海外展開

施策情報を知る

海外展開の計画から実行までを支援する施策をご紹介します。

効率的・効果的な海外市場情報の集め方 (中国編)

一言で市場情報といっても、さまざまなタイプの情報があります。マクロデータからネットでは調べきれない個別競合企業の内部情報まで、多種多様な情報が実際に入手可能です。また、これらの情報には値段がついており、日本国内の商慣習と比べるとしっかりと対価を要求されることが多いように見受けられます。「数を集めれば何かは使える」では限界があるのです。仮に予算があったとしても、不適切な情報に惑わされたり、不要な情報に時間をとられたり、とビジネス上の損失につながる可能性も日本国内に比べると高くなりがちです。
では、どのような情報をどのように集めればよいのでしょうか? これについては、進出先によって異なります。入手できる情報がことなるからです。さらに、EC事業者の進出フェーズによっても異なります。ここでは、越境ECの進出先として注目される国のひとつ「中国」について、以下の進出ステップに合せた具体的な情報例をご紹介します。
※この記事は、iResearch Japan株式会社様よりご提供頂いています。

商品の需要やEC浸透傾向を知る(マクロデータ)

まず市場情報の入り口にあたるものは「マクロデータ」です。ご存知のとおり、中国EC市場規模はまだしばらく拡大が続くと予想されています。このようなデータは、インターネット上で検索をすれば、ある程度入手できます。
しかし、マクロデータとしてここまでで満足してはいけません。さらに一歩踏み込んで、例えば次のような切り口で検証してみる必要があります。

  • 自分の商材は中国人がインターネットで買い物をする土壌があるのか?
  • ターゲットとなる顧客層(年代等)は今後どれくらい伸びるのか?
  • 競合企業も含めた標準コンバージョンレートは?

コンバージョンレート傾向については、下記のグラフのようなデータで確認ができます。商品カテゴリによって、当面自社サイトの目指すべきコンバージョンレートが異なることが確認できます。さらに、時期によっても異なることも分かります。これは春節などの年中行事、学生の休暇シーズンといった季節要因によるものです。こうした進出先の文化的要素も含めてマクロデータとして認識する必要があります。

中国のB2Cサイトにおける商品カテゴリ別コンバージョン率

データの収集先

このようなデータの収集先としては、進出先の国や地域の内資系調査機関がおすすめです。特に欧米とも商習慣が大きくことなる中国については、この傾向は強くなります。上述のグラフも、中国で最も信頼されている調査機関のひとつアイリサーチ社によるデータです。定量的なデータに加えて、定性的な見解の付加も期待できるため、ひとえにマクロデータといっても、その活用度合いは大きく、より効果的なデータといえます。

商品カテゴリ別競合ブランドの販売傾向を知る(タオバオデータ)

中国EC市場の特徴として、タオバオ(淘宝)という圧倒的な規模を誇るサイトの存在が挙げられます。例えば、「シングルデー(2011年11月11日)」に行われたキャンペーンでは、1日でなんと約620億円(52億元)を売り上げ話題になりました。このように、中国ECの中でも最も盛況な場といえます。

中国アイリサーチ社のシェア分析データにおいては、中国消費者向けEC市場の8割超をタオバオが占めているとあります。すなわち、そのタオバオにおける商品やブランドのトレンドは、中国消費者市場全体の傾向を表していると考えられます。

【タオバオでの紙おむつ人気商品TOP10(2010年9月)】

NO. 人気商品(日本語訳) 売上全体に占める割合 購入件数 購入者数 平均販売価額(元)
1 花王 通気性3倍 31.3% 154,437 57,376 127
2 Huggies 極薄・やわらか 11.2% 132,285 26,868 53
3 Pampers 極薄・さらさら 8.2% 274,356 20,460 18
4 Mamy ぽこ 極薄・瞬速吸収 7.9% 188,276 23,170 26
5 Pampers プレミアムケア 2.3% 126,970 7,080 11
6 花王 メリーズ 2.1% 15,264 2,990 85
7 Huggies プルアップ 1.9% 149,744 6,087 8
8 Daigo L54+2枚 1.3% 7,025 2,789 117
9 Daigo L54枚 1.2% 6,166 2,242 122
10 Daigo M64枚 1.0% 5,439 1,575 119

たとえば、紙おむつはタオバオ上で月に5億円以上の売上があります。上記の表は、その中の製品別ランキングです。ここから、ブランド別、梱包数別の傾向、さらには「薄い」といったキーワードがうけていることなどが推定できます。ちなみに、日本の紙おむつの売上は、東日本大震災による影響を一時的に受けたものの、その安全さから今でも大変人気があるようです。

