製品と同じものをX社は導入していた。
対応策とポイント 相手国政府から紹介された企業であっても安易に仕様書等を渡してはいけません。相手国政府・機関に提出が必要な資料・データであってもコピーできない用紙やデータを使用する、事象毎に事前の模倣に対する損害請求の覚書きを定めておく等、対策を行うことも大切です。

事例8-7  偽物の製造物に対する責任

概要 A国で自社の製品とそっくりな製品が半分程度の価格で市場に出回っていることが判明。自社の製品と勘違いした購入者から、不良品を理由に責任を追及される事態が発生し、大きな問題に発展した。
対応策とポイント 国によっては、製品の購入者の権利が大きく保護されています。製品に対する損害賠償が提起された場合、製造会社としてはそれが偽物である旨を証明しない限り責任を免れないこととなります。事前に商標権、特許権を取得し、偽物が出回った時の対応方針について社内で検討し、マニュアル化しておくことが重要です。
  • ※「海外展開早わかりガイド」で取り上げているリスク事例については、「海外展開成功のためのリスク事例集」(平成26年3月中小企業海外展開支援関係機関連絡会議)を基にしています。海外展開に取り組んだ日本企業に起こったトラブル・失敗の「概要」及びそれに対する「対応策とポイント」をまとめたものです。
  • ※対応策とポイントは一般的なものであり、当該日本企業が実際に行ったものとは限りません。
  • ※各事例においては、輸出先または進出先の国名について特定の場合を除き「A国」と統一しています。
  • ※リスク事例の記載内容に関して生じた直接的、間接的損害については、一切の責任を負いません。

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