このように、タオバオデータから消費者市場全体の商品別トレンドを把握し、さらに自社と競合のポジショニングマップとして情報を活用できます。また、タオバオデータでは、実際に紙おむつを購入した購入者属性情報(ユーザーの年齢、性別、居住地域等)や、どのようなキーワードをタオバオ内で検索して商品購入につながったのかといったWEBマーケティングデータもあわせて入手可能です。中国市場全体の傾向からインターネット上のマーケティング指標まで、タオバオデータからは戦略立案に役立つデータが抽出できます。まずはこうしたデータを中国企業は活用していることを知り、中国市場ならではの合理的な戦略立案につなげていきましょう。

商品カテゴリ別競合ブランドの広告戦略を知る(広告データ)

中国に限らず新しい市場に参入する場合、その市場での自社の知名度が非常に大きなファクターであることは言うまでもありません。ビジネスチャンスを求めて世界中から企業が集まっている中国でもそれはことさら顕著です。ブランド浸透の重要性を感じている進出企業が、様々な媒体で盛んに広告出稿を行っています。中でも、毎年拡大を続けるインターネット広告の市場は、今では年間1000億円をはるかに超える規模にまで拡大しています。

下図の中国アイリサーチ社による分析データは、例として、化粧品業界に広告主をしぼったインターネット広告の出稿額ランキングトップ10です。出稿額で1位のP&Gは、なんと毎月1億円以上の費用をインターネット広告に投下しています。その中でも、2月の春節による出稿額の減少など、中国ならではの特徴的なメリハリがあることも見受けられます。また広告出稿額、出稿先、出稿商品の推移データから、各企業のマーケティング戦略を推察することができます。このように、多くの中国企業は非常に貪欲に競合企業のデータを収集し、自社のマーケティング戦略に活かしています。そのような企業と市場で戦うことを考えれば、日本企業もおのずとこうした情報収集が大切になってくることがわかります。

化粧品企業 中国WEB広告出稿金額推移

こうした他社の広告状況のみならず、実際のクリエイティブのデザインや、媒体のアクセス状況やユーザーの属性まで、様々なデータが入手でき、戦略の立案に活かされているのが中国の特徴です。日本企業も、効率的に自社のターゲティング層にアプローチするためのデータ収集を行い、中国市場において認知度を拡大していくための施策を積極的に打っていくことが、中国展開においては必要不可欠です。

自社ブランドの認知度や課題を知る(カスタマイズデータ)

これまでの記事では、タオバオにおける人気商品のデータや、中国進出企業のウェブ広告データといった企業と消費者間のマーケティングデータとその分析の重要性について触れてきました。本章では、ある程度商品販売実績があがり、その先に自社製品を広大な中国でいかに効果的に流通させるかを考えるフェーズとなります。販売の拡大を狙うという意味では、まずは現在地、すなわち自社ブランドの市場ポジションを知ることが重要です。一般的には消費者向けのブランド認知調査などが考えられますが、中国においては、それだけでは足りません。消費者に商品が至るまでの様々なプレーヤー、例えば通関業者、倉庫業者、卸売業者などの現地企業向けマーケティング活動も中国での戦略を練る上では欠かすことができません。

よく言われるように、中国は強い人脈社会であり、それは日本人の想像を超えることも多々あります。進出している多くの日系企業についても、この点を軽視して現地企業との連携が上手くいかず、中国ビジネス自体の成功から遠ざかっている例が多く見受けられます。または中国では外資系企業に対して、特にインターネットビジネスにおいては、非常に厳しい様々な規制が存在しているという事情があります。その点においても、どのような現地企業といかに協力をしあい、もしくは彼らに受け入れられる商品はどういったものかということを研究しなければなりません。

中国のアイリサーチ社では、オンライン、オフラインを問わず様々な市場調査サービスを行っており、実際、近年は特に外国企業の戦略相談が増えています。自社と提携すべき企業のリストアップから、ファーストコンタクト(製品に対するリアクション調査)、さらには提携交渉ミーティングの設定まで、中国現地におけるマーケティングの相談は多岐に渡ります。実際、中国で成功していると言われる某日系スーパーでも、対消費者以上に、流通業者などの対現地企業へのマーケティングとコネクションの強化を図っていると言われています。信頼できる現地パートナーを見つけることが、中国ビジネスの成否を左右するといっても過言ではありません。

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